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星河の覇皇

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第六十三部第四章 閣議決定その三十一

「志願すれば残ることが出来ますが」
「志願制と違いな」
「残る者は殆どいません」
「だからだな」
「はい、高度に進んだ近代国家にはです」
「徴兵制はそぐわないな」
「志願制であるべきです」
 八条はこう結論付けた。
「それに軍は必要ですが」
「他の産業にも必要だな」
「軍は非生産的な、歳出ばかりの組織なので」
「そこにばかり人がいてはな」
「国家の生産性自体が落ちます」
「徴兵では若い市民が行く」
「働き手です」
 まさにそれになる、徴兵制はその働き手を軍に入れるものだ。それならば強い軍隊に出来る。だがそれと共になのだ。
「働き手を軍にばかり取られては」
「国家の生産性も落ちる」
「ですから」
「軍は志願制にしてだな」
「士気の高い技術者にずっといてもらい」
「生産的な産業に働き手を集中させ」
 そして、とだ。キロモトはさらに言った。
「国力を上げるべきだな」
「それが現代の国家です」
 この時代の、というのだ。
「銀河の時代の」
「戦乱のサハラは別としてだな」
「あの地域はまた別です」
 サハラは、というのだ。
「あの国は」
「始終戦乱に覆われていてはな」
「志願制などとも言っておられません」
「何がっても兵が必要だな」
「そうです、ですから」
「徴兵制だな」
 サハラ各国はだ。
「そうでなければならないな」
「実質的には選抜徴兵制でもです」
「一定の兵がどうしても必要だからな」
「はい、ですから」 
 それが為にというのだ。
「サハラの殆どの国が志願制でした」
「あの君にはあの国の事情があるな」
「まさに」
「そういうことだな、しかし」
「連合はです」
「志願制であるべきだな」
「兵はこの規模で集まれば満足すべきです」
 定員ぎりぎりのだ、この状況がというのだ。
「むしろかなりいいです」
「そうなるな」
「志願制でこれだけ集まれば」
 それで、というのだ。
「いいです、ですからこのままです」
「志願制でいくべきだな」
「連合は」
「そうなるか。そもそも徴兵制などな」
「連合では」
「する必要もなければ」
「してもだ」
 実際にだ、徴兵制を連合で導入してもというのだ。 
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