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生徒会”執行部”と”捜査部”  ~舞い散る桜STKとの出会い~

作者:猫丸
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番外+1、妹の世界 

 
前書き
 《side 琴美←》 

 



【お姉ちゃん、何で私の前で泣いてくれなかったの?】




お姉ちゃんはいつも一人で戦っていた


「ただいま・・・あ、琴美、受験お疲れ様」

受験が終わった頃にお姉ちゃんはすでに中学校へ行っていた

「とても楽しいよ!」

そんなことを言って、実はお姉ちゃんのことはちゃんと分かっていた

お姉ちゃんは中学一年生になってから急におかしくなった

たくさんの【嘘】をつくようになっていた……

一年生になって何人もの友達に裏切られたのに誰にもつらい顔はしなかった。

独りひっそりと泣いていた姿を何度も見かけたけれど声をかけることができなかった……

三年生になってもお姉ちゃんはいじめられていた、でもそんなときにお姉ちゃんの学校から電話が来た

お母さんは青ざめたような顔をしてから急いで私を連れて行かずにお姉ちゃんの学校へと行った

お姉ちゃんは大きな校則違反をしたらしい、それで高等部には進めなくなってしまったらしい


「お姉ちゃん…」

「お、美琴。ただいま。私ね、卒業したら美琴の学校へ行こうと思うの! だから…今以上にがんば「いいよ、もう!! 頑張らなくても良いからっ……」

「…なにいって「お姉ちゃん、いじめられてたんだよ? お母さんは何で気がつかなかったの?」

お母さんは何も言わなかった…
お姉ちゃんは次の日からも笑顔だった……いつもの【嘘】をついたような笑顔は私を少しだけ不安にさせた、それでもお姉ちゃんはクラスではもういじめられなくなったらしくて何処か違う感じがした

おかしい
毎日毎日部屋の中で小さな銀色に光る何かを磨いていた
偶然私が部屋に忍び込んで銀色の正体を知った


「ナイ……フ…?」

そのままその先の暗闇に包まれたような謎は解き明かされずにお姉ちゃんは私の学校に楽々受かってさっさと卒業した、そして卒業した翌日に私に全てを話した


「琴美…聴きたくなければ耳を塞いで、でもなるべく聞いて。

私はあの日にさ、このナイフでクラスメートを傷つけちゃったんだよね
毎日毎日いじめられているのにこっちのことなんて考えないでニコニコしやがって……って思ったら首謀者より憎かった

それでナイフ向けたら、私を追い出してくれるって校長先生がおっしゃった

嬉しかったんだよ、妹とも一緒にいれるかもしれないとか……もういじめられないんじゃないのか? って思ったりして

あの日の後は部活でも追い出されたしクラスではその後……権力握った感じかな?
いじめられなくなったしクラスで次にターゲットになったのも転校させちゃったし。

ごめんね…琴美の前でもっと前に話せばよかった」

私はお姉ちゃんに何も言えなかった
ただお姉ちゃんがナイフをゴミ箱に入れ込んでから部屋を出るまで何も出来ないような気がした、私はお姉ちゃんが部屋を出て行ってからずっと泣いていた。

こんな苦しいことを……家族に言えなかったお姉ちゃんが別の世界に居る気がした

冷たく閉ざされ世界から急に氷のとげに包まれてしまったような気がした瞬間にお姉ちゃんが自分の心の世界から遠く離れてしまったような気がした。

お姉ちゃんはその後に学校の近くにある祖母の知り合いが管理人をしている小さな寮の部屋を借りて生活することになって私たちから本当に離れてしまった気がした

お姉ちゃんのことを【お姉ちゃん】と呼べなくなった…


「琴美、母さん、父さん、ありがとね」

「……春、行かないで。」

「行かないといけないんだよ、独りでね。まぁ、遊びに来れば良いじゃん、夏休みとか」


―二週間後


「琴美! よかった、やっと会えたね」

「春、大声出しすぎだってー…」

お姉ちゃんとやっと会えた、学校で入学式を終えたらしくすぐに私たちが始業式をしたあとにちょうど帰るところだったらしい
お姉ちゃんは冷たくなったような表情だったのに私の前ではいつものあの笑顔だった。


「琴美、ここでならやっていけそう
楽しみだね…あ、寮とか寄る?」

「うん、春の部屋ぐちゃぐちゃでしょ?」

「そ、そんなことないよ!」

そんなこといいながら部屋はぐちゃぐちゃだったけどお姉ちゃんは何処か戻っていて何処か変わっていなかったけれど……丁度どこかで収まった感じがした
お姉ちゃんは私に夕食を作ってあげてからすぐに駅まで送ってくれた

これで…

        お姉ちゃんはもう大丈夫…

そんな気がした…




***

そうそう、私はずっと前から好きな人がいる
レイ君…頭が良くて女の子から大人気だからきっと私よりきれいな女の子を選ぶんだなと思っているけどやっぱり小学校の頃から大好きだった、レイ君には素直に告白したいなあ…と思っていたりするけどなかなかうまくいかない。

だって…隣のクラスにレイ君が大好きなイヤーな奴がいるんだもん
あの子はは私と家が近いから友達だった/だと私は思っていた、けれどいっつも喧嘩したり、急にいじけだしたり、急にぶりっ子みたいになったりする、劇の役は絶対に主役をやりたがるくせに、大根役者で性格も成績も悪い、イヤーな女の子。


「琴美ぃ、レイ君の彼女はぁ~~絶対にア・タ・シなんだからねっ」

「あっそ。レイ君の彼女が他の人だったらどうするの?」

「ぅーんとぉ、斬っちゃぅかもぉ~」

ヤバい…この子…マジだ…ちょっと怖いかも…


                              
***

 
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