詩集｢Variationen｣

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過ぎ逝く季節(ﾄｷ)

夜空を見上げれば三日月が
泣いているようで…
笑っているようで…
まるで自分みたいだと苦笑した
想い伝えられずに
ただ､待っている

いつか見た景色の一頁
欲しかったものは…
永遠に無く…

今在るが儘の時は残酷で
手を翳しても止まることはなかった
追い駆けたものは…
求めたものは…

伝えたい言葉はまるで雪のように
儚なく溶けてゆく想い出の形
青空に翔びゆく雲雀のように
もっと自由だったらよかったのに
君を困らせるのは嫌だった

繰り返し思い出すことは
君の笑顔と…笑い声と…
巡る季節(ﾄｷ)の中でさえ色褪せない
過ごした時間…交した会話…

一輪の薔薇さえこんなにも
美しく…愛しいのに…

知識も真実さえも僕はいらない
ただ､心が欲しかったんだ
追い着けなかった…見えなかった

人を愛するリスク…
解ってるつもりだった
自分を大人だなんて思うのはバカげてる
誰でもきっと子供なんだね…
何も分からなくて切ないもの
泣くことしか出来なかった夜でさえ
いつか優しい夢物語

後悔なんていつもしてる
伝えたい言葉伝えよう
ずっと笑っていられるように

もう嘘はつかなくていい…?

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