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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:ケン009
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2部 P・T事件
6章 名前を呼んで
  名前を呼んで

 とうとうアースラの生活が終わりの日が来た
全員転送ポートへとやって来た。
いっても現地に帰る
俺、なのは、ユーノ
アースラスタッフでは
リンディ、クロノ 
モニターでエイミィがいるのだけど
やはり残念ながらフェイトはダメらしい
なのはは残念がってはいたのだけど致し方ないと思う

 それからしばらくの間、
皆で談笑していたが、
そろそろ俺、なのは、ユーノが地球へと戻る時間となったため、
三人は転送ポートへと移動した。

「なのは、そろそろ帰ろうか、」
「あ、うん。そうだね」

 俺の言葉に、なのははハッとするが、すぐに俺へ言葉を返した。

 リンディは、転送の準備をしているエイミィの方を向く。

「エイミィ、準備はできたかしら?」
「はいはい、いつでも大丈夫ですよ~」
「ありがと。じゃあ、なのはさん、綾さん、ユーノくん」

「「ありがとうございました。」」
なのはとユーノが行った後に

「結局お世話になったのは私のほうなのかな
最初のご無礼失礼しました。
そして今回ありがとうございました。」

 
「フェイトの処遇は決まり次第連絡する。大丈夫、決して悪いようにはしない」

「うん、ありがとう、クロノくん」

「ユーノ君も帰りたくなったら連絡してね? 
ゲートを使わせてあげる」

「はい、ありがとうございます」

 いつものように話すクロノになのはは笑みで答え、ユーノもリンディの言葉にお礼を述べた。

「じゃあ、そろそろいいかな?」

 エイミィの言葉になのはとユーノは、
「は~い!」と元気よく返事をし、
俺はいつでも良いという顔をしてモニターに顔を映した。

「それじゃあ」
「うんっ! またね、クロノくん、リンディさん、エイミィさん!」

 笑顔で別れの挨拶をするなのはに、三人も手を振って答える。
三人の姿は転送ポートから消えていた。


 そして、俺達が自宅へと戻った数日後
俺はここ数日家にいなかったので出来る親孝行をしていた。
洗濯を手伝ったり、料理を手伝ったり、ティアの手入れをしたりと
まぁ、ありきたりだが幸せの日々をすごしていた。
そんな通常の日を過ごしていた早朝、綾の家のインターホンが鳴り響いた。


 玄関へと急いだ。
こんな朝早くいったい誰だろう
まぁ新聞を取りに行くついでに行くか
「お母さん、私が出るね」

 そして、扉を開けるとそこには、

「はぁ、はぁ、おはよう綾ちゃん」
「おはようあやさん」

 走ってきたのか、肩で息をしているなのはがそこにいた。
その肩には、定着しつつあるフェレット姿となっているユーノが乗った

「おはよう、二人とも。
どうしたの、こんな朝早くから。
学校のお誘いにしては早いよね」

「あ、あのねっ! 実は朝、クロノ君たちから連絡があって」

 慌てたようになのはが綾へと事情を話し始めた。 
内容は、クロノからフェイトの本局への移動と
その後の事情聴取や裁判などの細かなことが決まったこと。
今から少しだけの時間だが、フェイトと会うことが出来るということだった。

「わたしに会いたいって言ってくれてるんだってっ! 
それに、綾ちゃんにも会いたいって」

「ありがとう。伝えてくれて」

「うんっ! だから、綾ちゃんも早く行こう!」

「わかったわ。準備をするから少しだけ待ってて」

「うんっ!」

「お母さん、この間お話した友達が今朝かえるから今から見送りに行ってくるね」

「気をつけて行ってらっしゃい」

「は~い」

 こうして、三人はフェイトとの待ち合わせ場所へと急いだ。

 俺、なのは、ユーノの三人が待ち合わせ場所である海鳴公園に着くと、
先に来ていたフェイト、アルフ、クロノの三人の姿が見えた。

「後で私も行くからまずなのはから行って、話を聞いてきたら」

「うん」

 俺の言葉を聞くと、元気よく返事をすると、フェイトの方へと駆けて行った。
 
「フェイトちゃ~ん!」

 なのははユーノを肩に乗せたまま、
フェイトたちのいる方へと駆け寄った。
クロノはなのはが来たことを確認すると、

「あまり時間はないんだが、話をするといい。僕らは近くにいるから」
「うんっ! ありがとう!」
「ありがとう」

 クロノの言葉になのはとフェイトがお礼を言うと、
俺、クロノ、アルフ、ユーノの4人はなのはたちから離れていった。

 4人が離れていくのを確認すると、
なのはとフェイトは顔を見合わせ、少し気恥ずかしそうに微笑みあった。

「えへへ、何か変だね。フェイトちゃんとたくさんお話したかったのに、
フェイトちゃんの顔見たら忘れちゃった」

「わたしは……そうだね、わたしも上手く言葉にできない」

 お互いの言葉に、二人そろって苦笑する。
そして、フェイトは少しだけ息を吸うと、話を始めた。

「……嬉しかった、わたしと、まっすぐ向き合ってくれて」

「うんっ! 友達になれたらいいなって、思ったから。
でも、今日はこれから出掛けちゃうんだよね……?」

「……そうだね、少し長い旅になる」

 分かり合えたのも束の間、
お互いに別れが近いことから、自然と二人の表情は暗くなっていった。
だが、なのはが静かに口を開いた。

「また、会えるんだよね?」

「うん。少し悲しいけど、やっとほんとの自分を始められるから。君に来てもらったのは、返事をするため」

「えっ?」

「君が言ってくれた言葉、友達になりたいって。わたしに出来るなら、わたしでいいならって。
・・・だけどわたし、どうしたらいいかわからない。
どうしたら友達になれるのか、教えてほしい」

 フェイトの言葉に、なのはは少しだけ驚いた表情となったが、
それはすぐに笑顔へと変わった。

「簡単だよ・・・友達になるの、すごく簡単」

 キョトンとするフェイトに笑みを浮かべながら、なのはは告げる。

「名前を呼んで」

 なのはの言葉に、フェイトは目を大きく見開いた。

「始めはそれだけでいいの。君とかあなたとか、
そういうのじゃなくて、ちゃんと相手の目を見て、
はっきり名前を呼ぶの。わたし、高町なのは、なのはだよ」

「・・・なの、は」

「うんっ! そう!」

「・・・なのは」

「うんっ! うんっ!」

「なのは」

「っ! うんっ! うんっ!」

 なのはは我慢できなくなったのか、
瞳に涙を溜めながら、フェイトの手を優しく握った。

「・・・ありがとう、なのは」

「っ!」

「君の手は温かいね、なのは」

 フェイトの言葉に、なのはは堪えきれず涙を流した。
なのはは涙を袖で拭いながら、フェイトの方を見ると、
フェイトも同じように、その目に涙を浮かべていた。

「少しわかったことがある。友達が泣いていると、同じように自分も悲しいんだ。」

「フェイトちゃんっ!」

 なのははフェイトへと抱きつき、さらに涙を流し始めた。
そんなはのはを、フェイトは優しく抱きしめる。

「ありがとう、なのは。今は離れ離れになってしまうけど、
きっとまた会えるそうしたら、また君の名前を、呼んでもいい?」

「うんっ! うんっ!」

「寂しくなったら、きっとなのはの名前を呼ぶから、
だから、なのはもわたしの名前を呼んで
なのはに困ったことがあれば、今度はわたしが助けるから」

 フェイトが優しい言葉でそう話すと、
なのはは涙を流しながらも、「うんっ! うんっ!」と、
何度も頷きながら、涙を流していた。
二人が抱き合っている姿を俺は少し離れた場所から涙をためながら見つめていた。

 凄い感動シーンだね
こんな姿見せたくないしね
本当に何かの青春映画になるぐらいだ

 時間なのかクロノが二人に近づいているのを視界に捉えたため、
俺も同じようにフェイトたちの方へと歩みを進めた。
 
「話は済んだ?」

「うん」

「そう、よかったねなのは」

なのはの言葉に俺は返し、そのままフェイトへと視線を向ける。

「えっと・・・あの時はありがとう」

「どれの事いっているかわからないけどどういたしまして」

「落雷から守ってくれたこととか病室のこと」

「私がやりたかったことだから気にしないで」

「もぅ綾ちゃん素直に受け取らないと」

「君とも友達になりたいんだ、私はフェイトだよ」

「私は綾、南條綾だよフェイトこちらこそよろしくね。」

「うん綾よろしく」

「また会えるのを楽しみにしてる」

「うん」

「時間だ、そろそろいいか?」

「あ、うん」

 クロノが僅かにバツが悪そうな表情となりながらも、
そう言葉を口にしながら割り込んできた。
フェイトが少しだけ悲しそうな表情をしたことも相まったのか、
申し訳なさそうな表情であったが、KYかもしれないが
これだけの時間を取ってくれたクロノを責めることはできないだろうと、普通では出来ない処遇だし。
そんな雰囲気の中、なのはが叫ぶように声を上げた。

「フェイトちゃんっ!」

「……?」

 大きな声で自分の名前を呼ばれたことに少しだけ驚きながら、
フェイトがなのはへと視線を向けると、
なのはが自信の髪を結んでいたピンクの二つのリボンを外し、
フェイトへと差し出してきた。

「思い出にできるもの、こんなのしかないんだけど」

 なのはが申し訳なさそうに言葉を口にするが、
フェイトは微笑を浮かべながら、

「じゃあ、わたしも」

 同じように自身の髪を結んでいた、
なのはとは対照的な黒色のリボンをなのはへと差し出した。
二人はお互いのリボンを大事な宝物のように受け取った。

「ありがとう、なのは」

「うん、フェイトちゃん」

「きっと、また」

「うん――きっと、また」

「綾もまたね」

「今度はたくさんお話とかしよう。いい旅路を」

「二人とまた」

「「うん」」

 3人が名残惜しそうに距離を取ると、
なのははアルフとクロノにも別れの挨拶を口にする。

「アルフさんも、また」

「ああ、ありがとうね、なのは」

「それじゃあ、僕も」

「クロノくんも、またね」

「ああ」

 皆の挨拶が終えると、
転送用の魔法陣がフェイト、アルフ、クロノの足下に展開された。
俺はクロノへと声を掛ける。

「クロノ、フェイトの裁判などお願いね」

「最善を尽くす」

「うん、リンディさんやエイミィさんにもよろしくお世話になりました。」


 そして、魔法陣の光がいっそう強くなってきた。
もう間もなく、三人の姿がこの場から消えてしまう。

「またね、クロノくんっ! アルフさんっ! フェイトちゃんっ!」

 なのはは三人に向かって叫び、それにフェイトは手を振ることで答えた。
俺は何も言わず手を上げた
その瞬間空には一輪の炎の花が咲いた
そう俺は花火を上げた。

「私にはフェイトに何も渡すことは出来ないけれど、
新しく始めるフェイトに希望と前に進めるようにこれをプレゼントまた」

 魔法陣がさらに光り輝いていった。
そして、光が消えたその場所から三人の姿は消えていた。
しばらくの間、なのははフェイトたちがいなくなった場所を見つめ、

「綾ちゃん、帰ろ!」
「ええ」

なのは俺の手を引き、二人で手をつないで家路に着いた

「ねぇ綾ちゃんあれも魔法?」

「なのははプレゼント渡したから
私も何か出来るかなって思ってやったの
ティアに聴いたら出来そううだったから」

「少しだけ近所迷惑だったかもしれませんが
皆さんの思い出に残るのではと思い構築しました。」

「ありがとティア」

「綾ちゃん、ティアありがとう^^」

「お二人に喜ばれて私もうれしいです」

 その後は急いで学校の準備とか忙しかったけれど
後味がよかったので凄く楽しい一日だった

 この一連の事件は、
首謀者であったプレシア・テスタロッサの名を冠し、
"PT事件"と呼ばれることとなる。
 
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