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星河の覇皇

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第六十三部第四章 閣議決定その二十二

「一から兵器を開発しその兵器を開発するとなるとだ」
「予算がかかりますね」
「そうなると思うが」
「そうです、ですから」
 すぐに応える八条だった。
「そこを変えてです」
「どう変えるというのだ」
「既存の兵器を改造し」
「義勇軍の戦術に相応しい様にか」
「そしてか」
「そうです、そしてです」
 そのうえで、というのだ。
「その改造した兵器を義勇軍用にしようと考えています」
「そう考えているのだな」
「そうです、如何でしょうか」
「それもいいだろう」
 キロモトは考える顔で八条に答えた。
「そのことも考えておいてくれ」
「それでは」
「義勇軍にもサハラの動きが関わるのだな」
 ここまで話してだ、キロモトはこうしたことも言った。
「そうなのだな」
「そうですね、確かに」
「その国の動きは他国に影響する」
「連鎖的に」
「国際情勢はそうしたものだ」
 連合にもだ、サハラの統一が影響するのだ。それで難民達もいなくなり義勇軍のなり手もいなくなるのだ。
「だからだな」
「はい、それ故に」
「義勇軍も変わるか」
「難民の軍からです」
「混成軍にだな」
「変わります」
 そうした軍にだというのだ。
「これまでとは全く違う軍になります」
「それも運命だな」
「そうですね、義勇軍も」
「しかし精鋭であることは」
「変わりません」
 このことはというのだ。
「これからも」
「厳しい訓練と軍規軍律はだな」
「不変です」
 この二つは、というのだ。
「正規軍も軍規軍律は厳しいですが」
「義勇軍もだな」
「略奪暴行なぞは最も忌むべきものです」
 八条はこうしたことをとりわけ嫌っている、それで連合軍は軍規軍律だけはかなり厳しくしているのである。
「それは」
「そういえば連合軍は軍服を整えているな」
「はい、常に」
「服装の乱れはか」
「そうでもないのですが」
「しかし軍服には塵一つついていないな」
 靴もよく磨かれている、掃除も徹底している。
「いつもかなり奇麗だ」
「身だしなみを整えることも必要と思いまして」
「日本軍の考えか」
「そうでした」
 八条がかつていたこの軍隊の、なのだ。実際に。
「それによってです」
「ああしているのか」
「基地内の清掃やベッドメイクの徹底もです」
 そうしたことも日本軍からなのだ。 
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