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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:ケン009
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2部 P・T事件
4章 海上決戦
  決戦

 俺となのははまだ夜が明けて間もない道を走っていた。
フェイトとの決着をつけるために。

 なのはは視線を自分の肩へと向ける。そこには、いつものフェレットの姿となっている友人であり、
魔法の師匠でもある――ユーノ・スクライアが乗っていた。
知り合ってあまり時間も経っていないが、今は心強く感じていた。

「なのは」

 ユーノがなのはの名前を呼ぶ。
ユーノが見つめる視線の先、怪我も完治したフェイトの使い魔である、アルフが狼の姿でなのはたちに並走していた。
綾もなのはの後ろを走るようについて行っている
しばらく走ること数分、目的地である海鳴臨海公園へとなのはたちは到着した。

「ここなら、いいよね。出てきて、フェイトちゃん」

 そうなのはが呟くと、すでに漆黒のバリアジャケットに身を包み、
その手に自身の相棒であり武器でもあるバルディッシュを握っているフェイトが姿を現した。

 美しい金髪をツインテールにまとめたフェイトがなのはの背後へと静かに降り立った。
手に握るバルディッシュは、すでにサイズフォームへと変化していた。
その後ろには影のように
漆黒の服装と目元が隠れるフェイスガードをしている
ゼロが姿を現した。

「フェイト! もう止めよう! あんな女の言うこと、もう聞いちゃ駄目だよ! 
このままじゃ、フェイトが不幸になるばかりじゃないか……だから、フェイト!」

アルフの悲痛な叫びがこだまする。だが、悲しみに表情を歪めながらも、
フェイトは首を縦に振ることは無かった。

「だけど、それでもわたしはあの人の娘だから……」

「フェイト……」

フェイトの言葉を聞き、アルフは悲しい表情で呟いた。
なのはは真剣な表情でフェイトを見つめ、自身の愛機であるレイジングハートを起動し、
純白のバリアジャケットを身に纏った。

「ただ捨てればいいってわけじゃないよね。
逃げればいいってわけじゃ、もっとない。
きっかけは、きっとジュエル・シード……だから賭けよう。お互いが持ってる全部のジュエル・シードを!
それからだよ。全部、それから……」

「…………」

 なのはとフェイトはお互いにデバイスを構える。
そんな二人をアルフとユーノは少し離れたところから、心配そうに見つめていた。

「わたしたちの全ては、まだ始まってもいない。
だから、本当の自分を始めるために……始めよう! 最初で最後の本気の勝負!」

 なのはの決意を込めた叫びと同時、戦いの火蓋が切って落とされた。

 俺はというとやつとの決着は今回ではないように思えた。
やつが動かない
まるでこの戦いを見ることが必要というぐらいに
俺達から場所を離れてみている
フェイトとなのはの戦いは、次第に激しさを増していた。
戦闘機のドッグファイト並に飛びながら打ち合いをしているのにはびっくりだ


『Photon Lancer』

『Divine Shooter』

 バルディッシュとレイジングハートの声が響き、フェイトとなのはから魔力スフィアが放たれる。
お互いの攻撃を、空中で回避したり、防御魔法で攻撃を防いだり、お互いに決定的な攻撃を決めれずにいた。

「っ!」

 なのはの魔力スフィアを数発避けきれず、魔力障壁でそれを防いだのだ。
そして、その隙になのははさらに魔力スフィアを生成し、フェイトを防御一辺倒にさせようとしている
フェイトって防御力低そうだし
反対になのはの防御は多分固い

「シューート!」

 掛け声とともに、なのははフェイトへと魔力スフィアを放った。
だが、フェイトはそれに動じることなく対処する。

『Scyth form』

 瞬時にバルディッシュをサイズフォームへと変化させ、
その光の刃で魔力スフィアを切り飛ばして消滅させた。
そして、勢いそのままにフェイトはなのはへと突撃する。
あれを切りながら行動できるってどんだけ動体視力がいいんだろうねぇ

「くっ!?」

 フェイトが持つバルディッシュの斬撃を、なのはは障壁を張って防いだ。
バルディッシュを握る手に力を込め、そのまま押し込む。
だが、フェイトの攻撃を防ぎながら、なのはは先ほど自身が放ったまま残っていた魔力スフィアを操作し、それでフェイトを背後から攻撃した。

「っ!?」

 おどろいたフェイトであったが、空いていた片腕で障壁を張り、その攻撃を防いだ。
フェイトが攻撃に気を取られた隙に、なのはは瞬時に上空へと移動し、

「せえぇぇぇぇいっ!」

 その叫びとともになのはは上空から加速し、レイジングハートをフェイトへと叩きつける。
だが、フェイトも寸前で攻撃に気付き、バルディッシュで受け止める。
デバイス同士がぶつかり合う音とともに、二人の魔力もぶつかり合い爆発を引き起こす。

「「っ!?」」

 なにぃなのはが武器攻撃
流石にそれは意外な攻撃だったのだがフェイトもきちんと対応している。
見た感じなのはが押しているように見えるのだが、今の所フェイトの方が有利だな
魔法だろうが格闘だろうがスポーツだろうが対処されればされるほど焦る心が出てくる


 二人は爆発の余波で吹き飛ばされる。
すると、いち早く体勢を立て直したフェイトがバルディッシュを持ち直し、
再度なのはへと攻撃を仕掛ける。
なのはも何とか体勢を立て直し、フェイトの攻撃を回避する。
だが、逃げた先にはフェイトの魔力スフィアがいくつも展開されていた。

『Photon Lancer』

「くっ!?」

 フェイトのフォトンランサーがなのはへと襲い掛かるが、
それもすんでの所で障壁を張ることで防いだ。
だが、流石に全ての攻撃を防ぐことは出来なかったのか、
なのはのバリアジャケットが所々黒く焦げたようになっていた。

 なのはは息を整えながら、打開策を頭の中で巡らせていった。
そして同じく、なのはと相対するフェイトも驚きを隠せないでいた。

(初めて会ったときは、魔力が強いだけの素人だったのに――もう、"違う"。速くて、強い。迷っていたらやられる)

 そう思考しながら、フェイトも同じように乱れた呼吸を整えていく。
そして、フェイトはバルディッシュを正眼に構える。

(わたしがここで負けたら、母さんを助けてあげられなくなる。
こんなところで、わたしは負けられないっ!)

 思い出すのは、優しかったプレシアの姿。

(わたしが頑張れば、きっと優しかった母さんに戻ってくれるはずなんだっ!)

 そう心の中で思った瞬間、フェイトの頭の中をフラッシュバックされる。
優しかったプレシア
そして、プレシアに甘える"一人娘"である自分の姿が

『アリシア』

 プレシアが呼ぶ名前は、自分ではなく、別の誰かだった。

(今のは、いったい……? ……いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない)

 フェイトは思い出していた記憶を振り払う。
そして、この勝負を決するために巨大な魔法陣を展開する。
それを見たなのはも、レイジングハートを握り締め、
何が起きても対処できるように周囲を警戒する。

『Phalanx Shift』

 バルディッシュの声が響いた直後、フェイトの周囲に尋常ではない数の魔力スフィアが展開される。
なのははあれは危ないと悟り、攻撃を止めようとレイジングハートを構えた。

「えっ!?」

 なのはの両腕が電撃のバインドによって拘束された。
先ほどの攻撃の最中に、フェイトがあらかじめ設置していたバインドだ。

「ライトニングバインドッ!? まずい、フェイトは本気だっ!」

 アルフが焦ったように叫び、それに続いてユーノが声を上げる。

「なのは、今サポートを――」

「それは私が許さないよ」

「綾さん」

「何タイマンの最中に行こうとしているの!二人の誇りをけざすな。この戦闘に限り茶々入れたものは私が潰す」

「ありがと~綾ちゃん」
「ん、がんばってね~」

「……っ!?」

 なのはを助けようとしていたユーノが硬直する。
同じようにアルフも驚いた表情で固まっていた。
あんたなのはの味方じゃないのって顔をしている
だからお前は駄犬って言われるんだ。
戦いを止める権利はあの2人しか持ち合わせていない
それに構わず、なのはは声を上げ続ける。

「アルフさんもユーノくんもきちゃだめっ! わたしとフェイトちゃんの全力全開の一騎打ちだから
この戦いだけは、誰も邪魔しないでっ!」

「大丈夫入ろうとしたら私がお仕置きするから、なのはは目の前の事に集中して、なのはの言うように全力全開で素敵ななのはを見せて」

「うん」

ユーノとアルフは黙るしかなかった。

「アルカス・クルタス・エイギアス。
疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。
バルエル・ザルエル・プラウゼル。」

 そんなやり取りをしている間に、
フェイトが詠唱を終えようとしていた。
そして、フェイトは静かにスッと目を開くと、標的を見定めて、力ある言葉を発した。

『フォトンランサー・ファランクスシフト』

「――撃ち砕け、ファイヤーー!」

 フェイトの声が響くと、フォトンランサーが一斉になのはに目掛けて放たれた。
次々とフォトンランサーが放たれていき、
もはや黒煙が立ち込め、なのはの姿は見えなくなっていた。
そして一際大きなフォトンランサーがフェイトの頭上へと生成されていき、

「ふっ~!」

フェイトが息を吐きながら手を振ると、すさまじいスピードで放たれた。

「――スパーク……エンド……」

特大のフォトンランサーが激突し、周囲に轟音が響き渡った。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 ほぅバルヴォルトより破壊力はあるなぁ
でも雷撃の威力的にはライオット程ではないのか
ただしあれをかわすのは至難の業ともいえる。


 流石に消耗が激しいフェイトは、肩で息をしていた。
額からは汗が浮かび、その表情も疲労の色が浮かんでいた。
 
フェイトは、なのはが居た場所を見つめていた。だが、未だに黒煙が立ち込めており、なのはの姿を視界に捉えることができなかった。
フェイトは黒煙が晴れるのを息を整えながら見つめていた。
煙が晴れると、そこには一人の少女が佇んでいた。
白かったバリアジャケットは所々破れ、顔や腕には傷ができており、
そこからは血が滴り落ちている。
少女の瞳から力強さは消えていなかった。

「――なんとか、耐え切ったよ」

 自身のデバイスであるレイジングハートを構え、高町なのはは呟いた。
その視線の先には、フェイトが驚愕に目を見開き同じくなのはを見つめていた。
なのははそんなフェイト見つめ、ニコッと微笑み、

 あれを耐えたかなのはの防御力はすごいな

「今度はこっちの番だよっ!」

『Divine Buster』

「ディバイィィィィン――」

なのはの次の行動が分かっていても、ガス欠状態のフェイトは動けなかった。

「バスターーーー!!」

 なのはが放った桜色の砲撃がフェイトへと放たれる。

「くっ!? あぁぁぁぁ!!」

ディバインバスターはフェイトへと直撃する。
フェイトはそれを回避することができず、
残り少ない魔力量を使用し障壁を張る。
フェイトの防御は薄いと思っていたのだがガードするとはこちらもなかなか
そして、しばらく砲撃は続いたが、フェイトは何とかそれを絶え凌いだ。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 だが、すでにフェイトは満身創痍であった。
バリアジャケットは所々が破れ、腕には裂傷ができ、
そこから血が滴り落ちてきていた。

「耐え切った。これで、わたしの――」

 勝ち、と言おうとしたところで、フェイトは違和感に気付いた。

フェイトの周囲を魔力の残滓が舞い、その光が上空へと集まっていく。
フェイトがそのまま視線を上空へと向けると、そこにフェイトが探していた少女の姿があった。
レイジングハートを天高く構え、今まで見たことのない巨大な魔法陣を展開しているなのはの姿がそこにあった。

 そしてそこから逃げようとした処に今度はフェイトが光の輪で固定された。


「受けてみてっ! ディバインバスターのバリエーションッ!!」

『Starlight Breaker』

自身の本気の気持ちをぶつけるため、なのはは叫ぶ。
そして、なのはの声が響くと魔力の残滓が集まっていき、
一点へと集中されていく。その光景をフェイトは呆然と見つめていた。

「しゅ、集束砲撃魔法……」

「はぁぁぁぁ!!」

 後のことは考えず、フェイトは自身の中に残ったありったけの魔力で障壁を展開する。
その巨大さから、かなりの魔力が込められていることがわかる。
それを見てなお、なのはは声を上げる。

「これがわたしの全力全開!! スターライト――」

「わたしは、負けるわけにはいかないんだっ!!」

 そして、なのはが天空へと向けていたレイジングハートを振り下ろし、

「プレイカーーーー!!」

 その声とともに、特大の一撃が放たれる。そして――

「っ!?」

 フェイトが張った幾重にもなる障壁をものともせず、
その一撃はフェイトの想いもいっしょに飲み込んでいった。

「終わった見たいね。
絶対になのはだけは怒らせないようにしましょ」

なにあの元気玉みたいな呪文は
何でもリサイクルすれば良いってわけではないだろうに
きっと全員が思ったことだと思う。
あれはトラウマになるわ~

 なのはのスターライトブレイカーを受け、海中へと落ちたフェイトを助けているなのはの姿があった。
なのはにお姫様だっこで抱えられていたフェイトは目を覚ました。

「……んっ……」

「あ、気付いた、フェイトちゃん。ごめんね、大丈夫……?」

 フェイトを気遣うようになのはが質問する。
 
「――わたしの、勝ちだね」

「……うん……そうだね」

 フェイトはその結果を噛み締めるように、小さな声で呟いた。
フェイトがそう考えながら空を見上げた。
――そのとき、
フェイトの頭上――いや、正確には空からではないが、次元干渉の魔力攻撃がフェイトを含めた周囲へと放たれた。

「フェイトちゃんっ!?」

 やばい

『ディメンジョナル・リープ(跳空転移)』

 俺はフェイト達と次元干渉の通り道に降り立った
俺はこの子たちを守ると決めた


 シールドが破られた。
抵抗して見せる

 なのはが腕で顔を庇いながらも、フェイトの名を叫んだ。その表情には焦りの色を浮かべ、
本気でフェイトを心配しているようであった。
フェイトはなのはの叫びを聞きながら、ああやっぱり、という思いであった。
先ほどの魔力攻撃は、紫色の雷撃――プレシアのものだと理解したのだ。
フェイトは目を瞑ったが一向に衝撃がこなかった
そして目を開けたら
一人の少女が上から落ちてきた
綾自身が、身代わりとなり落ちて言った。
フェイトは、プレシアのことを考えながら、
疲労から意識を手放した。

「綾ちゃ~ん」

なのはが叫び助けに向かった。
いつの間にかゼロの姿も消えていた・・・・ 
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