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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団

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第八話

 
前書き
出来たので上げます。
下手くそな戦闘描写ですがお読みいただけると幸いです。 

 
 一九八九年 四月



 正仁たちは斯衛衛士養成学校に入学して、二年目を迎えた。一年目は座学と基礎体力向上のための運動が主だったが、二年目になると、いよいよ戦術機についての訓練が行われる。無論、実機訓練はまだであるが。



 そして正仁たちはシュミュレータによる訓練を行っていた。




「………何とか撒けたか」

 一人呟くと、息を吐いた。頭を動かして周囲を見渡した。辺りはビルが幾つもの建っているが、彼の敵は居ない。
 十字路に差し掛かると、機体を動かしビルの横に隠れ、周囲を警戒した。そこで機体を片膝立ちにさせ、待機させているとレーダーが反応した。
 数は一つ。
 正仁は、機体の各部をチェック、右腕に装備した突撃砲の残弾数と左のマニピュレータで保持している追加装甲の破損状況を確認し、その機体を待ち構えた。

 そして突撃砲の有効射程圏内に入ったと同時に機体を起こし、ビルの横から飛び出した。

「………何だ、レグルスか。脅かすなよ」
《脅かされたのはこっちの方だ!いきなり飛び出しやがって!》
「ああ、すまんすまん」

 それはレグルスであった。正仁にとっては嬉しい出会いだったが、レグルスは不満顔だった。

《月詠さんと全く出会わないだけど………何でだ?》
「嫌われてるんじゃないか?俺はさっきまで追われてたぞ」
《何だと!?なんて羨ましい!》
「冗談じゃない……あいつの相手は絶対に嫌だ……。もし遭遇したらお前が相手してくれ俺は逃げる」
《おう!任せとけ!》

 そんな会話をしながらも周りを警戒していると、爆発音が聞こえてきた。

「何だ?」
《爆発だな》

 そう呟くと再び爆発が起きた。先程よりも大きな爆発が連続して三つ起きた。二人には何が爆発したのかすぐに分かった。三機の戦術機が一分足らずで撃墜されたことに。そしてこんな短時間に三機もの撃震を撃墜出来る人間は一人しか知らない。

「嫌な予感がする……」
《そうか?オレは恋の予感がする!》

 改めて機体と装備を確認し、警戒していると案の定レーダーに反応があった。

「………悪い予感はよく当たる」

 レーダーに映った反応は三つ。先頭の二機は分隊を組んでいるようで、お互いをカバーしあうようにしてこちらに向かってきているようだがどちらの機体もボロボロであった。そしてその後ろに居る両腕に長刀を装備した一機の動きはただ全速力で先頭の二機を追いかけている。

「レグルス!」
《おう!何だ!?》
「お前の最愛の相手が来たようだ!頼んだぞ!」
《任せとけ!》

 二人は突撃砲を構え、前の二機ではなく、後ろの一機、真衣が乗っている撃震に向けて放った。

「斑鳩ぁ!真壁ぇ!死にたくなかったら躱せ!」

 そう叫びながら引き金を引き続ける。しかし真衣は36mm弾の弾幕を容易によけ続け、こちらに迫ってきた。
斑鳩と真壁は必死に機体を動かしているのとは対照的である。
 しかも真衣は、左手に装備していた長刀を投げた。
 そしてその長刀が真壁の撃震に突き刺さり、胸部を貫かれた撃震は力無く崩れ落ちた。

「真壁がやられたか」
《流石月詠さんだ!なんと素晴らしい投擲技術!》

 口調は落ち着いてはいるが、手はせわしなく動いていた。
 正仁とレグルスが放ち続ける三門の突撃砲の弾幕を何とかくぐり抜けた斑鳩がその勢いのまま後退すると、二人も射撃しながら後退し始めた。

 幸い真衣は、真壁に突き刺さった長刀を抜くのに手こずっているため後退はできた。

 そして三機の撃震はビル群の中へと隠れ、ひとまず体勢を立て直しをはかっていた。

「何とか、撒けたか……」
《真壁はやられたけどな》
《これで、たった三人で月詠と事を当たらなければならなくなったわけだが、これからどうするのだ?》

 通信画面に映る若干顔が白くなっている斑鳩の問いに、すぐに答えた。

「まずは状況を確認するぞ。恐らく残っているのは我々と真衣だけだ。そして真衣の装備は長刀が二本と短刀が二本だろう。次に俺たちの機体状況だが……」
《オレは五体満足だが突撃砲の弾が二門合わせて1000発と120mmの4発、長刀が二本》
《私の機体は、見ての通り四肢はあるが、何とか付いていると言って良い状態だ。武装も短刀が二本のみ。月詠の動きには付いていけんだろう》
「俺は36㎜が600発、120㎜が6発に長刀一本、追加装甲だ。レグルス、斑鳩に長刀一本やれ。それで十秒は壁になる」

 そう挑発的な口調で言いながら、斑鳩の顔を見ると、だいぶ落ち着いたのかいつもの健康的な色合いに戻っていた。

《十秒か………その間に仕留めてくれるのだな?》

 口元を僅かに上げながら、そして挑発的に言い返した。しかしその表情からは緊張の色が見える。
 それは正仁とて同じ事だ。

「全力でやる、だが仕留めれるかはレグルスにかかってるな」

 レグルスに顔を向けると、高揚したような顔になっていたが、いつものことなので気にすることなく話す。

「レグルス、お前はどんなやり方でも良いから真衣の動きを止めろ!動きを止めれるなら手段は問わん!」
《任せろ!》
「斑鳩は俺とエレメントを組んで、真衣を墜とす!レグルスごと斬ってでも墜とすぞ!」
《心得た》

 二人からの同意を得た後、正仁は作戦を説明した。
 作戦内容は至ってシンプル。三機が一列になって突撃し撃破するというものだった。この際、機体同士を出来るだけ近づけて突撃する。これは出来るだけ密集することでレーダーに映る反応を一つに見せ、ギリギリまで三機による突撃を悟られないために行う。

「……正直なところあの真衣相手にこんな小技通じるとは思えんが、二人は何か意見はあるか?」
《月詠さんに通じる戦術なんてあるのか?》
《……正直、月詠に通じる戦術は思いつかん》
「……じゃあこれで行くぞ。っと、もう来たか、ぶっつけ本番だ!二人とも頼むぞ!」

 レーダーに反応があり、赤い点がまっすぐこちらに向かってきていた。なぜ位置がばれたのかは分からないがこちらは全力で迎え撃つだけだ、そう頭の中で呟いた。




 ビルが乱立する、十字路に月詠が達した瞬間に三人はビルの隙間から飛び出した。
 先頭はレグルス、右腕に突撃砲と左腕に長刀を装備。次に斑鳩、右腕に長刀を装備。最後尾に正仁が続く右腕に突撃砲、左腕に追加装甲。
 それを月詠は真正面から迎え撃つ構えを見せ、長刀を機体の正面に構えた。

《つぅぅぅくぅぅぅよぉぉぉみぃぃぃさぁぁぁぁぁん!!!結婚してください!!!》

 そう叫びながらも、右腕に装備した突撃砲を乱射しつつ、突っ込んでいった。
 月詠は突撃砲から放たれた120㎜砲弾を長刀で“叩き斬った”

《うそぉぉぉ!?》

 そう動揺しつつも、レグルスは突撃をやめない。そして長刀の射程に入った瞬間に突撃砲を放棄し左腕の長刀を振り下ろした。



 長刀は空を斬り、レグルスは横からの凄まじい衝撃を受け、ビルに叩きつけられた。

《なにっ!?》

 斑鳩はいきなり目の前からレグルスの撃震が消え、次に現れたのが左腕を上げた撃震の斬撃だった。明らかに動揺したが初撃は、今まで培われてきた剣術の訓練と動体視力、そして才能によって防いだ。
 だが第二撃は、防げなかった。
 上段攻撃を防いでしまったので、下ががら空きとなり、右腕の長刀で胸部を貫かれた。

 この二人を無力化するまで、わずか五秒足らず。

 だがその五秒で正仁は、真衣の、上を取った。

「堕ちろ!」

 力いっぱいにトリガーを引き、36㎜と120㎜を同時に発射する。
 弾丸と砲弾は当たった、当たったが撃破は出来なかった。左跳躍ユニットを破損させただけだった。
 だが止まらない。真衣から跳躍ユニット一つ奪えたのだ。
 正仁は空に向けて噴射跳躍し、勢いそのままに上から真衣に追加装甲を押し付け、リアクティブアーマーさせた。
 それにより真衣の機体は頭部が完全に破壊されたが、まるでダメージを全く受けてないかの如く機体を素早く後退させると、次に正仁に向かって突進してきた。

「くそが!」

 突撃砲が長刀によって貫かれ思わず毒突くが、真衣の長刀も使い物にならなくなり捨てた。これにより真衣は長刀一本のみになったが、その一本から繰り出される斬撃は追加装甲を完全に破壊した。
 それでも正仁は兵装担架から長刀を装備し、ロケット噴射により真衣から距離を取った。

《なぁ~正仁はん。なんでウチと斬り合いしてくれへんの?ウチはあんさんと斬り合いがしたくてしたくてしあゃないんよ》
「レグルスとやれ……」
《レグルスはんとやるのも楽しいんやけどな~……》
「じゃあ斑鳩」
《斑鳩はんもおもろいんやけどな~……》

 相変わらずのんびりとした口調で会話をする真衣だが、その会話の内容はただの戦闘狂である。だから正仁は真衣と近接戦闘をしないし、したくない。
 だが今の状況では、近接戦闘で決着をつける他ない。

「……わかった。やるよ。やってやる」
《ほんまに!?ウチ嬉しいわ~!》

 正仁の投げやりに答え、それに喜びながら突っ込んでくる真衣。

 正仁は右腕の長刀を真衣に向かって投げ、それと同時に両腕のナイフシースを展開し短刀を両手に装備し吶喊する。

 まず真衣は長刀で正仁が投げてきた長刀を叩き落とすと、目の前に迫っている撃震の短刀を右ひじごとを切り裂く。剣道で言えば籠手をとった形に近い。そして勢いそのままに右から迫っている短刀をその持ち手ごと先ほど同様に切り裂いた。
 だが正仁は止まらず、ロケット噴射のまま真衣に激突した。
 互いに歯を食い縛り衝撃に耐えるがさらなる衝撃が襲う。

《ぐっ!》

 勢いそのままにビルに衝突し、機体損傷を知らせる表示とアラートが響き、ビルと正仁に挟まれるという形となり身動きが取れなくなった。

「これで終わりだ!」

 どんな手段をとっても最後に勝てばよい!
 装備をすべて失った正仁に残された最後の手段、それは……

 跳躍ユニットをオーバーロードさせて自爆攻撃だった。








「結局、勝てなかったな……」
「そうだな……」
「何もできませんでした……」
「……良かった!」

 そこには学食で意気消沈している若者たちがいた。
 最終的に勝てなかった正仁、十秒どころか五秒すら持たせられなかった斑鳩、何もできずにやられた真壁、
いつものように喜んでるレグルスだった。

「まさか自爆直前に胸部ユニットが潰されるとは……」
「潰されたというよりは……」
「貫かれてたな。手刀で……」

 まるでお通夜のような空気が三人から醸し出されているが、これには理由がある。

「これで月詠さん相手に十連敗だな!」

 そう負け続けているのである。シミュレーターの訓練が始まってから、一度も真衣に勝てていないのである。
 何とか勝とうとバトルロイヤル形式の戦闘訓練で集団で撃破を目指したのだが、合流する前に襲われ消耗し、合流した後もなすすべもなく撃破された。

「……落ち込んでても仕方がない。切り替えていこう」
「……そうだな。明日はクラス対抗戦だったな」
「山城の奴、絶対正仁だけを狙ってくるぜ」
「それはもう仕方がない事かと……」
「何だろう、明日が嫌になって来たんだが………まあ、最終的には我々が勝つがな」

 そう自信ありげに言うと、全員頷いた。

「真衣がいるからな」
「月詠がいるからな」
「月詠殿がいますからね」
「月詠さんに勝てるわけないだろ」

 彼らにとって月詠真衣は、味方であれば最も頼りになる存在であり、敵であれば最も相手をしたくない存在なのである。







 六月一日 北海道 日本帝国陸軍 矢臼別演習場にて


 成仁の目の前に広がるのは帝国最大の演習場の北の大地。自然豊かなこの大地にはひどく不似合いな、鋼鉄の巨人とそれを囲うように設置された機材、その機材を操る人と重機とMWだった。

「こんなに早く機動実験ができるなんて思いませんでしたね」
「ええ、全くです。これも殿下のお陰ですな」

 下から聞こえてくる声に何の反応も示さず、目の前の景色を見つめていた。
 興奮しているのか、悲しんでいるのか、それとも悩んでいるのか、何とも感情が読み取りずらい表情となっている。

「ここに居られましたか、成仁殿下」

 横から自分を呼ぶ声が聞こえそちらを向くと一人の軍人が立っていた。

「彩峰大佐……」
「どうなさったのですか?みな心配しておりますよ?」
「………」

 そう言われ無言になる。怒ったのではない不機嫌になったのでもない。そして二人の間に沈黙が流れ、聞こえてくるのは、重機やMWの駆動音とそれに負けない様に張り上げる作業員の声だけ。

「………勝てるのでしょうか」

 沈黙を破ったのは成仁だった。小さい声で呟いたが、萩閣にははっきりと聞こえていた。

「……BETAにですか?」
「……うん」

 萩閣はすぐには答えれなかった。BETAは恐るべき相手であり、戦わなければ文字通り人類は絶滅することはわかっている。軍人として国を守り人を守る、そのために戦わなければならない。
だが勝てるか、と問われれば口がごもる。月を失い、ユーラシア中央を失い、欧州の大半を失い、敗走を続ける人類が勝てるのか?

 萩閣は自分が情けなくなった。こんな幼い、たった十二歳の少年が本気で人類の明日を思い悩んでいるのだ。本来、大人である自分たちが解決しなければならないことを悩んでいる。無力に等しい自分に腹が立った。

「兄ちゃんから昨日、手紙が来たんです。……兄ちゃんは友人の女の子に勝てないそうです。レグルス兄ちゃんはその人が好きで好きでたまらない様で、毎日出会うたびに求婚しているようです。あと斑鳩家の長男とも何だかんだで仲良くやっているようで、嬉しかったです」

 突然に話題切り替えに萩閣は内心で驚いてはいたが、黙って成仁の話を聞いていた。

「……そこにこう書いていました。『早く任官し、戦場に出たい。自分の使命と陛下の御心を成したい。無論戦術機ではなくお前が造ったモビルスーツで』……萩閣さん、僕は怖いんです」
「何が、怖いのですか」
「兄たちが、その友人たちが、死ぬこと………僕が、僕たちが造ったモビルスーツがBETA相手に通じるのか、そして人類は本当に勝てるのか……」
「………殿下、正直に申しますと小官には答えられません。申し訳ありません」

 そう言いながら萩閣は頭を下げた。だが言葉は続く。

「しかしながら成仁殿下がお造りになられているモビルスーツは、BETAに通じると確信しております。今ここにありまするYMS-03は雛です。これから成長し、人類に勝利をもたらす、そう小官は思っております。ここにいるすべての人間が恐らく小官と同じことを思っているでしょう」

 そこで頭を上げ成仁の顔を見た。今にも泣きそうな表情となっている。

「ですから殿下、自信を持ってください。そして信じる道を進んでください。兄君やそのご友人方を信じてください。彼らならモビルスーツを自由自在に使いこなし、BETAを殲滅すると」

 そこまで言うと、成仁は萩閣に背中を向けた。そして右腕で顔をゴシゴシとしている。それが終わり、振り向いた。そこには若干目が赤くなっているが晴れ晴れとした表情があった。

「そうします!」









「これより機動実験を開始します。ジェネレータ起動」
「ジェネレータ起動。出力正常値」
「歩行開始」
《了解。歩行を開始する》

 ゆっくりとだが戦術機と比べるとより人間に近い動きで歩き始める単眼の巨人。

「スピードアップ」
《了解》

 巨人は徐々に歩みを速めていき、最終的には陸上選手のような走り方になっていった。

「各部負担規定範囲!」
「流体パルスシステム正常に稼働中」

 次々と報告が上がってくる中、成仁はそれらの言葉を頭に入れながら、テストパイロットに新たな指示を出す。

「ブースター噴射」
《了解》

 巨人の背中にランドセルのようにくっ付いているバックパックから炎が噴き出す。そして17メートルを越す
巨体が宙に浮き、飛翔した。
 見る者が見れば戦術機の飛行と比べれば蝶と鳥程の差があるように見えるだろう。しかし巨人を操るテストパイロットは驚愕していた。この場にいる軍人も驚愕していた。驚いていないのは巨人を創り上げた者たちだけだ。

 推力が違いすぎるのだ。テストパイロットが今簡単に計算してもF-4J撃震の二倍以上の数値を叩き出している。そして航空力学を無視しながら莫大な推進力によって巨人は飛翔し続ける。

「ブースター停止、着地」
《了解!》

 空中でブースターを停止させ自由降下、段々と地面が迫ってくる恐怖を抑えながら機体を的確に動かす。
 そして地面と激突する直前に足の裏のスラスターを噴かせ着地した。
 その際、凄まじい衝撃が襲い、地面の土が宙に吹き飛ばされた。

「報告」
「脚部損傷無し」
「駆動系正常」
「ジェネレータ通常値、問題なし」
《各部損傷無し、至って正常》

 最後にテストパイロットからの報告を受けると、成仁は静かに、何度も頷き、言った。

「了解。YMS-03帰投せよ」
《了解、YMS-03これより帰投する》

 通信が終わると実験指令所は沈黙に包まれた。この場に居る誰もが、笑顔となっており、泣きながら笑っている者もいる。

「皆さん、明日は戦闘機動実験があります。しかし何の問題もなくクリアできるでしょう。よって少し早いですがYMS-03……彼に名前を付けたいと思います」

 誰もが成仁に視線を送りその言葉を待つ。

「彼の、僕たちの造り上げた子の名前は………ヴァッフ。ドイツ語で武器の意味を持つヴァッフェから採りました。僕たちの、いや人類を守る武器になって欲しい、そういう意味です。人類初のモビルスーツの名前です!」

 その瞬間に指令所は歓喜に包まれた。抱き合う者や肩を組み喜ぶ者、泣き崩れる者、皆それぞれの喜びの表現をしている。
 MS計画が開始されてからわずか二年、そのモビルスーツが誕生した。






1989年

国連、米国が提案した次期オルタネイティヴ計画案の不採用を決定
オルタネイティヴ3の成果に対する評価の違いと、ユーラシア各国が影響を予測できない新型兵器の使用に反対したことが主な不採用の理由。
これによって米国は国連に深く失望し、独自の対BETA戦略を強行する方針を固め、国連内部に対するあからさまなロビー活動が開始される。

中東、アラビア半島での戦闘が激化。

帝国国防省、第二世代戦術機F-15イーグルの試験導入、ライセンス生産を開始
純国産戦術機開発計画の停滞を打開するため、技術検証を目的とした試験導入。
予定調達機数は120機。

北アフリカ、スエズ戦線にて、スエズ防衛戦始まる。


06.02、YMS-03改め、MS-03ヴァッフが完成。人類初のモビルスーツ、日本帝国純国産人型機動兵器が完成するも一切の公表はされず陸海軍上層部の最高機密とされる。MS計画第二段階へ移行。量産型MS開発に着手。

成仁、新型MS開発実験計画、RX計画を開始。同時に通常兵器開発計画、A計画、対ハイヴ攻略兵器開発研究計画、MA計画、報復兵器開発計画、V計画を立案。
A計画のみ承認される。

10.11、MS-04ブグ完成。少数だが新大和工業、小倉陸軍造兵廠、呉海軍工廠、室蘭陸海軍工廠にて量産開始。


人類は新たなる武器と武具を手に入れた。



 
 

 
後書き
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