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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1739話

 中東連合壊滅。
 この報告は、当然のように連合軍……いや、地球や宇宙を含めた地球圏を巡った。
 勿論中東連合という組織が壊滅したからといって、中東連合の勢力範囲内にいた者全てが死んでしまった訳ではない。
 カトル達のようにサンクキングダムに逃げ込んだ者もいれば、当然のように連合軍に逃げ込んできた者もいる。
 また、生まれ育った地を捨てるのは忍びないとして、そのままトレーズ派の支配を受け入れた者も決して少なくない。
 幸いと言うべきか、トレーズは新たに支配した地域に対しても公平に統治しているらしい。
 事実、略奪をしようとしたトレーズ派の兵士が見せしめとして処刑されたという話もあった。
 それだけに、中東連合に残った者達もある程度は安心して暮らせていた。
 この辺り、トレーズの統治の上手さだよな。
 もしロームフェラ財団が中東連合を滅ぼしていれば、恐らく略奪とかは普通に起こっていただろうし、色々と搾取される事になっていたのは間違いない。
 ……もっとも、トレーズにすれば略奪をするのはエレガントではないというのが理由なのかもしれないが。
 ともあれ、そんな風に上手い具合に中東連合を治めているトレーズだが、だからといって本当の意味で全員が全員トレーズ派の統治を受け入れているという訳ではない。
 カトル達みたいに中東連合から逃げ出して他の勢力を頼るのを良しとせず、それでいてトレーズ派の支配も受け入れ難い。
 そのような者達は、当然のように一定以上の数がいた。
 そんな者達がどう行動するのかといえば……いわゆる、レジスタンスやパルチザンとかいう抵抗活動だ。
 勿論その程度の行動でトレーズ派をどうにか出来るとは限らないが、それでもトレーズ派の戦力を弱め、何より貴重なMSパイロットを減らす事は出来る。
 そう考えれば、連合軍にとって抵抗活動をしている中東連合の残党に頑張って欲しいと思うのは当然であり……

「まぁ、話は分かる。それで俺達のような傭兵に向こうに物資の輸送を要望してくるのも理解は出来た。けど、何でお前達までその依頼についてくるんだ?」

 HLVを使ってニューエドワーズ基地に降下し、ノベンタからの依頼として中東連合の残党に接触しようとした俺達だったが、そんな俺達に物資と共に姿を現したのは、本来ならサンクキングダムにいる筈のトロワだった。

「任務だ」
「……いや、それは分かるけど。それでも俺達と行動を共にする必要は別にないだろ?」

 そう告げる俺に対し、連合軍の軍人が間に割って入る。

「アクセル代表、申しわけありませんがその男も同行させてもらえませんか?」
「……俺達が依頼されたのは、あくまでも補給物資の輸送だった筈だが?」
「ああ、分かっている。けど、この補給物資はサンクキングダム……いや、正確には中東連合の人達が用意した物なんだ」
「へぇ」

 まぁ、その行為自体は理解出来ない訳ではない。
 中東連合は向こうに残って行動している者達を、決して見捨てた訳ではないと。
 そんな風に行動で示したいのだろう。
 まぁ、カトル辺りなら大変そうだからという理由で補給物資を送っても不思議ではないが。
 ともあれ、軍人のカトルではなく政治家としてサンクキングダムに逃げ込んだ者達は、中東連合を見捨てた訳ではないと、いずれ取り返す行動に出るつもりがあるのだと、そう態度で示す必要がある。
 また、物資以外に人材も送る事が出来れば、尚良しだろう。
 で、その人材がガンダムのパイロットであれば、サンクキングダムが逃げ込んだ者達が決して中東連合を見捨てた訳ではないと示すのに、これ以上ない程のメッセージ性を付ける事が出来る。

「何でお前が行くのかというのは大体予想出来るが……いいのか? 本当に」
「ああ。それに俺が中東連合に向かうのは、それだけが理由ではないからな」
「それだけが理由ではない?」

 そう告げるも、トロワは沈黙を保つ。
 さて、どうしたもんかな。
 このまま連れていっても、トロワが俺達をトレーズ派に売るとは思えない。
 そもそも、こっちには俺と綾子、五飛の3人がいるのだから戦力的には十分なのだ。
 ああ、それと当然のようにHLVのパイロットとしてサリィもいる。
 ちなみにいつもは俺達と一緒に行動しているデュオはといえば、今回はピースミリオンで待機だ。
 何しろ、トレーズ派にはピースミリオンを襲撃したという前科があるしな。
 勿論、それはD-120コロニーという連合軍の本拠地があってこその事なんだろうが、宇宙には他に幾つもコロニーはある。
 そのコロニーの全てが連合軍の支配を認めている……そう思える程に、甘い者は多くない。
 ちなみに、以前レディ・アンの色仕掛けであっさりと裏切ったコロニーは、当然のように厳しく警戒されている。
 税金の類も、他のコロニーに比べるとそれなりに値上がりしたらしい。
 コロニーに対する宥和政策を打ちだしたノベンタでも、ああも堂々と裏切ったコロニーに対しては制裁をしない訳にはいかなかったらしい。
 その辺りの事情は俺にも分かるけどな。
 もしここで手を抜いたりしようものなら、連合軍は何をやっても手を出してこないと侮られる可能性が高い。
 宥和政策というのは、あくまでも融和的な政策であって、全てをコロニーの好きにさせるというものではないのだから。
 その辺りの線引きはしっかりさせておく必要があったのだろう。
 ……連合軍を裏切るという決断をしたコロニーの住民にとっては、まさに踏んだり蹴ったりといった結果だが……そういう選択をするコロニーの代表を選んだのは自分達なのだから、その責任は自分達で取る必要がある。

「何も言わないで、それで一緒に連れていけってのは……ちょっと虫がよくない?」

 綾子の言葉に、トロワは視線を背後に……レジスタンスに渡す物資に向ける。

「その物資を用意したのが中東連合の残党だからって、何も言わずに済まされるとは思ってないよな? 何なら、その補給物資の運搬も中東連合に任せてもいいんだけど?」

 綾子が強気で攻めるのは珍しいな。
 いや、元々性格は強気な綾子だが、それでも普段ならここまで突っ込んだ事は言わない。
 ともあれ、そんな綾子にじっと視線を向けられ……連合軍の兵士はどうにかして欲しいとこっちに視線を向けてくる。
 それに対して俺が何かを言おうとした瞬間、トロワが口を開く。

「向こうには俺の知り合いが……家族が取り残されている。その様子を確認したいし、もし何か理不尽な目に遭っているのなら、何とかしたい」

 そう告げるトロワの目に、一瞬だが悔しさが滲んだように見えたのは決して俺の気のせいという訳ではないだろう。
 トロワの家族。
 そう言われて思い浮かぶのは、トロワが地球に来た当初に隠れ蓑にしていたサーカス団だ。
 勿論それは原作での話だが、俺が介入するまでは大抵が原作通りの流れで事態は動いていた筈。
 そうなれば、当然のようにトロワはサーカス団を隠れ蓑にしていた筈だろう。
 そのサーカス団が中東連合にいたのは、トロワが中東連合に参加していた事で明らかだったが……なるほど、中東連合壊滅の際に逃げ遅れたのか。
 考えてみれば当然だが、サーカス団ともなれば多くの機材を必要とするし、動物達も連れ歩く必要がある。
 そう考えれば、寧ろ置いていかなければならなかったというのは、当然の事なのだろう。
 トロワはトロワで、中東連合の軍人という扱いになっている以上、サーカス団と行動を共にする事は出来ない。
 ガンダムのパイロットとして、そしてカトルの副官的な役割もあるのだから。
 いや、カトルの副官はラシードがそうか?
 ともあれ、トロワにとってサーカス団を置いていくというのは、表情には出さなかったかもしれないが苦渋の決断だった筈だ。
 ……にしても、トロワがサーカス団を家族と言い切るとはな。
 原作だとしそこまで明確な愛情表現はしていなかった筈だが。
 この辺り、俺が歴史を変えた影響か?
 ヒイロの自爆を見て、ヘビーアームズを使った自爆ショーとかもなかったから、それも影響しているのかもしれないな。

「分かった、同行を許そう」
「いいのか、アクセル」
「ああ。愛しい存在を大事に思うというのは、当然の事だ。俺にとって綾子、お前がそうであるような」
「……馬鹿」
「ん、ゴホン、ゴホン。おや、随分と熱くなってきたようだが……」

 これ見よがしに咳払いをする連合軍の兵士。
 ……何故か五飛までもが俺を見る視線が冷たい。
 もしここにサリィがいたら、やっぱり視線が冷たくなったのだろうか。
 だが、トロワはそんな俺達の様子を見ても特に気にした様子もなく口を開く。

「なら、俺が一緒に行動しても構わないんだな?」
「ああ。……ガンダムはどうした?」
「邪魔になると思って置いてきた」

 ヒイロもそうだが、トロワも自分の機体に対する愛情が少ないよな。
 いやまぁ、持ってこられても連合軍としては困ったんだろうが。
 俺の場合は、空間倉庫があるからMSの運搬には困らないけど……まぁ、元々がトロワは傭兵だ。その気になれば、トレーズ派のMSなり何なりを奪って使うのも難しい話ではない。
 ……最悪、俺の空間倉庫の中にたっぷりと入っている、リーオーかエアリーズ辺りを貸せばいいんだし。
 いや、ヘビーアームズの仕様を考えると、トラゴスの方がいいのか?
 ともあれ、トロワが何とか動くのは問題ない。

「そうか、ならいざとなったら俺が持っているMSから何か貸すから、戦力としては心配するな」
「期待させて貰おう」

 そんな訳で取りあえず話も纏まり……俺達は早速補給物資を運ぶ仕事に取り掛かる。
 もっとも、俺達がやる仕事そのものは物凄く簡単な事だ。
 このW世界の人間であれば、苦労して輸送機に補給物資を積み込み、トレーズ派に占拠された中東連合の制空権内を輸送機で……もしくはその輸送機の護衛機も含めて飛ばなければならない。
 だが、俺の場合は……

「収納、と」

 その言葉と共に、コンテナに入っていた補給物資はその姿を消す。
 続けて同じように、様々な補給物資を空間倉庫に収納していくと、それこそものの数分で倉庫の中に山と積まれていた補給物資はその姿を消す。
 そうして唖然とした様子で俺の方を見ている連合軍の兵士や、何度見ても慣れない様子のトロワ、意地でも驚きを出さないようにしている五飛、既に慣れた表情の綾子といった面々の前で、口を開く。

「さ、行くか」
「……ああ」

 冷静沈着という言葉がそのまま人の形をしたようなトロワも、この光景には驚いたのだろう。
 目を見開き、一瞬だけ唖然とした様子を見せる。
 ……それでも、すぐに我に返ってこっちに近付いてくる辺り、トロワらしいと言えばらしいのだろう。
 綾子と五飛も、こっちに近付いてくる。
 連合軍の兵士のみが、こちらから離れていく。

「それで、転移する場所は分かってるのか? レジスタンスだけに、迂闊にこっちが近付いていけば敵対行為と見なされるだろう?」

 俺という存在の情報については、連合軍を含めて各組織の上層部しか知らない。
 いや、シャドウミラーという名前だったり、ガンダムを含めた機体を使っているという話は色々と知ってる物も多いだろうが、実際に俺の顔を見た事がある者となると……さて、どれくらいいるのやら。
 特に、俺の場合は積極的に表に出たりはしないしな。
 これが凛なら、各種交渉とかで顔が知られてたりするんだが。
 ……勿論、凛の事情が知られている原因は、美人だからというのも大きいのは間違いないが。
 中にはどこぞの元帥の孫娘と同じく、凛をお姉様と呼んで慕っている者も多いとか何とか……まぁ、それはそれ、これはこれというところだろう。
 少なくても、俺はそういう事にしておきたい。

「レジスタンスとの合流場所はここだ」

 トロワが、そう言いながら1枚の紙をこちらに渡す。
 そこには、中東連合に所属している……いた、か? ともあれ中東に存在する小国の1つの名前と地名が書かれている。

「ここに向かえば、向こうと合流出来る。中東連合の軍部でもそれなりの地位にあった人物が率いているレジスタンスだから、向こうは俺の顔も知っているだろう」
「ふーん……」

 それはつまり、トロワの頼みを聞いて連れていかなければ、色々と問題が起きていた可能性が高いと、そういう事なのだろう。
 カトルが考えたのか。それともトロワが考えたのか……どちらが考えたのかは分からないが、上手い具合に考えるな。
 まぁ、トロワを連れていくこっちとしては、特に問題はない。

「分かった、じゃあ、行くぞ」

 そう告げ、綾子、五飛、トロワの3人が頷くのを確認し……影のゲートを展開する。 そして連合軍の兵士が驚きの表情を浮かべている前で、俺達は影のゲートに沈んでいくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1345
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1371 
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