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憑依先が朱菜ちゃんだった件

作者:沙羅双樹
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第2話 改訂版(2019/04/30)

 
前書き
こんにちは、沙羅双樹です。

本来、原作では死亡している紅丸父母が本作品では生存しているので、その容姿について先に語っておこうと思います。

紅丸父の容姿はぶっちゃけ赤髪にした新撰組異聞PEACE MAKERの土方歳三。紅丸母はうたわれるもの偽りの仮面&二人の白皇のヤマトの大宮司、ホノカ。

あと、他に登場予定のオリキャラである蒼影父&紫苑父は蒼影父が蒼髪にした新撰組異聞PEACE MAKERの山崎烝、紫苑父が紫髪にした新撰組異聞PEACE MAKERの原田左之助です。

最初は紅丸父を薄桜鬼に登場する土方歳三、蒼影父を薄桜鬼に登場する斎藤一、紫苑父を薄桜鬼に登場する永倉新八にしようと思ったのですが、元となっているのが乙女ゲーということもあって、分からない人もいるかもと思い、比較的に分かり易い新撰組異聞PEACE MAKERのキャラにしました。(笑)

ちなみに私は薄桜鬼をTV版とOVA、劇場版(DVD)しか見たことが無くて、ゲームは一切やったことがありません。(笑)
 

 



【視点:赤髪の若】



里から逃げ延びて早8日。俺達、大鬼族(オーガ)の民は封印の洞窟近くの森で武装した人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)の集団と鉢合わせ、戦うこととなった。

どうして戦うことになったかというと、武装した人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)を怨敵である魔人の手先と判断したからだ。

本来、封印の洞窟付近には暴風竜の魔素によって護られている小鬼族(ゴブリン)などの下位種族の魔物しかいないのだ。人鬼族(ホブゴブリン)が存在するなど何者かによって存在進化させられたと考えるのが自然といえる。

しかも、その人鬼族(ホブゴブリン)が他種族の嵐牙狼族(テンペストウルフ)と共存しているなど、より上位の存在によって統率されているとしか考えられない。

その上、ここに辿り着くまでの間に(かむなぎ)のまとめ役である大宮司を務める御袋が魔人級の妖気(オーラ)を封印の洞窟の方角から感じ取っていた。

そして、豚頭族(オーク)共に襲撃される少し前に里に現れた魔人が「こんな里、滅んじまえ!!」という悪態を吐きながら帰って行ったこともあって、人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)の集団を襲撃してきた豚頭族(オーク)共と同じ魔人の手先であると考えた訳だ。

……他にも豚頭族(オーク)によって37人もの同胞を殺されたことや、里の皆に慕われていた朱菜だけを置いて逃げ出した不甲斐なさから殺気立っていて、感情の赴くまま力を振るってしまった感があることは否定しない。

それでも人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)共を殺さない様に配慮はした。この二種族から実害を被った訳でも無い上、魔人の情報を吐かせる必要があったからだ。

殆どの人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)が峰打ちによる一撃で気絶する中、我ら大鬼族(オーガ)と切り結び抵抗している人鬼族(ホブゴブリン)は残り2名。嵐牙狼族(テンペストウルフ)も残っているのは族長と思しき個体のみ。


「その2名の人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)は必ず生け捕りにしろ!強き者ほど多くの情報を持っているものだ!!」


親父の指示により俺を含む戦い慣れた大鬼族(オーガ)の戦士が、人鬼族(ホブゴブリン)嵐牙狼族(テンペストウルフ)を取り囲み、捕縛する為に掛け出した。

しかしその時、森の奥から何か異様な気配が近付いて来ていることに全員が気付き、駆け出した足を止めた。魔なる者が必ず放つ妖気(オーラ)を一切感じない。されど、人間とは思えぬ気配。

その気配の存在は爺が相手をしていた人鬼族(ホブゴブリン)の胸を斬り裂いた瞬間、姿を現した。



【視点:朱菜】



どうも、大筒木朱菜です。私は現在、迷彩隠れの術を使った状態で木の上からお兄様達の様子を見ていたりします。

実は8日前の豚頭族(オーク)の軍勢による里の襲撃なんですが、私が出張ったら1日半ほどで軍勢が撤退してしまったんです。

1日目は螺旋丸とか、千鳥とか、火遁・火龍炎弾とか、水遁・水鮫弾とか、風遁・真空連波とか色々な術で狩っても狩っても豚頭族(オーク)は何処からともなく湧いていたんです。

なのに、2日目の戦いで私が仙法風遁・螺旋丸とか、仙法磁遁・螺旋丸とか、仙法灼遁・螺旋丸とか、仙法炎遁・螺旋丸とか投げられる螺旋丸シリーズを使ったり、流砂瀑流からの砂瀑大葬への対軍滅殺コンボを使っていたら、豚頭族(オーク)の軍勢は半日ほどで撤退してしまったんです。

その後、2日ほど里に居続けたんですが、豚頭族(オーク)の軍勢が増援を引き連れて再びやって来る、といったことも起きませんでした。

私の予想では豚頭族(オーク)の本隊がやって来ると思っていたんです。そして、私が仙法・螺旋手裏剣シリーズで迎撃。5日くらい掛けて軍勢の数を5万以下まで減らす予定だったんです。

なのに、豚頭族(オーク)達は怖気付いて逃げ出すだけでは飽き足らず、再襲撃すらしてきません。全く、情けないにも程があります!ガッカリです!!

……取り敢えず、そんな訳で豚頭族(オーク)の襲撃から5日目に私は里を出て、お父様達の後を追った訳です。

そして、つい数分前に輪廻転生写輪眼にもある白眼の基本能力である千里眼でお父様達を捕捉し、丁度リムル様が出て来そうだったので迷彩隠れの術を使って木の上からお父様達の遣り取りを見守ることにした訳です。

と、こんな説明をしている間にリムル様がお父様とお兄様、爺を除いた大鬼族(オーガ)の戦士達を降していってます。

あっ、爺が斬仙剣でリムル様の右腕を斬り飛ばしました。けど、リムル様は平然としています。まぁ、元々はスライムですから、痛みで発狂することもないですよね。

リムル様が斬り飛ばされた右腕を回収・吸収して右腕を再生させると、お父様とお兄様は顔を蒼くさせながら同時に鬼王の妖炎(オーガフレイム)を放ちます。

確か、この時点でのリムル様はイフリートを捕食したことで『熱攻撃無効』の様な特別技能(エクストラスキル)を獲得しているから、炎熱攻撃や氷結攻撃が効かないんですよね。


「やった……、のか?」


はい!お兄様の口からリムル様生存フラグのお言葉を頂きました。ありがとうございます!!


「悪いな。俺には熱変動攻撃は効かないんだ。あと、本当の炎を見せてやろう」


キャー!炎の中で余裕顔のリムル様!!凛々しくて格好良過ぎです。余りの格好良さに気絶しそうになりました。生リムル様、ヤバし!ですね。



【視点:リムル】



「本当の炎を見せてやろう」


俺は目の前で刀っぽいのを構えている老人とビームサーベルっぽいのを構えている中年と青年の大鬼族(オーガ)に対してそう告げると、腕を真上に挙げて特別技能(エクストラスキル)『黒炎』を発動させた。


「こ、これは!?」
「黒炎…、だと?」
「まさか、姫様以外に天照を使える者がいようとは……」


ん?今、爺さん大鬼族(オーガ)が口にしたアマテラスって何だ?天照大神じゃないよな?この『黒炎』と同じ炎系スキルの名称か?

取り敢えず、大鬼族(オーガ)達は黒炎系スキルを知ってるみたいで、ビビってくれてるみたいだな。このまま戦意喪失してくれたら助かるんだが……。


「あ、あの炎は妖術ではありません。周囲の魔素を利用せず、純粋にあの者の力のみで形作られています!」


おっ!後衛の巫女装束を纏った白髪の大鬼族(オーガ)のお姉さんが大鬼族(オーガ)側の戦意を更に喪失させる様な説明をしてくれたぞ。いいぞ、もっとやれ!!


「長、御方様と若を連れてお逃げ下され。ここはワシが―――」
「黙れ、爺。散って逝った同胞の無念を、長である我が晴らさず逃げるなどできるものか」
「親父の言う通りだ、爺。俺も朱菜の無念を晴らさず生き恥を晒すくらいなら、最後まで戦ってこの場で果てた方がまだマシだ」


ヤバッ!脅しが完全に裏目に出た。ってか、朱菜って誰?人の名前っぽいけど、もしかしてあの青年の恋人だったりするのか?リア充か?リア充なのか!?……いや、これまでの会話から死に別れてるっぽいし、リア充じゃないか。


「長、若……。それではワシもお供しましょうぞ!!」


あぁ、爺さん大鬼族(オーガ)も抜刀術の構えを取り始めた。もうこれは殺っちゃうしかないのか?ってか、さっきから何気に中年と青年の持ってるビームサーベルが気になるんだけど?

いや、ビームサーベルっていうよりライトセイバーか?ジェダ○の騎士?御二人はジェダ○の騎士ですか?この後、フォースとか使って来るの?

俺が現実逃避気味にそんなことを考えていると、いきなり『黒炎』の真上に何者かが現れた。


「餓鬼道・封術吸印」


『黒炎』のせいで姿は見えないが何者かがそう告げると、『黒炎』は掃除機に吸われる埃の様に何かに吸収され、あっという間に消えてしまった。

『黒炎』を吸収した者は当然のことながらそのまま落下し、俺の目の前に降り立つ訳なんだが、俺はその姿に思わず見惚れてしまった。

何故なら巫女装束に羽織と羽衣を纏った桃髪の美少女が危な気も無く、音すら立てずに目の前に降り立ったんだ。その姿が神秘的に見えて目を奪われない訳が無い。

しかも、俺に向けられた瞳―――波紋模様に巴紋が浮かんだ万華鏡の様に煌めきがかったワインレッドの眼を見た瞬間、今の身体には無い筈の心臓を鷲掴みにされた様な感覚に陥った。


「「しゅ、朱菜!?」」


俺と桃髪美少女巫女が見つめ合っていると、玉砕覚悟で俺に向かって来ようとしていた中年と青年が同時に声を上げた。

朱菜?朱菜って、あの青年が言ってた名前だよな?ってことは、この桃髪美少女巫女があの青年の彼女ってことか?クソッ!やっぱりリア充かよ!!

俺がそんなことを考えていると、桃髪美少女巫女は俺に微笑み掛け、一瞬の内に姿を消した。そして、気付いた時には中年と青年の背後を取っていて、その頭に手を添えると―――


「何をやってるんですか、お父様!お兄様!!」
「「へぶらッ!!」」
「「「「「「「「「「えぇーーーーーーーー!!?」」」」」」」」」」


そのまま地面へと中年と青年の頭を叩き付けた。桃髪美少女巫女の予想外の行動にその場にいた大鬼族(オーガ)達だけでなく、俺とリグル、ゴブタも驚愕の声を上げる。

っていうか、あの細腕のどこにあんな力があるんだ。顔を叩きつけられた地面が陥没して、地割れを起こしてるぞ。中年と青年、死んでないよな?

っていうか、今お父様とお兄様って言った?ってことは、あの朱菜って子は中年の娘で青年の妹?取り敢えず、青年がリア充でないことは喜ばしく思う。

……まぁ、何はともあれ。これが俺――リムル=テンペストと後に九天魔王の1人に名を連ねる大筒木朱菜との出会いだった訳だ。



 
 

 
後書き
第1話の本文でも説明されてますが、本作品での宝貝(パオペエ)は動力源を魔素orチャクラとしているので、紅丸(仮)達も使用可能です。

ちなみに今回登場した宝貝(パオペエ)は以下のもの。

紅丸(仮)父=莫邪の宝剣Ⅱ
紅丸(仮)=莫邪の宝剣
白老(仮)=斬仙剣


あと、本作品では魔素及びチャクラを利用した術、スキルは餓鬼道・封術吸印及び冥遁・吸穴孔で吸収される設定です。

以上、本編内で説明不足であった補足でした。
(まぁ、斬仙剣に関しては名称が出てるし、莫邪の宝剣についても予想できていたとは思いますが……(笑)) 
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