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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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332部分:第二十七話 神楽、あらたな巫女を見るのことその十一


第二十七話 神楽、あらたな巫女を見るのことその十一

「わたくしの美は」
「・・・・・・とりあえずいいよな」
「一瞬何かって思ったけれどな」
「そうだよな」
 これが観客席の反応である。
「奇麗なことは奇麗だよな」
「派手もいいところだけれどな」
「まあ袁紹様らしいよな」
「合ってる合ってる」
「じゃあいいか」
 とりあえず及第点だった。しかし袁紹はここで言うのであった。
「如何でして?わたくしのこの美は」
「まあいいんじゃないですか?」
「とりあえずは」 
 顔良と文醜がまた話す。
「とりあえず私達は出し終わりましたし」
「後は向こうですね」
「けれど」
「そうだよなあ」
 ここでまた顔を曇らせる二人だった。
「向こう、こういうことには強いですよ」
「勝てるんですかね、あたい達」
「勝てると思わなければ勝てませんわよ」
 一応正論を言う袁紹であった。
「為せば成る、為さねば成らぬ何事もでしてよ」
「それはそうなんですけれど」
「敵は強大ですよ」
「ふん、質では負けていませんわよ」
 袁紹だけはあくまで強気である。
「例え相手が誰であろうとも」
「そうだったらいいんですけれど」
「麗羽様がそう思っておられるなら」
 そしてだった。ここで田豊と沮授も言う。
「今は何を言ってもはじまりませんし」
「見ているだけしか」
「そうですわね。じたばたしてもはじまりませんわ」
 袁紹も二人のその言葉に頷いた。
「それなら。今は」
「はい、席に着いてそれで」
「お茶でも飲んでいましょう」
 こうしてだった。袁紹陣営は落ち着いて自分の席でお茶を飲むことにした。その中でふとだ。アンジェリカが言ったのである。
「一人いるわね」
「一人とは?」
「誰かいるの?」
 彼女のその言葉に鈴姫と凛花が問うた。
「まさかまた私達と同じ世界の人が来たとか」
「そうなの?」
「多分」
 こう答えるアンジェリカだった。
「来ているわ」
「だとしたら一体誰が」
「誰なのかしら」
「それはね」
 また話すアンジェリカだった。
「多分。巫女だわ」
「巫女?」
「巫女っていったら」
 二人は今のアンジェリカの言葉に劉備陣営が入っている着替え室を見た。そこには既に一人の巫女がいるのはわかっていることだった。
 そしてだ。二人はその巫女のことを話した。
「神楽さんかしら」
「やっぱり私達と同じ世界から来ている人だし」
「そうね。時は後だけれど」
 彼女達が生きていた時代からかなり後である。神楽がいる時代はだ。
「それでも違う」
「違う」
「神楽さんとは」
「そう。また別の巫女だから」
 その巫女が来たというのである。
「また一人」
「それじゃあその巫女は」
「何の目的で」
「そこまではわからない」
 アンジェリカにはわかる筈もないことだった。それでこう答えたのであった。
 
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