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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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318部分:第二十六話 袁紹、劉備を迎えるのことその十


第二十六話 袁紹、劉備を迎えるのことその十

「あの州が遂にわたくしのものに」
「おって朝廷から正式に命じられます」
「幽州の牧にもです」
 田豊と文醜も楽しそうに話す。
「これで麗羽様は五州の主です」
「おめでとうございます」
「五州を治めそうして」
 袁紹は満足した顔のまま話していく。
「その功績で。わたくしはさらに上を目指しますわよ」
「やがてはですね」
「三公もですよね」
 顔良と文醜も楽しそうに話す。
「これで袁家は五代三公ですよね」
「あの美羽様を差し置いて」
「ふん、美羽なぞ所詮は小娘ですわ」
 袁紹の顔はここでは微妙に歪んでしまっていた。
「わたくしの相手ではありませんわ」
「はい、袁家の主は麗羽様ですね」
「何進様も認めてくれますわね」
「妾の子であろうとも」
 自分からこのことを言う袁紹だった。
「それでも。実力で掴めるものは掴めましてよ」
「それはいいことね」
 アンジェリカは袁紹のその言葉を聞いて述べるのだった。
「掴めるだけの力があるということは」
「貴女、そういえば貴女の世界では」
「私はそういう立場にいなかった」
 こう言うだけのアンジェリカだった。
「だからそれはできなかった」
「奴隷だったそうですけれど」
「それで暗殺とかやってたんだよな」
「ええ」
 顔良と文醜にも答えるアンジェリカだった。
「そう。あの世界じゃ」
「けれどこの世界じゃアンジェリカさんは」
「少なくとも奴隷じゃないからな」
 二人はそのアンジェリカを慰めるようにして言うのだった。
「それは安心して下さいね」
「あたい達だって仲間だからな」
「ええ」
 頷いて返すアンジェリカだった。
「それじゃあ」
「私もですか」
 今度は鈴姫だった。
「私も。袁紹さんのところで」
「勿論ですわ。確かに働いてもらいますわ」
 袁紹はこのことは言いはした。しかしであった。
「それでもですわよ」
「それでもですか」
「ええ、そうですわ」
 悠然と笑いながら鈴姫に述べる。
「期待していますわよ」
「有り難うございます」
 おずおずとだが確かに言った鈴姫だった。
「ではこの大会も」
「では皆さん」
 ここでまた言う袁紹だった。
「宜しいですわね」
「はい」
「参りましょう」
 田豊と沮授も言うのだった。
「そうして大会に出るからには」
「勝ちましょう」
「当然ですわ。さて」
 袁紹の言葉は続く。また田豊と沮授に問うのだった。
「お米と麦ですけれど」
「はい、わかっています」
「御安心下さい」
 微笑んで答える二人だった。
「そちらはもう」
「準備ができ次第発ちますから」
「宜しいですわ、それで」
 満足した顔で頷く袁紹だった。
 
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