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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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30部分:第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその五


第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその五

「だからだ。貴殿は今度の作戦には無理だ」
「そういうことだったのですね」
「だが。参加してもらうことにする」
 それはだというのだ。
「ただ中に忍び込むだけではどうにもならない。外にも人材が必要だ」
「だからなのですね」
 ナコルルが言ってきた。
「それで」
「そうだ。その張飛と。確か」
「ナコルルです」
 ナコルルはまた名乗ってきた。
「宜しく御願いします」
「わかった。では頼むぞ」
 こうして作戦は決まった。そしていざ出発の時にだ。城の門のところで三人の若い男達に出会ったのだった。
「むっ!?見慣れない顔だな」
「見たところかなりの腕前だな」
 公孫賛と趙雲が彼等を見て言う。
「だが。何者なのだ?」
「俺か?俺はテリー=ボガード」
 まずは金髪を後ろで束ね青い精悍な顔をした青年が名乗ってきた。白いシャツに青いジーンズ、それに赤い背中に星があるジャケットと帽子という姿である。鋭く狼の様な印象を与える男だ。
「アンディ=ボガード」
 また一人名乗ってきた。白地に赤い模様のある上着と白いズボンだ。上着には袖がない。金髪を伸ばしており青い目をして整った涼しげな顔をしている。その彼も名乗った。
「東丈」
 赤いトランクス一枚の男だ。黒い髪を立たせて元気のいい顔をしている。見事な筋肉が露わになっている。その三人が名乗ったのだ。
「何か気付いたらこっちの世界にいたんだ」
「どうやら昔の中国らしいが」
「何だ?ここは」
「漢だが」
 公孫賛がここで三人に対して告げた。
「それでわかるか?」
「そうか。かなり昔の中国だな」
「そうだね、兄さん」
 アンディはテリーが腕を組んで述べた言葉に応えた。
「まさかこの時代だったなんて」
「よくわからないが俺達はタイムスリップしてきたみたいだな」
「そうだね」
「何か話が全然わからないんだけれどな」
 丈は首を捻っている。
「しかし」
「しかし?」
「あんた達はこれから何処に行くんだ?」
 このことを関羽達に対して問うのだった。
「一体何処に行くんだよ」
「これから山賊退治に行く」
 三人を見ながら答える関羽だった。
「今からな」
「そうか、山賊か」
「兄さん、なら」
「やろうぜ、俺達もよ」
 ここで三人はそれぞれ話す。そうしてだった。
「よかったら俺達も協力させてくれ」
「ここに来るまでに山賊達なら何度か倒している」
「だからな。俺達にも手伝わせてくれ」
 こう言ってであった。彼等はこうして山賊退治への協力を申し出てきた。そうしてそのうえで公孫賛が三人に対して言ってきた。
「見たところ異国の者達だが悪い者達ではないな」
「そうだな、確かに」
 趙雲もそれに頷く。
「怪しい者達ではない」
「ナコルルと同じか?」
 関羽はこう感じ取った。
「そうなのか」
「ナコルル?聞いたことがあるな」
 アンディがいぶかしむ顔になって応えてきた。
 
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