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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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28部分:第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその三


第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその三

「あの女は野心が強い。今度は幽州を狙っているのだ」
「河北を全て手中に収めるつもりか」
「既に北の異民族とも手を結んでいるという」
「では今はか」
「そうだ。迂闊には動けない」 
 公孫賛はさらに苦い顔で言う。
「山賊退治にも行きたいのだが」
「だから私が行くと言っているのだ」
 趙雲はこう言ってきた。
「それは駄目か」
「しかし趙雲殿一人では無理ではないのか?」
 公孫賛はその趙雲を気遣う顔で見ながら言った。
「やはり。何というかだ」
「山賊なぞ私一人でどうとでもなる」
 しかしその趙雲はこう言うのだ。
「だから行くというのだ」
「だが。一人では無謀だ」
 あくまでそれは許さない公孫賛だった。
「やはりここはだ」
「兵を率いてというのか」
「できるがそうしたい」
 これが公孫賛の考えである。
「私も行き、だ」
「しかし袁紹がいるからか」
「どうしたものか、ここは」
 そんな話をしていた。そしてここで関羽が言った。
「待ってくれ、山賊ならだ」
「うむ」
「私が行こう」
 こう言って出て来たのである。
「今からだ。すぐに退治してくる」
「はい、私もです」
「鈴々もなのだ」
 ナコルルと張飛も名乗り出て来た。
「私も剣を持っています」
「腕には覚えがあるのだ」
「ふむ、これで三人か」
 趙雲はここで足を組んだ。その時にスカートの奥からピンクのものが見える。
「少し見たいものがあるな」
「待つのだ、今三人と言ったのだ」
「うむ、言ったが」
「何故なのだ。四人の筈なのだ」
「貴殿は今回の作戦には不向きだ」
 こう張飛に対して言うのだった。
「見たところな」
「見たところどうだというのだ」
「貴殿は落ち着きがない」
 それを言うのである。
「だからだ。今回の参戦は見送らせてもらう」
「鈴々は強いのだ」
 それでもムキになった張飛は言う。
「それでも駄目というのだ?」
「腕か」
 趙雲はここで目を留めてきた。
「そうだな。それも見たいと思っていた」
「では早速やるのだ」
「いいだろう」
「ふむ。では少し外に出よう」
 公孫賛が二人の間に立って言う。
「ではな」
 こうして張飛と趙雲は手合わせをすることにした。張飛は蛇矛を持ち趙雲は先が波になっている槍を持っている。それを手に取ってだった。
「よし、それならだ」
「行くのだ!」
 早速張飛が一直線に突進してきた。そのうえで槍を激しく繰り出す。
「ふむ」
「どうなのだ!」
「やるな」
 趙雲は己の槍でその突きを防ぐ。関羽はそれを見て言う。
「あの趙雲という者、できる」
「確かに」
 それはナコルルも言う。
「張飛さんの攻撃をここまで受けるのは」
「私かナコルルだけだと思っていたが」
「それに匹敵する程ですね」
「うむ、間違いない」
 張飛の攻めは全て防がれる。そして彼女が息を切らせたところでだ。
 
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