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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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276部分:第二十三話 楓、思い出すのことその七


第二十三話 楓、思い出すのことその七

「三刃のうちの一人か」
「今は一人だけじゃがな」
「そうか」
「では後の二人は」
「さてな」
 示現の問いに飄々として返すだけだった。
「わしは知らん」
「知らぬというのか」
「どうでもよい。今はわし一人で充分じゃ」
 こう話すのであった。
「仲間達もおるからのう」
「仲間か」
「そうじゃ。わしに相応しい仲間じゃ」
 これが今の彼の言葉だった。
「闇の者達じゃ」
「刹那」
 楓はすぐに悟った。
「あいつもまた」
「ほう、わかったか」
 朧はその名前を隠さなかった。
「無論あ奴もおるぞ」
「あ奴もということは」
 示現はこの言葉からすぐにわかった。
「他にもいるか」
「オロチ、それに」
 楓はこの世界で巡り合った者達の話を聞いて述べた。
「アンブロジア」
「色々おるのう。しかもじゃ」
「しかも?」
「それだけではないぞ」
「この世界に介入しようとしている者」
 嘉神はすぐに悟った。
「そうした存在もいるな」
「鋭いのう、流石朱雀じゃ」
「皮肉か?」
「いや、純粋に褒めたのじゃがな」
 こうは言ってもだった。その目には明らかな悪意があった。
「聞こえんかったかのう。そうした風には」
「聞こえぬな。貴様にあるのは悪意とどす黒さだけだった」
 嘉神はこう返した。
「それしかない」
「わかるというのか」
「よくな。そしてだ」
「そして?」
「貴様だな」
 その朧を見ての言葉だった。
「貴様が烏丸を操っていたな」
「さて、どうじゃろうな」
「とぼけるのか」
「さてな。しかし」
「しかしか」
「そうじゃ。どちらにしろ烏丸はもうどうでもいい」
 こう話すのだった。
「どうでもな」
「いいというのか」
「そうじゃ。所詮はあの程度」
 これだけで切り捨てていた。そしてだった。
 朧のその刃達が舞っていた。まるで鮫の様に。
 その刃を見ながらだ。朧はさらに言うのであった。
「さて、それではじゃ」
「それでは?」
「どうする?相手になるか?」
 刃を見ながら楓達に問うてきた。
「今ここで」
「そのつもりだが」 
 嘉神が最初に刀を抜いた。
「まさかここまで来て何もない訳ではあるまい」
「如何にも」
 それに朧も頷く。
「さて、四霊の剣達よ」
「さて、それではじゃ」
「戦わせてもらおう」
 翁も示現もその目が鋭くなった。
「この者、刃もその者も尋常ではない」
「どちらも攻めるべきだな」
「それなら」
 楓も刀を抜いた。するとだった。
 
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