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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1719話

 サリィが言った通り、その日の夜……俺の部屋に、ノベンタからの通信が入った。

『シャドウミラーには、一週間後に行われる予定の交渉に出て欲しい』
「交渉に……出る? それは護衛とかそういう意味じゃなくて、文字通りの意味で交渉に出席するって事か?」

 てっきり護衛か何かだとばかり思っていただけに、映像モニタの向こう側でノベンタが口にした言葉は完全に予想外だった。

『うむ。この交渉の参加者は、連合軍、ロームフェラ財団。……そして中東連合、サンクキングダムの4つの勢力となっている』
「トレーズ派は出ないのか?」

 その交渉に参加する勢力にトレーズ派が入れば、それこそ現在この地球における勢力全てが出揃う事になる。
 だが、そんな俺の言葉にノベンタは首を横に振る。

『今回の交渉は、あくまでも財団派が壊滅した事により、ロームフェラ財団の降伏について論じる場だ』
「……そういう意味なら、それこそトレーズ派がいた方がいいんじゃないか?」

 財団派と最も激しく戦っていたのは、トレーズ派だ。
 勿論財団派としては連合軍とも戦っていたのだが、身内同士の争いというのは往々にして普通に他の勢力と戦うよりも激しい争いになる事が多い。
 そういう意味で、トレーズ派と財団派というのはこれ以上ない程に激しく争っていた。
 元々同じ組織だからこそ、お互いに譲れないもの、許せない事といった感じであるのだろう。

『勘違いしては困るな。今回の件はあくまでも連合軍が財団派を倒した事による……降伏勧告と言ってもよい。当然それに参加出来るのは、連合軍と友好関係にある勢力だけだ』
「なるほど」

 まぁ、トレーズ派だってOZに所属していたのは変わらないし、連合軍の中にはOZに対する根強い不信感がある。
 ……その辺りの大きな理由は、当然オペレーション・デイブレイクが関係しているのだろうが、それ以外にも海岸沿いにある基地が問答無用で……それこそ降伏してもそれが認められずに殲滅されたという件もあるだろう。
 それを行ったのはアレックス率いる水中用MS部隊で、そのアレックスは財団派に所属していたんだが……まぁ、連合軍にとってOZはOZだろうし。
 あの当時に既にトレーズ派と財団派に別れているのであれば、まだマシだったのだろうが……残念ながら、あの当時はまだOZは1つの組織だった。
 そうなると、ノベンタの反応も分からなくはない、か。

「まぁ、勢力についての話は分かった。だが……それに俺達が参加する意味は? 俺達はあくまでも連合軍に雇われている傭兵団という扱いの筈だが?」
『その、傭兵団の戦力があってこそ連合軍はここまで事態を優勢に進める事が出来た。である以上、シャドウミラーが交渉の場にいてもおかしくはあるまい』
「……そうか?」

 いや、勿論中東連合やサンクキングダムであれば俺達シャドウミラーの参加について喜んで賛成してくれるだろう。
 だが、逆にロームフェラ財団の人間にとって、俺達シャドウミラーはそれこそ諸悪の根源、疫病神といった代物に近い。
 そうである以上、交渉で揉める事になるのは間違いないと思うんだがな。
 そんな俺の考えを理解したのか、ノベンタは分かっていると頷きを返す。

『無論、この件ではロームフェラ財団側は面白くないだろう。だが、現在の状況を考えれば、こちらの要望を突っぱねるような事は出来んよ。もしそんな真似をした場合、困るのは向こうなのだからな』
「なるほど」

 ようは、どうしても俺達が交渉に参加しなければならないという訳ではなく、ロームフェラ財団に対する手札の1つという事だろう。
 基本的に温厚な性格をしているノベンタだが、そのノベンタがここまでやるという事は……相当にロームフェラ財団に思うところがあるらしい。
 原作だとロームフェラ財団……いや、OZの策略でヒイロに殺されてしまったのだから、当然か。

「まぁ、そこまで考えているのなら、話は分かった。いいだろう、参加させて貰うよ。ただ……それとは別に、ちょっと調べて貰いたい事がある」
『ふむ? 何かな? シャドウミラーには色々と無理をさせているのだから、こちらで出来る事であれば可能な限り協力しよう』
「助かる。それで調べて貰いたい事だが、トレーズ・クシュリナーダ、レディ・アン、ゼクス・マーキス、ルクレツィア・ノイン。以上4人が現在どこにいるのかを調べて欲しい」

 他にもドクターJやH教授、カーンズといった面子の行方も調べて欲しいとは思うが、今はそれよりもトレーズ達の行方の方が重要だ。

『ふむ、トレーズ・クシュリナーダの行方はこちらでも分かっておらん。色々と手を尽くして調べているのだが……ゼクス・マーキスは、何度か戦場で見られているが、ある時を境にしてさっぱりと見なくなった』
「俺達との戦闘か」

 呟く言葉に、ノベンタは頷きを返す。
 俺達との戦い……財団派との戦いの時の事だ。
 トールギスⅡでウイングゼロに挑み、何も出来ずに負けたゼクス。
 そのゼクスに、トレーズが開発している新型MS――エピオン――の存在を仄めかして以降、その行方は分からない。
 トレーズに辿り着いたのかどうか、その辺もまだ分かっていない状況なのだが……連合軍の方でも行方は掴めていないが。
 OZのトップエースとして有名なゼクスは、連合軍にとっても行方を注視している人物の筈だ。
 それでも完全に行方を眩ましているという事は……もうトレーズの下に辿り着いたと考えてもいいのか?

『そして、連合軍でも要注意人物として探してるレディ・アンは……こちらも残念ながら見つかってはいない。ただ、地球に戻ってきているのは確認されている』

 要注意人物か。まぁ、そうだろうな。
 バルジを使ってコロニーを人質にして降伏を迫ってくるような奴だ。
 おまけに色仕掛けでコロニーの1つをOZ側に引き込むという裏技も行っている。
 普通に考えれば、何をやるのか分からないという意味で要注意人物と考えられてもおかしくはない。
 問題は……今のレディ・アンが、いわゆる綺麗なレディ・アンになってるのかどうかという事だ。
 トレーズ教の狂信者のままか、綺麗なレディ・アンか。
 そのどちらかで、危険度は大きく違う。
 この3人に比べれば、ノインの危険度はそこまで多くはないだろう。
 勿論有能さという意味では決してゼクスに劣っている訳ではない。
 だが、ノインは強烈なまでに女だ。
 同じ女という意味ではレディ・アンもいるが、あっちはトレーズ教の狂信者なのに対して、ノインは女としてゼクスを求めている。
 それは、原作でも如実に表れているだろう。
 だからこそ、そこまで凶悪な真似をしたりはしないんだろうが……逆に言えばゼクスが望んだり、ゼクスの為であれば多少の無茶は行うという事でもある。
 実際、俺がゼクスを捕らえて連合軍に引き渡した後で、ゼクスを助ける為に奇襲を仕掛けてきたのだから。
 ……それでも最後の一線を守るのが、レディ・アンとの違いだろうが。

「そうか。誰の行方も分からないか。……こちらに味方している戦力が多いというのは嬉しい事態で、明確に敵対している勢力もトレーズ派くらいしか残っていない。にも関わらず、トレーズ達の居場所が分からないというのは、ちょっと不気味だな」
『うむ。こちらもそれなりに手をつくしてはいるのだがな』

 何だかんだと、やっぱりトレーズは有能だったという事だろう。
 厄介な……非常に厄介な事に。

「とにかく、出来るだけ調査の方を優先してくれ。向こうが使える戦力は、今となってはもうトレーズ派くらいしかないが……」
『分かった。そうさせて貰おう』
「今回の件の報酬については、勿論後で凛の方から交渉させて貰うから、そのつもりでな」
『……出来るだけ、お手柔らかに頼むよ』

 ノベンタが苦笑を浮かべつつもその言葉に頷き、俺達は交渉……実際にはロームフェラ財団の降伏交渉についての交渉に参加する段取りを話し合うのだった。





「あー……ま、そんなこったろうと思ってたよ。ただ、まさかこうも一気に話が進むとは思わなかったけどよ」

 地球に降りてきた俺達が、ロームフェラ財団の降伏に関する交渉に参加するという話を聞いて、まず最初に口を開いたのはデュオだった。
 その言葉通り、何となく仕事があるというのは分かっていたのだろう。
 少しだけ不満そうにしているが、それは表向きのようなもの……のように感じられる。
 勿論内心では本当に嫌だと思っているのかもしれないが。

「これでようやく戦争も終わるか。であれば、俺は構わん」
「へぇ」
「……何だ?」

 五飛の言葉に思わず感心の声を上げると、鋭い目付きで睨まれる。
 原作では兵士……そして戦士の存在意義について強く悩んでいた五飛だったが、この世界ではその辺りはそこまで強く悩んではいないらしい。
 もっとも、それは今だけであって、この戦乱が終結した後でどう思うのかは、分からないが。
 ただ、原作で五飛が兵士としての自分の存在意義に迷い、結果として所属したバートン財団は、既にこの世界では消滅している。
 いや、宇宙ではかなりの勢力を持っている財団だけに、本当の意味で消滅はしていないのだが、デキムやマリーメイアといった面子は既に行方不明になっており、現在バートン財団は連合軍の指揮下に置かれていた。
 普通ならバートン財団に勝ったトレーズ派では? と思わないでもないが、そのトレーズ派は既に宇宙から完全に撤退している。
 そうなると、結果として宇宙に残っている勢力は連合軍だけであり、当然のようにセプテムが今のバートン財団を放っておく訳がない。
 そんな訳で、まさに漁夫の利を得たのが連合軍だった。
 勿論トレーズ派が連合軍と行った交渉では、この件が交渉材料の1つとして存在したのは間違いないだろうが。
 そうでもなければ、連合軍がトレーズ派をあっさりと見逃す筈もない。
 特にトレーズ派は、マリーメイアを確保していたのだから交渉が物別れに終わった場合、確実に死に物狂いになっていただろうし。
 そんな訳で、五飛がバートン財団に所属するというのは不可能だ。
 ……そう言えば、マリーメイアはともかく、デキムはどうなったんだろうな?
 自分の娘を政治利用しようとしたデキムを、トレーズが許すとも思えないし。
 それ以前に、トレーズ教の狂信者たるレディ・アンがデキムを許すとも思えない。
 ま、そうなればデキムは自分のしでかした愚かしさを後悔しながら死ぬだけだろう。
 俺がそれを気にする必要はない、か。

「ともあれ、理由は色々とあるが、これでこのW……いや、この世界で広がっていた戦乱もある程度は収まる事になる筈だ。そうなれば、俺達シャドウミラーの活躍もこれまでよりは大分少なくなると思う。どうするのか、それはそれぞれで考えておけ」

 中東連合とサンクキングダムと協力関係を結び、ロームフェラ財団が降伏する。
 そうなれば残る敵はトレーズ派のみとなる。
 そしてトレーズ派はMDを使わないだけに、今の連合軍にとっては対処しやすい相手だ。
 ……ノベンタに行方を尋ねた4人のように、影響力がありながらまだその所在が掴めない奴もいるが。
 けど、しまったな。こうなるんなら、財団派との戦いの時にゼクスを逃がすんじゃなかった。
 勿論エピオンは欲しいのだが、いざとなればトレーズを探し出す事は不可能じゃなかった筈だろうし。
 だが、あの時はこうなると思ってなかったしな。
 まさか、ロームフェラ財団が……いや、デルマイユがこうもあっさりと降伏の交渉に乗ってくるとは。
 勝ち目がないのは事実だが、デルマイユの性格を考えればそれを認めるとは思えない。
 少なくても、原作でのデルマイユはそうだった。
 だが……この世界のデルマイユは違うのか?
 それとも、もしかして俺がデルマイユの屋敷とかを襲いまくったせいとかじゃないよな?
 そんな風に考えていると、ふとデュオが俺の方をじっと見ているのに気が付く。

「どうした?」
「いや、さっきW……って言い掛けてたみたいだったから、何なのかと思ってな」

 目敏いな。
 内心でW世界、W世界と繰り返していただけに、それが影響して思わずそう言いそうになったんだが……まぁ、その辺りはご愛敬って奴だと思いたい。

「ちょっと言い間違っただけだよ」
「ふーん。……ま、いいけどな。それより、本当にこれからどうするかねぇ……やっぱりジャンク屋か?」
「ヒルデと一緒にな」
「うるせえっ!」

 俺の茶々に、デュオは顔を真っ赤にして叫ぶ。
 ……原作では一時期ではあっても同棲までしてた割りに、どうにも進展がないんだよな。
 たまに、凛にからかわれている光景を見ると、早く一線を越えてしまえばいいのにとも思う。
 もっとも、デュオはまだ15歳だ。そういうのをするにはちょっと早いのかもしれないが。
 そんな風に思いながら、それでも俺はデュオをからかい続けるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1347 
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