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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1717話

『うおっ、これは……予想以上に凄いな』

 酸素ボンベに付随している通信機を通し、デュオの声が俺に聞こえてくる。
 酸素ボンベだけとかのレンタルも行われているのだが、ここで掛かる費用は全て連合軍持ちだ。
 そうである以上、普通の酸素ボンベではなく通信機付きのより高性能な――そして値段の高い――物をレンタルするのは当然だった。
 まぁ、ここでの経営は連合軍が行っているらしいし、そう考えれば連合軍の支出というのは思った程ではないんだろうが。
 ともあれ、現在俺達は最高性能の酸素ボンベを借りてこうしてスキューバダイビングを楽しんでいた。
 砂浜からある程度の距離まで移動し、そこでサリィからスキューバダイビングのやり方を一通り教えて貰い、現在はこうしてそれぞれで好き勝手に潜っていた。
 にしても、こうして海を潜ってるとつくづく思う。
 銛を持ってくれば良かったと。
 ……あ、魚が逃げた。
 まさか俺から何かを感じ取ったのか?
 いやまぁ、魚も生き死にが掛かってるんだから、その辺りが敏感になっても当然なのかもしれないが。
 青、赤、黄色……そんな風に様々な色の魚が海の中を泳いでいる。
 こういう魚も結構美味いらしいんだけど……どうしても魚と言えば、普通の魚を思い浮かべてしまう。
 ああ、俺達がやってるのはスキューバダイビングで銛突き漁じゃないのに、どうしてもそっちの事を考えてしまうな。
 これまでスキューバダイビングなんてした事がなかったからな。
 どうしても、そっち関係に思考が逸れてしまってもしょうがない。
 そうして泳いでいると、不意に岩に大きな貝があるのを発見する。
 うん? かなり巨大な貝だな。
 俺の顔……いや、上半身くらいもある大きさの貝だ。
 何だったか……そう、大シャコ貝? 確かそんな名前だった気がする。
 巨大な貝に興味を惹かれ、そのまま貝を見て回る。
 パックリと開いている口からは、丁度中が見えるようになっていた。
 こういう風に口を開けている貝ってのは珍しい。
 何となく気になり、そっと手を伸ばす。
 ……おお。中に手を入れても全く貝は反応しないな。
 これでちょっとでも触れば、恐らく口を閉じるんだろうが……餌が来るのを待っているのか?
 いや、貝によっては何を食べるのかは全く違う。
 プランクトンとかを食べる貝もいれば、海草を食べる貝もいるし、中には小魚とかを食べる貝もいるらしい。
 この大シャコ貝が何を食べるのかは俺にも分からないが、それでも生きている貝の中に手を入れるというのは、ちょっと珍しい体験だ。

『うわっ、おいアクセル、お前何をやってるんだよ!?』

 丁度俺の近くまでやってきたデュオが、貝の中に腕を入れている俺を見て叫ぶ。
 その叫び声に思わず耳を押さえようとし……ここが海中であった事を思い出す。
 ダイビングスーツを着ている以上、耳を押さえるなんて真似は当然出来る筈がない。
 そして腕を動かした衝撃で、貝の中に入れていた手は貝の中身に触れてしまい……次の瞬間、パックリと貝の口がしまる。
 もっとも、ギロチンの如き鋭さという訳でもないので、特に痛みの類はない。
 だが、貝の閉まった口は、俺を離す様子を見せない。
 ちっ、しくじったな。

『ちょっ、大丈夫かよ!?』
「ああ、大丈夫だ。そもそも、デュオが声を掛けなきゃこんな事にはなってなかったんだけどな」

 特に俺が痛みの類を感じていないというのが分かったのだろう。
 デュオが安堵したように溜息を吐く声が聞こえてくる。

『いや、それは……だって、貝の中にいきなり腕を入れてるんだぜ? 驚くのは当然だと思うけどな』
「それは否定出来ないな」

 実際、俺だってデュオとかが貝の中に手を入れているような光景を目にすれば、驚いて声を掛けてしまうだろう。
 そして結果的に、今の俺と同じような状況になる。

『って、おいアクセル。本当に大丈夫なのか? こうして見てる限りだと、思いっきり口が閉まってるけど』
「ああ、問題ない。痛みの類もないしな 」

 実際、もし今の俺と同じような状況になっているのが普通の人間なら、痛みで悲鳴を上げている可能性も十分にあるだろう。
 だが……俺を相手にこの程度でどうにかなる筈もない。

「そうだな、ずっとこのままだと色々と不味いか。……ああ、思い出した」

 そこまで言って、今更ながらに思い出す。
 この大シャコ貝という貝は、こうして口を開いている状況でスキューバダイビングやら素潜りやらをしている奴が手を入れ、結果として俺と同じような状況になるのはそこまで珍しい事じゃないらしい。
 で、これだけの大きさの貝だけに、当然重量もそれなりのものであり……つまり、潜っている状況では一人でどうにも出来なくなるらしい。
 最終的にはナイフで腕を切断して生き延びた奴とかもいるらしいと言えば、この大シャコ貝の危険性も理解出来るだろう。
 ただ、同時にこの大シャコ貝は料理の素材としてもかなりの上物だったりする。
 味も美味く、この大きさだけに食べ応えという面でも問題はない。
 ……うん、つまりこの大シャコ貝は俺に食われたい訳だな。
 確かドリアンとこの大シャコ貝を使った料理があったらしいから、ホテルの料理長辺りに頼めば作って貰えるか?

『おい、アクセル。お前本当に大丈夫か? このままだと……』
「ん? ああ、別に心配はいらない。このまま海上まで行く事も出来るし、何なら……」

 そう告げ、貝に飲み込まれている右手ではなく、左手で貝の外側の部分を掴む。
 そして力を入れていき……すると、ゆっくりとだが確実に貝の口は開いていく。
 もっと一気に口を開けようと思えば出来るんだが、そうした場合、貝殻が壊れそうな気がするんだよな。
 折角俺の食材になるんだから、出来れば綺麗なまま持っていきたいと思うのは間違っていないだろう。
 そうしてやがて開いた口から、そっと手を抜く。

『おお……痛くないのか?』
「ああ、全く。貝の口を閉じる力そのものは、そんなに強くないらしいな」

 それでも普通の人間の場合は貝をこじ開けるのに苦労しそうだが。
 そんな風に考えながら、大シャコ貝を両手で持ち上げる。
 これも普通の人間ならこの大きさの大シャコ貝を持ったまま海上まで泳いでいくのは難しいだろうが……俺の場合は話が別だ。
 そのまま大シャコ貝を持ったまま、普通に海上に向かって上がっていく。
 デュオが俺の後ろを泳いでくるのを感じながら、やがて俺の姿は海面に出る。

「……え? アクセル代表!?」

 近くのクルーザーで周囲の様子を見ていた人物……俺達の世話係としてやってきた20代程の女の軍人が、俺の姿を見て驚きの声を上げた。
 まぁ、自分の胴体程もの大きさがある大シャコ貝を持っているのだから、それも当然だろう。
 ここの海はかなり綺麗で、だからこそ俺が持っている大シャコ貝も見る事が出来た筈だ。

「海底でちょっといい物を見つけてな。折角だから持ってきた」
「……いえ、いい物って……よくそんなに大きな貝を持てますね。普通なら、まず間違いなく1人でここまで持ってくるのは不可能だと思うのですが」
「その辺り、傭兵として身体を鍛えているからな」

 何だか傭兵という言葉が全ての免罪符のような形になっているような気がするが、まぁ、その辺りは仕方がないだろう。
 まさか本当の事を言う訳にもいかないだろうし。

「傭兵って……凄いんですね」
「まぁ、一流の傭兵ならこの程度の事は訳もないさ。それより、クルーザーに上がらせて貰うぞ」
「え? あ、はい。勿論構いません。それで、その貝はどうするんですか?」
「そうだな、ホテルの厨房にでも頼んで料理して貰おうと思ってるんだが……構わないか?」
「恐らく大丈夫だとは思います」
「そうか、助かる」

 まぁ、超一流のサービスを売りにしているような場所だ。
 客が食材を持ち込むくらいのケースは、普通に考えられているんだろうが。
 軽い感じでクルーザーに上がると、大シャコ貝を床に置く。
 ゴツリ、というその音を聞けば、このシャコ貝がどれだけの重量を持っているのかを想像するのはむずかしくないだろう。

「うわっ……こうして見ると、本当に凄いですね。アクセル代表、よくこんなのを持ってこられましたね」

 改めて見た大シャコ貝の大きさに、女がしみじみと呟く。
 この大きさを見れば当然だろうが。

「取りあえずこのまま太陽に当てていると悪くなるかもしれないから、冷蔵庫にいれたいんだが……入るか?」
「無理です」

 きっぱりと断られる。
 いやまぁ、この大きさを考えれば冷蔵庫に入らないとは当然かもしれないが。
 だとすれば、この大シャコ貝はどうするべきか……
 まぁ、いざとなったら紐か何かで結んで海に沈めておけば、死ぬ事はないだろうけど。
 そうすると色々と取り出す時とか、陸地に戻る時とか面倒臭いんだよな。

「ああ、でも……」

 俺がどうするべきなのかを考えていると、女が慌てたように再び口を開く。

「その、冷蔵庫は無理ですが、冷蔵室になら……」
「あるのか、冷蔵室」
「え? あ、はい。このクルーザーには用意されています。大勢を招待してパーティをする事もあるらしいので」
「なるほど」

 その際の食材とかを保存しておくのに、厨房にある冷蔵庫だけでは足りない訳か。
 まぁ、このクルーザーに何人くらいの人間が集まるのかは分からないが……それでも、20人や30人といった数であれば問題ないだろうし。
 結局大シャコ貝は俺が冷蔵室に持っていく事でこの件は決着するのだった。
 ……ちなみに俺と一緒に潜っていたデュオは、そのまま俺の事をスルーしてスキューバダイビングを楽しんでいるらしい。
 いやまぁ、それだけ俺を信頼しているという風に見る事も出来るんだが。
 おのれ。大シャコ貝とドリアンの料理を作る時、側で見学させてやろうか。
 大シャコ貝の方はともかく、ドリアンはかなりの悪臭だって話だし。
 俺も嗅いだ事はないから、それが具体的にどんな感じなのかは分からないが。

「アクセル代表、これからどうされます? もう潜らないで休むのなら、何か冷たい飲み物でも用意しますけど」
「あー……いや、もう少し潜ってくる。出来れば獲物じゃなくて、純粋にスキューバダイビングを楽しみたいし」

 そもそもスキューバダイビングというのは、何か獲物を獲ってくる訳ではない。
 それでは、漁だ。
 純粋に周囲の海中の景色を眺めるのが、スキューバダイビングなのだから。

「分かりました。では……えっと、その……出来ればこの貝を運んで貰いたいのですが……」

 恥ずかしそうに告げる女。
 まぁ、軍人であっても結局は普通の人間だ。
 相当に重量のある……それこそ、下手をすれば女と同じがそれ以上の重量があってもおかしくない大シャコ貝を、1人でどうにかしろってのは無理な話だろう。

「分かった。ならこれを運んでからにするよ」
「……ありがとうございます」

 そうして俺は冷蔵室に大シャコ貝を運び込み……再び海に潜るのだった。





『アクセル、ほら、これ見てよ。可愛いと思わない?』

 綾子からの通信に、その指さしている方に視線を向ける。
 するとそこにいたのは、イルカだった。
 ただし、その大きさはまだ子供サイズだ。
 イルカというのは家族を含めた群れで生活するって話を聞いていたんだが……何で子供のイルカだけがここにいるんだ?

「親はどうしたんだ?」
『いないみたい。ここで泳いでたら、この子が近寄ってきたのよ。……好奇心が強いんだろうね』

 その言葉は、決して間違っている訳ではない。
 実際、綾子の指を口で突いている様子が、俺の目の前には広がっていたのだから。
 イルカは人懐っこいというのは、あくまでも俺のイメージだと思ってたんだけどな。
 こうして見ると、決してそれは全てが間違っているという訳ではないらしい。
 そんなイルカに興味を持ち、俺も綾子の方に向かう。
 ……だが、俺が近付いたと見るや否や、イルカの子供は即座にその場から離れていった。
 それこそ、肉食獣を前にして逃げ出した草食動物の如く。
 見事なまでの逃げ足の速さ……いや、逃げ泳ぎの速さか?
 ともあれ、その速度はさすがイルカといった風な代物だった。
 それは理解出来る。理解出来るんだが……

「何だって俺が近付いただけで逃げ出すんだ?」

 それが、不満だった。
 勿論、その辺りの予想は出来る。
 人間から見れば、俺は普通の――少なくても外見は――人間にしか見えないが、イルカのような存在にしてみれば、第六感的とか野生の勘とか、そういうので俺が人間ではないと分かるんだろう。
 ……まぁ、それを言うのなら、綾子だって普通の人間ではなく半サーヴァントとなのだが。
 ともあれ、微妙に納得し……それでもあまり面白くないまま、俺はこっちを見て笑っている綾子と共にスキューバダイビングを続けるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1347 
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