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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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260部分:第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその四


第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその四

 光だった。黒い光が今ガルフォードを襲ったのだ。
「何っ、これは!?」
「漢女道奥義!」
「黒い霹靂!」
 それがガルフォードだけでなく世界を包み込んだ。それからまたあのナレーションがかん高い声で言ってきたのであった。
「文明は崩壊し海は枯れ山は死んだ」
 そこに残っているものはなかった。
「世界に残ったのは絶望だけだった」
「う、嘘だろ・・・・・・」
 ガルフォードはそのナレーション通りの世界を見てへなへなとへたれ込んだ。
「あいつ等、一体・・・・・・」
「あら、やり過ぎたかしら」
「そうみたいね」
 二人に反省の色はなかった。
「けれど世界は奇麗になったし」
「これでいいわよね」
 二人は意気揚々と何処かに消えた。後に残っているのは崩壊した世界だけだった。
 ここで目が覚めた。すると。
 枕元にだ。あの男達が座っていた。じっと彼の顔を見下ろしている。
 ガルフォードはその二つの顔を見てだ。すぐにこう思った。
「夢の続きだな」
 こう思うことにした。そうしてすぐにまた寝たのだった。
 朝になった。最悪の寝覚めだった。それで朝の食事前のトレーニングをするがだ。ジョンにこう言われたのだった。
「おい、ガルフォードとかいったな」
「ああ、ジョン=クローリーさんだよな」
「ああ、そうさ」
 緑の軍服のサングラスの男が笑って言葉を返してきた。
「宜しくな」
「ああ、こちらこそな」
「それはそうとどうしたんだ?」
 ジョンはここで怪訝な顔になって彼に問うてきた。
「何か動きが悪いな」
「そうか?」
「ああ、寝不足か?」
 ジョンはガルフォードを見ながらそうではないかと問うた。
「だったら気をつけろよ」
「いや、別にそうじゃないんだがな」
「そうか。だったらいいけれどな」
「特にな。それはそうとな」
「何だ、一体」
「あんたはアメリカ人だったな」
 彼のことについて問うたのだ。
「確かそうだったな」
「ああ、そうだ」
 その通りだと答えるジョンだった。
「アメリカ海軍にいたんだよ」
「へえ、ネービーかい」
「あんたの時代は相当昔で海軍っていっても小さかったよな」
「そうさ。街には荒くれ者が多くてな」
 笑ってそんな話もするのだった。
「親父は保安官でな」
「そんな時代だったよな」
「そっちはどうだったんだい?」
「まあ治安はよくないな」
 ジョンは苦笑いを浮かべてこのことは認めた。
「特に俺が最後にいた艦隊の港があったサウスタウンはな」
「サウスタウン?」
「南部の街でな。ルイジアナにあるんだよ」
 その場所も話した。
「そこの港町でな。人は多いし賑わってるんだがな」
「悪い奴は多かったのか」
「そうだな。多かったな」
 ジョンはガルフォードのその問いに対して頷いてみせた。
「ジェームスの奴は本当は根っからの悪人じゃないんだがな」
「ジェームス?」
「俺の古い友人でな。師匠でもあるんだよ」
 笑ってこうガルフォードに説明する。
「オーストラリア生まれでな。色々と世話になったさ」
「そうなのか」
「曹操の姫さんのところで知ってる奴はあまりいないみたいだがな」
「それでもあんたにはかけがえのない相手なんだな」
「ああ、そうだ」
 その通りだと。頷くジョンだった。
 
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