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ゆらぎ荘の幽奈さん~最強の魔法侍~

作者:末武克之
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第1話 帰って来た侍

ゆらぎ荘に入居した青年冬空コガラシはゆらぎ荘に住み二日目の昼に一人の青年がバイクに乗りゆらぎ荘に到着した。

「あれ?誰か来たみたいだぞ?」

コガラシは空を浮いている地縛霊の湯ノ花幽奈に言った。

「昨日のお坊さんとは違いますね」

幽奈はそう言った。



ーーーゆらぎ荘の玄関ーーー


ヘルメットをした男性は片手に何かを持ちながら靴を脱ぎゆらぎ荘に上がった。

「あっ!おかえりなさい狼牙くん」

そう言ったのはゆらぎ荘の管理人の中居ちとせだった。

「ああ、久しぶりです!中居さん」

青年はヘルメットを外して笑顔で中居に袋から何かを取り出した。

それは羊羮だった。

「どうでしたか?」

中居は狼牙と呼ばれる青年に聞いた。

「居なかったよあいつは」

そう狼牙は中居に言った。

「そうですか」

中居はそう狼牙の背中をぽんと優しく叩いた。

「大丈夫ですよ、いつか見つかりますよ狼牙くんの大切な人はまた見つかります」

そう中居は狼牙に言った。

「はい、」

狼牙は頷いて片手を見ていた。

「あっ!狼牙さーん!お帰りなさい!」

そう狼牙の名前を呼んだのは幽奈の声だった。

「よう、久しぶりだな」

狼牙はそう言って幽奈の頭を優しく撫でた。

「あれ?狼牙ちゃん帰って来たんだ」

そう言ったのは荒覇吐呑子だった。

「あっ、これ土産の地酒×24本です」

そう狼牙は地酒を呑子に渡した。

「まさかお前が帰ってくるとはな」

狼牙に言ったのは雨野狭霧と呼ばれる女子高生だった。

「そうか?旅立つ前に言った筈だがな」

そう言って狼牙はゆらぎ荘に上がった。

「ん?夜々久しぶりだな」

狼牙はそう黒い服を着た女子高生に言った。

「ん~?あれ?狼牙帰ってたの?」

夜々はそう狼牙に聞いた。

「ああ、今帰宅したからな」

そう言って狼牙は歩き出した。

「ん?」

狼牙はコガラシと目が合った。

「幽奈と一緒の部屋らしいな、あんまり無茶をするなよ」

狼牙は片手に荷物を持ちながら言った。

「なぁ、幽奈あいつ何者だ?」

コガラシは幽奈に狼牙の事を聞いた。

「神山狼牙さんと言って大切な人を探している風来坊さんですよ」

幽奈はそうコガラシに言った。

「へぇ~そうなのか」

そうコガラシは狼牙の背中を見た。


ーーー温泉ーーー


コガラシが風呂に入りふと狼牙の体から流れていた力に少し違和感を感じていた。

「おっ?」

風呂に入って来たのは狼牙だった。

「よう、確か神山狼牙だったよな」

コガラシはそう狼牙の名前を聞いた。

「ああ」

狼牙はそう言って片手をグーパーしながら言った。



ーーーーーー


「あっ、コガラシくん」

中居はコガラシを呼んだ。

「何すか?管理人さん?」

コガラシは管理人の方を向いた。

「狼牙さんと仲良くしてあげて下さいね」

中居はコガラシにそう言った。

「はい」

コガラシは頷いた。


ーーーーーー


狼牙は飯を食べながらふとコガラシと幽奈を見ていた。

「なぁ、狼牙!」

コガラシは狼牙に話し掛けた。

「ん?何だ?」

コガラシは狼牙の方を向いた。

「お前は大切な友達を死なせた事はあるか?」

狼牙はそう言って飯を食べ終えて立ち上がりどこかへ行った。

「どういう意味だ?」

コガラシはそう言って幽奈を見た。

「狼牙さんは昔大切な人を自らの能力で殺してしまったんです」

幽奈はそうコガラシに言った。

それを知ったコガラシは少し狼牙が何だか悪いやつじゃなく思えた。

「それよりもコガラシくんは狼牙くんと同い年なのよね」

そう呑子は酒を飲みながらコガラシに言った。

「えっ!狼牙って俺と同い年だったんすか?」

コガラシはそう言った。

「知らなくても無理はないあいつはあまり自分の事を話さないからな」

狭霧はそうコガラシに言った。



ーーー205号室ーーー


狼牙は片手に1枚の写真を見ていた。

それは一人の少女と一緒に笑顔でいた狼牙の写真だった。

「お前にはもう会えないのかもな」

そう言って狼牙は刀を片手に持って刃を手入れしていた。

「狼牙さーん!」

幽奈は狼牙の部屋に入って来た。

「おう、どうしたんだ?」

狼牙は片手に持っていた刀を鞘に戻して聞いた。

「あの、狼牙さんはコガラシさんをどう思いますか?」

幽奈は狼牙にコガラシの事を聞いた。

「見た限りでは悪いやつじゃないと俺は思うかな」

そう言って狼牙は幽奈と久々に話をした。


ーーー次の日ーーー


狼牙は片手に包丁を持ちながら野菜を切りオムレツを作っていた。

味付けは少し薄めにした。

その他にもハムやチーズを焼いてパンに挟んでそれを運んでいた。

「こんなもんかな」

そう言って狼牙はエプロンを外して皆が起きるのを待っていた。

数分して全員が集まり朝飯を食べ始めた。

「美味しいです」

そう中居は言った。

「相変わらず料理も完璧ね狼牙ちゃん!」

呑子はそう狼牙に言った。

「私も料理は負けないぞ!」

狭霧はそう狼牙に言った。

「いいから早く食い終われ、俺はまた寝るから」

そう言って狼牙はパンを食べていた。



ーーー?ーーー


私の名前は宮崎千紗希ごく普通の高校1年生。

私は買い物帰りに変な光景を見てしまった。

それは刀を持った男の人がこっちに向かって走ってきた。

そして壁を蹴りそのまま何もない場所を斬りかかった。

「・・・・」

男の人はそう言って刀を鞘に戻して煙の様に姿を消した。


続く 
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