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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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244部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその五


第二十一話 劉備、友を選ぶのことその五

「わかったな」
「じゃあ蒲公英はここは留守番なのね」
「娘を御願いね」
 黄忠は微笑んで馬岱に告げた。
「どうかね」
「うん、わかったよ」
 この言葉には笑顔で返した。
「それじゃあ私頑張るから」
「テリー殿やナコルル殿達もいる」
「これなら盗賊達が攻めてきても大丈夫なのだ」
 関羽と張飛も言う。兵のほぼ全てを率いて向かい護りは孔明と馬岱、それにナコルルや舞、テリー、それに草薙達に任せることにしたのだ。
 そのうえでだ。孔明はまた言った。
「皆さん一騎当千ですし」
「そう簡単にはここは陥落しないな」
「城壁を築いて正解だったのだ」
「はい、それでは」
 笑顔で言う孔明だった。
「皆さん頑張って来て下さいね」
「うん、行ってきます」
 劉備もにこりと笑って返す。そのうえで出陣した。そしてその中でだ。何進はふとこんなことを言ったのである。馬に乗りながらだ。
「しかしのう」
「しかし?」
「将軍、一体何が」
「幽州も牧がおらん」
 彼女が言うのはこのことだった。
「こうして烏丸がおるのにそれは不都合じゃな」
「そうですね、確かに」
「それは」
 誰も公孫賛のことを知らない。尚彼女は劉備と共に先陣にいる。しかしそのことにも気付いてもらえないままでいるのである。
「では幽州も袁紹殿にお任せしますか」
「そうしますか」
「そうじゃな。まずはこの戦を終わらせてじゃ」
「はい」
「そして袁紹が西の羌を押さえたならばじゃ」
 その時だというのだ。
「褒美も兼ねて幽州のことを帝にお話しよう」
「はい、それでは」
「その様に」
「幽州はこれでよい」
 何進はこの地はそれでいいとした。
「しかしじゃ」
「しかしですか」
「まだありますか」
「徐州も気懸かりじゃ。交州に益州もな」
「交州は孫策殿にお任せしましょうか」 
 部下の一人がこう言ってきた。
「ここは」
「それでどうでしょうか」
「そうじゃな。孫策じゃな」
 何進もその名前に頷いた。
「あ奴が山越を討てばその時に交州の牧にも任じよう」
「はい、それでは」
「その様に」
「そしてじゃ」
 何進は話をさらに進める。
「徐州はいづれ曹操にでも任せるとして」
「益州ですね」
「問題は」
「そうじゃな。あの地には氐もいれば南蛮もおる」
 何進の顔が曇る。
「治めにくい地じゃ」
「全くです」
「しかも土地は険阻です」
「人が多く豊かな場所ではありますが」
「誰か然るべき者がいればいいのじゃが」
 何進は溜息交じりに述べた。
「誰かおらぬかのう」
「難しいところですね」
「全く」
「袁術は危ういし董卓は擁州だけで手が一杯のようじゃしな」
 問題は山積みであった。
「どうやら」
「そうですね。益州は今は」
「どうしても人をやる余裕は」
「誰かおらぬかのう」 
 何進は困った声であった。
 
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