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北平の悪龍

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第二章

「喝!」
 こう叫ぶとだ、道衍の前にだった。
 巨大な龍が姿を現した、それは黒龍だった。黒龍はその巨大な姿を道衍に見せつつ赤い目で彼を睨みつけて問うた。
「そなた、わしを封じる気か」
「如何にも」
 その通りだとだ、道衍は黒龍に毅然として答えた。
「御主はこの北平に長い間居座っているな」
「そうだ」
 黒龍も負けじと返す。
「ここはわしの場所だからな」
「そしてこの街にいる者達に禍を為してきたな」
「街か、わしはその様な小さな者ではない」
 黒龍は道衍のその問いに笑って返した。
「わしはこの街を都と定めたならだ」
「その国の全てをだな」
「害を為すのだ」
「それだけの力を持っているのだな」
「だからこの街を都と定めた国はいずれも早くに滅びたのだ」
 遼、金、元といった国々はというのだ。
「これまでな」
「そうであったか」
「しかし御主は三日三晩その法力と学識で読んだ」
「それによってだな」
「わしといえど敵わぬ」
 道衍の法力と学識にはというのだ。
「封じられるわ」
「そうなるか」
「そうだ、しかしだ」
「拙僧に封じられてもか」
「わしは諦めぬ、力は封じられたが」
 それでもというのだ。
「それは半分だけのこと、まだ力はある」
「そしてその残された力でか」
「この街を都にするのならな」
 それならばというのだ。
「国の全てに害を為すぞ」
「そうしていくつもりか」
「この街はわしの場所、人が住むだけなら許してやるが」
「それはある程度までか」
「都になればあまりにも多くなる」
 人がというのだ。
「多くは許さぬ、それが嫌ならこの街を都にするでない」
「そうもいかぬ、御主には御主には御主の事情があるが」
 道衍は黒龍に今も毅然として告げた。
「人には人の事情がある」
「だからか」
「我等はこの北平を燕の都とする」
「だからか」
「御主を封じる」
「退かぬか」
「御主も退かぬな」
 まただった、道衍は黒龍に言い返した。
「それならばだ」
「そうか、ではわしは残された力を使ってだ」
「この街を都とするならか」
「その国に害を為していく」
 こう言うのだった。
「このこと言っておく」
「ではさらに手を用意しておこう」
「そうしてか」
「御主の思い通りにはさせぬ」 
 黒龍に対して告げた、すると黒龍は道衍に言った。
「その心意気受け取った、では今はだ」
「去るか」
「人に直接害を与えることはせぬ」
 それはというのだ。 
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