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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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228部分:第二十話 公孫賛、気付かれないのことその四


第二十話 公孫賛、気付かれないのことその四

「こうして戦っている」
「ふむ。貴殿名前は?」
「大門五郎という」
 男はこう名乗った。
「不意にこの娘と会い喧嘩を売られたのだ」
「あからさまに怪しい奴なのだ」
「そうか?」
 だが趙雲は張飛の今の言葉には懐疑的だった。
「あまりそうは見えないが」
「どうしてなのだ?」
「この御仁もあちらの世界から来たのではないのか?」
 こう冷静に言うのだった。
「違うか?」
「んっ、そういえばなのだ」
 こう言われて張飛もやっと気付いた。
「そういう外見なのだ」
「確かにわしはそうだが」
 その彼も言ってきた。
「日本から来ているのだが」8
「日本というとだ」
 趙雲はその名前にも反応を見せてその大門に問う。
「あれか。舞や香澄達と同じ国か」
「ナコルルもいるのだ」
「舞?香澄?」
 大門はいぶかしむ声で趙雲のその言葉に応えた。
「というとまさか不知火舞と藤堂香澄か」
「知っているか」
「うむ、何度か拳も交えている」
 こうも話す。
「それで知っているのだが」
「そうか。なら話は早いな」
「それならそうと早く言うのだ」
「熊と間違えて襲い掛かって来たのは御主ではないか」
 大門はこう張飛に抗議する。
「それで今まで闘っていたではないか」
「強くてそれで闘っているうちに楽しくなったのだ」
「それでか」
 趙雲はここまで話を聞いたうえで納得した。
「今まで連絡がなかったのは」
「翠が連絡に行っている筈なのだ」
「翠も知らないぞ」
 だが趙雲は馬超についても話した。
「何処に行ったのだ?」
「何っ、翠は何処に行ったのだ?」
「私が知りたい」
「そうなのだ」
「何処にいるのか。それが問題だが」
「ううん、それでは早速探すのだ」
「ふむ、困っているのだな」
 大門は二人の話からこのことを察した。そのうえでだった。
「それならだ」
「大門殿だったな」
「うむ」
「どうしたのだ?それで」
「人を探すのならわしも協力しよう」
 こう名乗り出て来たのだ。
「それでいいか」
「貴殿も協力してくれるというのか」
「ここで知り合ったのも何かの縁」
 彼は言った。
「だからだ。そちらさえよければだ」
「けれど鈴々は大門を熊と間違えてしまったのだ」
 張飛はこのことを申し訳ない顔で話す。
「それでもいいのだ?」
「拳を交えればその相手がわかる」
 大門もまたこのことを言う。
「それではだ」
「いいのだ?それで」
「喜んで協力させてもらおう」
 大門はまた話した。
「今からな」
「よし、それでは早速探すとしよう」
「そうするのだ」
 こう話したその時だった。そこにだ。
 三人のところに二人の男が来た。それは。
 一人は黒髪を中央で分けバンダナをしている。黒い詰襟の丈の短い服とズボンだ。もう一人は金髪を立たせた男ですらりとした長身に黒いシャツ、それに白いズボンという格好である。その二人が来たのである。
 
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