| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

226部分:第二十話 公孫賛、気付かれないのことその二


第二十話 公孫賛、気付かれないのことその二

「何一つ変わってないわ」
「そうかなあ。私も変わったけれど」
「変わっていない。だがそれでいい」
 しかし公孫賛はここでこうも言ってみせた。
「御前は御前でな」
「そういえば白々ちゃんも変わってないね」
「白蓮だ」
 このやり取りを繰り返す。
「だから子供の頃から何度間違えているんだ」
「ええと、確か」
「ああ、それは数えなくていいからな」
 劉備が実際に目を上にやって考えそうになったところで注意した。
「もうな」
「うん、じゃあ」
「それでどうしてここに来たんだ?」
 公孫賛はあらためてこのことを問うた。
「烏丸の討伐に参加するのか?」
「そのつもりだけれど」
「そうか、それは何よりだ」
 公孫賛は劉備のこの言葉を聞いて笑顔になった。
「それならだ。丁度人手がなくて困っていた」
「困ってたの」
「桃家荘に基地を置きたかったがそこに人がいなくてな」
「そこに入って欲しいのね」
「前線基地にもなるし補給基地にもなる」
 公孫賛は話す。
「そこに入ってもらえるか」
「うん、いいよ」
 劉備はにこりと笑って答えた。
「丁度宿もこれから探すところだったし」
「宿どころかそこにずっといて欲しい位だ」
「ずっとなのね」
「とにかく今幽州は人がいない」 
 公孫賛はこのことを困った顔で話す。
「だからな。御前さえよかったらずっといてもらいたい位だ」
「幽州ってそんなに困ってるの?」
「牧がいませんからね」
 孔明が馬岱の囁きに答える。孔明もまさか目の前にいる劉備と親しげに話す少女がその幽州の牧だとは夢にも思っていない。
「困ったことに」
「じゃああの人は何なのかな」
 馬岱はこっそりとその公孫賛を指差しながらまた囁く。
「劉備さんとお知り合いみたいだけれど」
「多分幽州の豪族だと思います」
 孔明はそう見たのだった。
「おそらくは」
「じゃあ今回は徴用されてなのかな」
「多分そうだと思います」
 また答える孔明だった。
「あまり目立たないですし」
「その通りなのだ」
 張飛も公孫賛をいぶかしむ目で見ながら話す。
「何処かで見た気がするのだ。けれど」
「そうだな。わからないな」
 趙雲もここで言う。
「誰だったかな」
「おい、御主はわざとだろう」
 関羽がその趙雲に対して言う。
「かつて仕えていたではないか」
「じゃああれが・・・・・・ええと」
 馬超も名前を出せないでいた。
「誰だったかな」
「確か顔良さん?」
 黄忠も思いきり間違える。
「袁紹さんの部下の」
「顔良はまた違う奴なのだ」
 張飛は彼女のことは覚えていた。
「けれどあいつは間違いなく何処かで見たのだ」
「おお、関羽達もいたか」
 その公孫賛は今度は笑顔で関羽達を見て言ってきた。
「久し振りだな。公孫賛だぞ」
「ああ、そうでした」
 ナコルルがここではっとした顔になった。
「公孫賛さんでした」
「ああ、あれがその」
「影の薄い人ね」
 キングと舞はかなり失礼なことを言う。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧