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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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208部分:第十八話 劉備、関羽達と会うのことその四


第十八話 劉備、関羽達と会うのことその四

「どうやら偵察で来たみたいだけれど」
「それで今我々を」
「倒すつもりね。ならここは」
「応じるしかありません」
 太史慈は槍を両手に持ちすぐに言った。
「ここは」
「そうよ。各自弓か槍を持て」
 諸葛勤が命じる。
「そして建物を頼りに守れ。いいな!」
「はい、了解です!」
「それなら!」
「朱里が建業に来ていたらしいけれど」
「妹さんがですか」
「ええ、この場を乗り切ったら一度会いたいわね」
 笑みを浮かべての言葉だった。
「是非ね」
「そういえばいつも話しておられますね」
「できれば揚州に来て欲しいのだけれど」
 こう太史慈に話すのだった。
「妹さんのことを」
「天下にその名を轟かせる軍師になれるわ」
 その妹のことをこうまで評するのだった。
「多分ね」
「そこまでの方なのですか」
「まだ小さいけれど絶対そうなるわ」
 妹をかなり褒めていた。そのことを隠そうともしない。
「朱里はね」
「では。その妹殿に再び御会いできるように」
「そうね、その為にも今は」
「戦いましょう」
 太史慈は微笑みを浮かべていた。
「そして生き抜きましょう」
「そうね、何があっても」
 こう話しながら戦う。その時にだ。
「骸羅さん!」
「わかってるぜ!」
 少年の声と男の声がした。
「あの人達は」
「ああ、そうだな」
「はい、その通りです!」
「我等の仲間です!」
 道にだ。揚州の鎧を着た兵達が出て来た。
 その後ろにだ。髪を短く刈り白い膝までのズボンと上着の上に赤い服を着て傘を持った小柄で中性的な少年と彼とは対象的に非常に大柄で巨大な数珠と青と白の法衣を着た男が出て来たのであった。
「あれが諸葛勤様と太史慈様です」
「どうかお助け下さい」
「はい、わかりました」
「それならな」
 二人は兵達の言葉に頷いてだ。そうしてだった。 
 その傘と数珠を手にしてだ。山越の兵達の中に踊り込んだ。
 少年はその傘を広げて縦横に乱れ舞い男は数珠を振り回す。それにより山越の兵達を忽ちのうちに全て退散させてしまった。
 戦いは彼等の加入により諸葛勤達にとってことなきを得たものになった。闘いが終わって諸葛勤はすぐにその二人に声をかけた。
「そなた達は一体」
「緋雨閑丸です」
「花諷院骸羅だ」
「むっ、その名前は」
「そうですね」
 二人の名前を聞いてだ。諸葛勤だけでなく太史慈も気付いた。
「あかり達と同じか」
「そうですね。別の世から来た者達ですか」
「ひょっとして御存知なんですか?」
「俺達気付いたらこの世界に来てるんだがな」
 二人の返答は諸葛勤の予想通りであった。
「ここはそれで」
「どういう世界なんだ?」
「漢だが」
 諸葛勤はわかっていた。それで落ち着いた顔で二人に話す。
 
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