| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

絶対死守!!

 
前書き
久々に一週間開けないで投稿できました。
FAIRYTAILの本編がそろそろ終わってしまうので、熱が冷めてしまう前に進めていきたいですね。 

 
あの作戦会議から一ヶ月。ついにその日はやって来た。

「王様!!ここは私たちに任せてください!!」
「絶対お守りしますから!!」

俺、ウェンディ、シェリアの三人がいるのは暗殺の対象となっている国王と、その娘であるヒスイ姫がいる一室。ここにはアルカディオスさんもいるけど、治癒魔法ができる俺たちをここに配置し、護衛と万が一の場合の治療のための準備をしている。

「ありがとう、君たちがいてくれるなら安心だ」

大魔闘演武をずっと見ていた国王は、俺たちの実力も知っているから、安心してこの場にいられる様子。

『シリルちゃん、準備はいいかい?』

頭の中に響いてくる聞き慣れた声。それを聞いた俺は額に指を当て、返答する。

「大丈夫です!!中継お願いします」
『うん、任せて』

今回の作戦の第一段階は俺がどこから、誰が攻めてくるのかをみんなに伝えること。それを聞いた彼らはその場所目指して移動を行い、担当の敵を撃破する。

「レオンも起きてくれればよかったんだけどね」

心細げにそう呟いた天空の神。今、この作戦に参加していないのはレオンただ一人となっている。他の負傷者たちもなんとか回復することができ、王国兵と一緒に雑兵たちの一蹴を担うこととなった。

「まぁ・・・仕方ないんじゃないかな」

本当はレオンは目覚めたんだけど、ある事情から起き上がることができない。そのため、まだ眠りについていることにして作戦から外しているんだけど、彼がいないのはやっぱり惜しい。

「シリル、余所見しないの」
「ごめんごめん」

ちょっと視線を外してしまったところでウェンディから注意が入る。相手の特徴は事前に聞いているので、おおよそどれが誰なのかは把握できている。ただ、見落としてしまっては意味がないので、集中しておかないと。

「・・・いた!!」

それからしばらくすると、複数の人々が城に向かって来ているのが目に入る。その時間は、敵が攻めてくると予想される時間とおおよそ合致していた。

「四方に散ってこちらに向かってきているようです!!」
『了解!!みんなに映像を送るから、シリルちゃんはそのまま観察してて!!』
「了解です!!」

指示された通り、敵の顔が把握できるように、より意識を集中させて動きを見る。その映像はヒビキさんから念話で皆さんに送られているようで、外からは慌ただしい足音が響いてくる。

「ちゃんと全員いるの?」
「マークする人たちは全員いるみたいだよ」

幹部級と位置付けている八人は、それぞれ別れてこちらに向かっているのが確認できる。他の部下たちが全員いるかはわからないけど、そいつらは楽に倒せるだろうから、気にする必要はない。

『ありがとうシリルちゃん。全員対象者の元に向かったから、あとは護衛に集中して大丈夫だよ』
「わかりました」

全員の移動が終わったと連絡が入ったので、壁際から国王を守れるようにと、彼のそばに移動する。

「そういえばアルカディオスさんは?」
「部屋の前で餓狼騎士団の皆さんと一緒に門番してるよ」

国王やヒスイ姫のすぐ脇にいつも付いて、護衛をしているアルカディオスさんは、今回は俺たちが付いているとあって、部屋の扉の前で最後の砦をしているらしい。餓狼騎士団の皆さんもなんとか復帰できたみたいだし、こちらの守りは万全だな。

「できることなら、ここに誰も来ないのが理想なんだけどなぁ」

万が一、皆さんが突破された時のために対策は取った。あとは信じて待っていることだけだな。

















第三者side

その頃、動き出した魔導士たちは、予想通り流れ込んでくる賊を待ち構えていた。

「数が多いな」
「そうだけど・・・こっちも同じくらいいるよ?」

一度アジトに乗り込んだシリルたちから聞いていた通り、敵の多さに眉間にシワを寄せていたカグラだが、ミリアーナのもっともな言葉に納得している。それに、これらを全て相手にするわけではない。

「あれか?私の相手は」

雪崩れ込んでくる軍団の先頭に立ち、勢いよく攻め込んでくる色黒の男を見て、目付きを鋭くさせる。その男と並んで指示を出しているショートヘアの女性を見ると、彼女の隣に立つ猫耳の女性が動き出した。

「ネ拘束チューブ!!」
「!!」

標的目掛けて放たれるオレンジのチューブ。それに気付いたエミは、その場から飛び去りミリアーナを見据える。

「なんだこいつ!?」
「エミ様と戦うつもりか!?」

幹部が攻撃を受けたとあって立ち止まる軍隊たち。しかし、それを好機と捉えた王国兵たちは、次々に敵に突っ込み押し返そうとする。

「あいつらは私たちに任せてください!!」
「カグラさんたちは予定通りに!!」
「あぁ、任せろ」

この場所で王国兵たちと共に戦うことになっているのは、サクラ、ラウル、シャルル、セシリーの四人。彼女たちに敵を任せ、カグラは色黒の男に剣先を向ける。

「剣士か・・・さすがに向こうも考えてきているようだ」

カグラを見たと同時に、すぐさま敵の考えを見透かしたユウキ。だが、彼の表情が曇ることはない。

「だが、それはすでに想定済みだ」

ニヤリと笑みを浮かべるユウキと、鋭い眼差しで剣を構えるカグラ。二人の強者が、ぶつかり合う。



















「この間、見た顔だな」

一方、そことは別の場所で向かい合っていたのは、エーメとローグ。そこから少し離れたところに、スティングとネイモン。激しく交戦している王国兵たちとミネルバ、ユキノを背に、二人の竜は自らの標的を見据えていた。

「あの金髪はどうしたんだ?」

イヤらしい笑みを浮かべ、怨敵と位置付けしている少年の安否を確認するエーメに対し、目の前の影竜は無表情を貫いている。

「あいつなら、他の奴等を殲滅してるぞ」
「ウソだな」

真顔でウソを付いたローグだが、まるでそう答えるのがわかっていたように返すエーメを見て、カマをかけたのだと理解した。

「まだ寝てるんだろ?あのチビッ子は」

以前辱しめを受けたこともあり、その相手を自らが沈めたことで優越感に浸っている女剣士を見て、ローグは舌打ちをする。

「安心しろ、貴様程度、俺がすぐに倒してやる」
「それは楽しみだ」

両者挑発と同時に、臨戦態勢へと移る。しばしの静寂が、二人の間に流れた。
















カッカッカッ

城の後ろから回り込んでくる暗殺部隊。その先頭には、この組織のリーダーとリーゼントヘアの男が立っていた。

「四方からの攻撃、さすがの策略だね、ホッパーさん」
「そうでもないよ」

城の正面、さらには左右から続々と攻め入ってる仲間たちを見て、クレサンはそう言う。だが、その隣にいるホッパーは、険しい表情のままだ。

「どうやら、読まれていたようだな、今回の布陣」
「何?」

意味深な言葉を放つリーダーに視線を向けて、眉間にシワを寄せるクレサン。すると、彼らの前に多数の王国兵たちが現れる。

「ほほぉ、こっちにも出てくるのか」
「予想はしていたが、対応が早いな」

正面から攻めてくる軍隊が足止めされるのは予想していたが、こちらにまで王国兵が現れるのは予想できていなかった。そのため、裏をかいて国王の首を取る作戦は、現時点で使えなくなる。

「アイスメイク・・・白虎(スノータイガー)!!」

呑気に状況確認をしている二人に向けて、氷の虎を造形し突進させる青年。二人はそれを難なく回避するが、避けきれなかった下っぱたちはなす統べなく吹き飛ばされる。

「氷の造形魔導士か。これは・・・」

オレンジ髪のリーゼントの青年が、リオンを見据え両手を合わせる。

「俺の方が有利かな?」

その言葉の直後に現れる炎のライオン。氷の魔導士はそれを体をずらして回避する。

「相性で勝負が決まることはない。強い意志を持つものが勝つ、それだけだ」
「気持ちで勝てるなら、苦労はしないけどな」

お互いに同じ種類の魔法を使うもの同士。それゆえに、目の前の敵を全力で倒すべく、魔法の姿勢へと入る。

「君の相手は僕だよ」
青い天馬(ブルーペガサス)のヒビキか・・・」

二人の造形魔導士がぶつかり合おうとしているすぐそばで、仲間たちをやられた青年と暗殺組織のリーダーが向かい合っていた。

「仲間たちをやられたリベンジかい?」
「もちろん、そのつもりさ」

彼らの後ろでは敵の兵隊たちを倒す一夜たちの姿もあるが、ヒビキは彼らが大きな傷を受けた分、倍にして返してやろうと意気込んでいる。

「楽しみだ。あなたが私にどう挑むのか」
「僕も楽しみだよ。先生たちを倒したあなたが、どんな戦いをするのか」



















そして、四方からの攻撃を繰り出す暗殺組織の最後のグループ。そこは他のグループとは異なり、指揮官たちは後方に立っていた。

「ほら!!とっとと攻めて!!」
「気が立ってるね、イザベリー」

近くにいる仲間たちの頭を叩きながら渇を入れているイザベリーと、それを離れたところから見ているルナ。彼女は仲間が先日から気が立っているので、できるだけ距離を取って自らの身の安全を確保している。

「あの金髪・・・絶対殺してやる!!」

目が殺気だっているイザベリーは、以前自分とグラシアンの行動を邪魔したスティングを倒したいらしく、荒々しく指示を出していた。

「セイバーのマスター・・・だっけ?それだけでイザベリーにはムカつく相手なんだよね」
「うん!!そうだよ!!」

剣咬の虎(セイバートゥース)の面々を目の敵にしているイザベリーは、当然のごとく今回のことでスティングを殺すという感情が高まっている。

ドゴォン

「「ん??」」

二人が指示からわずかに離れたその時、前方の軍隊が宙に打ち上げられたのが見える。一体何事かとそちらを見ると、自分たちの目の前に一人の男が現れる。

「白竜の・・・」

口に魔力を溜め込み二人に接近する金髪の男。それに彼女たちは気が付いたが、それよりも早くブレスが放たれる。

「咆哮!!」
「「キャアアアア!!」」

目と鼻の先で放たれた白竜の攻撃。それにより後方に押されたイザベリーとルナだったが、なんとか踏み止まる。

「イザベリー!!来たよ!!」

ターゲットにしていた男がノコノコと姿を見せたため、その人物を隣の女性に任せようとしたルナだったが、イザベリーはなかなか動き出さない。

「どうしたの?」
「グラン!!」
「え?」

怨敵のはずなのに、目を輝かせ嬉しそうな表情をしている仲間に目をキョトンとさせているルナ。すると、徐々に金髪の少年が紫髪の少年に変化する。

「やっぱりお前の目は誤魔化せないか」
「え?・・・え!?」

一瞬どういうことかわからず固まっていたサイドテールの女性だったが、隣の女性のかつての仲間が、他者に変身する魔法を使う魔導士だったことを思い出す。

「なるほど!!私の相手はあなたがするってことかな?」

自分の使う魔法のことは、敵にも知られているはず。なので、グラシアンが自分の相手をするのだとルナは思っていると・・・

「悪いけど、俺の相手はこいつだ」
「!!」

グラシアンは彼女に目を向けることもせず、イザベリーの胴体を掴みその場から走り出してしまう。

「え?あれ?」

その場に取り残されたルナは予想外のことに呆然としていると、戦闘を始めている暗殺部隊と、王国兵の間から、一人の少女が現れる。

「あなたは人魚の踵(マーメイドヒール)の・・・」
「ソフィアで~す」

銀色の長い髪をなびかせながら、自身の目の前にやって来た少女をルナは不思議そうな目で見ている。

(なんでこの子が私の相手を?)

自分の使う魔法のことは敵も知っているはずなのに、やって来たのはそのような対策ができそうな感じに見えない少女。なので、彼女の頭の中は疑問でいっぱいだった。

(実はこの子の姿に誰かが変装している?でも、イザベリーの友達は向こうに行っちゃったから、そんなことできそうな人いないし・・・)

絶対何か裏があると考えていると、目の前の少女は指で菱形を作り、自分を覗き込んできていることに気がつく。

「へ~んしん」

ポンッ

気が付いたと同時に白い煙に包まれるルナ。そんな彼女が次に姿を現した時には、妙にスカート丈の短い巫女の姿になっていた。

「・・・え?何?」

何が何なのかわからずいると、目の前の銀髪の少女が非常に嬉しそうな顔をしていることから、彼女の仕業なのだとすぐに気が付く。

「いいですね!!すごく可愛いです!!」
「そう?ならよかった」

興奮気味の少女とは違い、至って冷静な表情の女性は、頭の中で冷静に状況を考えていた。

(確かこの子の魔法に衣服を変える魔法があったはず・・・イザベリーの友達が向こうに行ったなら、それを真似できる魔導士はいないはずだよね?)

つまり、目の前の敵は変装などをしていない、そのままの姿なのだとわかる。

「お楽しみのところ悪いけど、あなたの敗けだよ、ソフィアちゃん」

そう言ってルナは白い煙に包まれると、銀髪の長い髪をした、ソフィアの姿へと変化する。

「私の魔法、聞いてなかったのかな?変身した相手を自在に操れる魔法なんだけど」
「知ってるよ!!」

もう勝利を手中に納めているルナは余裕の表情を見せているが、なぜか危機的状況であるはずのソフィアも、一切の焦りを見せない。

「でも、あなたにソフィアは操れない。この勝負、ソフィアの勝ちだよ!!」
「・・・はぁ?」

それどころか、逆に勝利宣言をしてくる人魚に目を点にせずにはいられない。ソフィアの自信はどこから、そして、それを叶える秘策は何なのか、謎は深まるばかりであった。



 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
ついにバトルモードに突入です・・・それはいいのですが・・・
戦闘が・・・今回短いかもしれません!!
いや、元々バトルシーンは得意じゃなかったけども・・・今回はほとんど一話で敵が倒されていくビジョンしか見えません!!
なので、物足りないかもしれませんので先に謝罪しておきます、ごめんなさいm(__)m 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧