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夢幻水滸伝

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第八話 東へその三

「そうするで」
「すぐやな」
「ああ、すぐに近江と美濃の境まで行ってな」
 そしてというのだ。
「敵を迎え撃って破って」
「そしてやな」
「美濃の岐阜城も尾張の名古屋城も攻め落としてや」
「その二国を攻め取るんやな」
「そうするわ」
 実際にというのだ。
「計画としてはな」
「それで計画通りにいくようにするんやな」
「そや、ほな一気に行くで」
「神星三人で攻めるんか」
 中里は真剣な顔になりだ、ここで言った。
「えらい戦になるな」
「相手は今現在一番強い敵やしな」
「僕等三人で戦ってやな」
「一気に破って相手の勢力弱めてな」
「それでやな」
「山陽と四国も凌いでな」
 そちらの攻勢を退けてというのだ。
「そのうえで一番弱まった勢力を飲み込むで」
「東海か山陽か四国か」
「何処かをな」
「今は守って勢力を拡大せえへんか」
「それは次の段階や」
「守って東海の連中を叩いて西を防いで」
「そこからや、わかったな」
 芥川は中里に念を押す様にして言った。
「今は迂闊には併呑していかへんで」
「わかったわ」
 中里も頷いて答えた。
「そういうことやな」
「こういう時は軽挙妄動は禁物や」
「勝手に戦って領土を拡げたりするな」
「そこから隙が出来てえらいことになるからな」
「後々やな」
「そうなるからな」
「そやな、下手に領土を拡げても敵が増えたり守る場所が増えて兵が分散されてな」
 そうしてとだ、中里は起きている世界でのシュミレーションゲームの知識から考えて芥川に対して答えた。
「やられるな」
「そうなるやろ」
「そやから勝手なことは禁物やな」
「その時はええけど後でえらいことになったりするからな」
「攻めるのは慎重に」
「そや、確実に最小限の損害で勝てて攻め取った後も守られる」
 芥川はここまで話した。
「そうした状況やないと攻めへんで」
「そういうことやな」
「ああ、ほなな」
「これからやな」
「三人でまず安土城に行くで」
「術使おうか」
「そやな、すぐに行った方がええし」
 中里は術での移動に賛成した。
「それ使ってな」
「今から行くで」
「わかったわ」
「うちもそれでええわ」
 綾乃も賛成した、こうして三人は太宰を都そして国全体の留守役に任じてだ。すぐに三人で安土城に移動した。地図を見てそこに行こうと念じてだ。
 三人は安土の町に囲まれた安土城の前に来た、城はあの織田信長が建てさせたという言い伝えられているものと同じだった。 
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