夢幻水滸伝
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第八話 東へその一
第八話 東へ
寝るとだ、中里はもう一つの現実の世界に戻った。都の入口に戻ったところだったがもうそこに芥川が待っていた。
「よお、来たな」
「ああ、今な」
「ほなまずはな」
「綾乃ちゃんにも出陣お願いするって言うてやな」
「都の守りは太宰に任せてな」
宰相である彼にというのだ。
「そうしてな」
「神星三人でか」
「東海の連中を叩くで、兵の数は二万や」
「相手の数はどれだけや」
「こっちには三万、伊勢には一万や。守りに一万置いてるってことや」
「合わせて五万か」
「そのうちの三万、星の奴は全部こっちに向けてきた」
近江の方にというのだ。
「そうしてきたわ」
「連中も本気やな」
「近江を取ったら都まで目と鼻の先やからな」
それだけにというのだ。
「本気で来たわ」
「伊勢は陽動か」
「それと一緒に豊かな伊勢を取りに来たんや」
その面もあるというのだ。
「中々向こうも考えてるやろ」
「主力はこっちに向けて陽動まで出してか」
「ああ、土地も狙うってな」
「東海の連中もアホやないか」
「むしろ結構賢いで」
頭が悪いどころかというのだ。
「向こうの星の連中もな」
「そやねんな」
「棟梁もな」
東海の星達の一番上の者もというのだ。
「中々賢いで」
「実際にやな」
「ああ、そやからな」
だからだというのだ。
「油断出来んで」
「戦うにしてもやな」
「それだけに神星三人でやるんや、ほなな」
「ああ、綾乃ちゃんのとこ行くか」
「そうするで」
こう話してだ、二人は都に入って御所に赴いて綾乃に話した。綾乃のすぐ傍には太宰が畏まって控えている。
綾乃は芥川の話を聞いてだ、すぐにこう言った。
「わかったわ、ほなな」
「今からやな」
「近江行かせてもらうわ」
芥川に快諾で答えた。
「これからな」
「ああ、綾乃ちゃんと三人でな」
「そうするか、しかし今の第一の敵は東海か」
「そや」
実際にとだ、芥川は中里に答えた。
「勢力もでかいし近江狙ってるしな」
「近江はまさに都の先やな」
「近江取られたらかなりまずい」
芥川達にとってはだ。
「これは北陸もやけどな」
「勢力の大きさから東海やな」
「そうなる、あそこをまずや」
「何とかするか」
「そうするで、あと実は星の連中で傭兵やってる連中がおってな」
芥川はこのことは中里だけでなく綾乃と太宰にも話した。
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