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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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188部分:第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十二


第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十二

「鰐の肉もあるがのう」
「じゃあ鰐の唐揚げとか?」
 舞は首を少し捻ってから述べた。
「それにする?」
「鰐の唐揚げですか」
「知り合いが好きなのよ」
 周泰にも話す。
「それでどうかしら」
「そうじゃな。悪くないのう」
 黄蓋も舞のその話に頷く。
「それではじゃ。皆で鰐の唐揚げを食べるとするか」
「はい、わかりました」
 黄蓋のその言葉に笑顔で頷いた。趙雲や馬超は孫尚香と璃々が遊ぶのを見ながらだ。そのうえで宮殿の庭で稽古をしていた。
 そこに黄忠もいる。彼女はお茶を飲みながら張昭達と話をしていた。
「はい、そうですよね」
「そうよね、やっぱりね」
「胸が大きいと肩が凝って」
「それが困りますね」
 そんな話をしているのだった。
「男の人の視線がそこにいったり」
「どうしてもそうなるから」
「それが問題なのよね」
「はい、本当に」
 胸の話であった。完全にだ。
「そういえば揚州の方は胸が大きいですね」
「まあそうでない娘もいるわ」
「呂蒙もそうだし諸葛勤もそうだし」
「諸葛勤というと朱里ちゃんの」
「ええ、びっくりしたわ」
「まさか。あの娘の妹さんが来るなんて」
 これは二人にとっても驚くべきことだったのだ。
「まさかと思ったし」
「本当にね」
「そうですか。あの娘のお姉さんがここに」
 黄忠は娘が孫尚香と無邪気に遊んでいるのを見ながらまた述べた。
「これも縁ですね」
「そうよね。これがね」
「縁だと思うわ」
「それにこの世界にも別の世界から人が来ているし」
「実は三人だけじゃないのよ」
「これがね」
「そうなのですか」
 今度はこうした話にもなった。別の世界から来ている来訪者達に関することだった。
「ナコルルちゃんみたいな人がここにもまだ」
「ええ、ほら」
「来たわよ」
 言ったすぐ側からだった。三人来た。それはであった。14
 中央にはダークブルーの髪を後ろで束ねた小柄な少女がいた。黒い大きな目の幼さの残る顔をしていて白い半ズボンの巫女の服を着ている。
 右手には黒髪を短く刈った大男でいかつい顔に緑のズボンと赤い袖のない、胸が露わになって上着を着ている。手には金棒がある。
 三人目は桜色の着流しの男手髪を後ろに撫で付けている。もみ上げが印象的な飄々とした顔立ちで右手には木刀がある。
 その三人が来てだ。一行に明るい顔で挨拶をしてきた。
「はじめましてやな」
「おう、宜しくな」
「頼むぜ」
 三人は明るく言ってだ。その上で名乗ってもきた。
「一条あかりや」
「神崎十三じゃ」
「天野漂っていうんだよ」
「この三人も別の世界から来たのよ」
「幕末という時代らしいわ」
「へえ、そうなのか」
「幕末か」
 馬超と趙雲は稽古を止めて二人の長老の話を聞くのだった。
「そこから来たっていうのか」
「ナコルルと似た様な時代か」
「その様ね」
 黄忠もそれを聞いて述べた。
「どうやら」
「ああ、何かナコルルって人のことは聞いたことあるで」
 あかりが黄忠の言葉を聞いて述べた。その中庭になっている場所にまたしても運命の中にある者達が集っているのを感じながら。
 
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