夢幻水滸伝
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第七話 夜襲の後でその十四
「そうした趣味はないわ」
「そうやねんな」
「そや、やらないでとかないからな」
「それはおもろないな」
「おもろいっていう問題か?とにかくや」
あらためてだ、中里は弥生に話した。
「僕等が天下統一出来るか」
「アホなことしてたら出来んで」
「そやねんな」
「ほなこれからも頑張ってこな」
「そうしよな」
二人でこうした話をした、そのうえでだ。
中里は兵達を弥生に預けてだ、自身は転移の術で都に戻った。そのうえで弥生達と話をしようと思ったが。
ここで起きた、そしてだった。
周りを見回して自分の部屋であることを確かめてまずは驚いた、しかしまずは朝食を食べて学校に行った。そこで芥川に聞いた。
「おい、こっちの世界に戻ってるやないか」
「ああ、そやで」
芥川は中里にあっさりとした口調で答えた。
「あっちはあっちで現実の世界や」
「そうなんか」
「それでこっちもまた現実の世界や」
「二つの現実か」
「現実は二つある言ってもええな」
芥川はこうも言った。
「そうした世界が」
「別々の世界でもやな」
「僕等は今現在二つの世界で生きてるんや」
そうなるというのだ。
「こっちの世界とあっちの世界でな」
「二つの現実の世界でか」
「そう考えてくれ、それでな」
「僕達は寝たらやな」
「あっちの世界に行くで」
「わかったわ」
中里は芥川のその言葉に頷いた。
「ほな寝たらな」
「また宜しくな」
「あっちの世界でもな」
「ああ、それで山陰やけど」
中里は芥川にあらためて話した。
「もう出雲まで行ったで」
「知ってるで」
「一旦都まで戻ったけどな」
「そっちにすぐに戻りたいけどな」
芥川は中里に苦い顔で返した。
「ちょっと難しいわ」
「東海から来たか」
「ああ、あと山陽と瀬戸内でもや」
「西の方でもか」
「戦になってるわ」
こちら側でもというのだ。
「それで今迎え撃つ用意してるけどな」
「どうするかやな」
「自分ちょっとどっかに行ってもらうわ」
芥川は中里のその目を見て彼に告げた。
「東海か山陽か瀬戸内か」
「何処かにか」
「一番やばいとこにな」
そちらにというのだ。
「行ってもらう、山陽には夏目が播磨におって砲兵を中原に率いて向かってもらう」
「それで守るか」
「ああ、瀬戸内は吉川に行ってもらった」
水軍を率いる彼にというのだ。
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