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マイ「艦これ」「みほ2ん」

作者:白飛騨
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第17話<自由と憎しみ>

 
前書き
軍用車を降り、寛代と逃げる司令。しかし敵の追っ手が待ち伏せしていていた。 

 
「ワタシハ、コノ国ヲニクム」

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マイ「艦これ」「みほ2ん」
:第17話<自由と憎しみ>(改2)
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 軍用車はアーケードの出口で一時停止して体勢を立て直す。夕立は機銃を構えながら日向と打ち合わせをしている。

やがて二人でタイミングを合わせながら軍用車を急発進させた。アーケードを出ると直ぐに敵機が追撃する。

彼女たちの後姿を見送りながら私は呟いた。
(おとり)か……嫌な響きだ」

つい、あの美保湾の戦いでの陸攻の「特攻」を思い出すんだ。
それと……なぜかアノ山城さんの姿も。

 日向たちは敵と交戦しながら遠ざかっていく。幸い敵は、まだ私が乗っていると思っているようだ。

私は何気なく寛代を見た。
「逃げるなら今のうちだな」

彼女は付近を索敵しながら小さく頷いた。

 私が指揮官である以上、いちばん最後まで生き延びる責務がある。
それが部隊や艦娘、ひいては国家のためになるのだ。

「行くぞ」
私たちはアーケードは振り返らず反対側の路地を高尾山の方向へと逃げ出す。

 しかし、この狭い境港だ。果たして何処へ逃げたら良いのか?
旧市街といっても本当に小さなエリアだ。

 しかも、この路地の先は岸壁しかない。そこから先はどうする?
艦娘に迎えに来てもらうのか?

 すると寛代が立ち止まった。何事かと思って前を見た私は驚いた。
「お前……」

 路地の先には深海棲艦(大井・仮)が居たのだ!

彼女は何も言わず路地の出口付近に立っていた。相変わらず偉そうに腕を組んでいる。

 だが今は特に、こちらを攻撃する意思はなさそうだ……なるほど、この場で直ぐに私を殺す気はないようだな。

私と寛代は距離を保ちながら様子を伺う。

そうだ、一度、聞いてみたいことがあった。
「なぜ、お前は私を狙う?」

 聞いた直後に私は自分で内心、苦笑した。我々は戦争しているのだ。
改めて聞くまでも無いこと……連中に対峙できる唯一の軍隊指揮官としては愚問だったか?

「……」
 無視されるかと思ったが意外にも反応があった。彼女は、ゆっくりとこちらに視線を向けた。至近距離で見る彼女の瞳は澄んでいた。

 コイツは本当に我々の敵なのか? ……この深海棲艦と相対すると、いつも不思議な感覚に捉われる。

 敵対すべき相手なのに、どこかに信頼に近い存在感があるのだ。
「不思議だな……」

今まで出合った中でも最も特殊な個体だろう。

 だが彼女は、ゆっくりとこう言った。
「オ前ガ『公人』デアレバコソ、ワタシハ、オマエヲ、ソシテ、コノ国ヲニクム」

それは私の淡い期待を見事に裏切ってくれるものだった。

「憎む……のか?」
思わず復唱した。

 敵はグロテスクで原始的な風貌をしている者が多いから正直もっと単純な動機かと思っていたのだが……意外と難しい意義付けで対峙してくるんだな。

 しかし何だろうか? 最初に出会って会話を交わした際にはとても聞き辛かった彼女の語り口も少しずつ滑らかになっている。敵も学習をして日本語が上達するのだろう。

 深海棲艦とは想像以上に知的だ。もし今後、武力だけでなく作戦面でも押され始めたら我々はどうなるだろうか?

 そう考えた私は僅かな焦りを感じつつ反論した。
「お前は自分たちの群れのため……お前たち全体の目的を実現するために戦っているのではないのか?」

「ワタシタチハ、違ウ」
彼女は急に目を大きく開いて笑ったようだ。感情と表情もあるようだ。

 やはり笑っている。
だが私はその笑顔を見て妙な感覚に捉われた。彼女の顔……どこかで見覚えが有るのだ。

そんな私の想いは露知らず彼女は得意気に続ける。
「私たちには国モ義務モ、ナニモナイ。考エル必要モナイ」

 そこまで聞いた私はハッとした。このままではコイツの主張に呑まれてしまうぞ!

私は寛代をチラッと見てから反論した。
「お前たちは……自分勝手に戦っているというのか? その割には組織だった行動が出来ているな」

白い頬を、やや紅潮させながら彼女は続けた。
「フ……ワタシタチニハ組織も階級モナイ。命令スルコトモナイ……ミンナ平等ダ。強制サレルコトモナイ」

 私が感心するのは、そんな集団なのに、よくあれだけ統制のとれた攻撃が出来るな、という点だ。

だが私は腕を組んだ。
「何となく……釈然としないな」

私の反応に彼女も、こちらを見詰める。それは不思議な対話だ。

 確かに、こいつの頭はよく切れるようだ。しかし主張する理論は破綻している気がする。
 
 そう……彼女の主張は一見、自由と平等を謳っているようでありながら、その実、自分勝手で自己中心的じゃないのか?

うまく説明できないが、やはりこいつらとは相容れない気がする。

 しかし……出来ることならせめて戦いを避ける道はないものか?

「深海棲艦……」
私は苦し紛れに呟いた。

 何とか彼女を説得出来ないものか? うーん、でも理屈とか議論は苦手だ。

すると彼女(深海棲艦)は、少し険しい表情になった。
「ワタシノ中ニアル想イハ……オ前ノ存在ヲ、タダ消シ去ルコトダケダ」

「なに?」
 要するに最初に日向が予測した通り。こいつらの目的は私の生命を狙うことなのだ。

 鳥肌が立った。
 
 

 
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。
 
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