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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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157部分:第十四話 袁紹、お宝を探すのことその六


第十四話 袁紹、お宝を探すのことその六

「それはもう化け物だろ」
「そうなのだ。そこまであったら流石に勝つのは難しいのだ」
「難しいというよりは逃げた方がいいな」
 趙雲はこう言った。
「流石にそれだけの相手だとな」
「そうですね。流石にそこまでの相手は」
 香澄もそれを言う。
「けれどナコルルがいたらそれも」
「話をできる獣とできない獣がいます」
 だがナコルルはこう言うのだった。
「ですから」
「そうなの。ナコルルでも話ができない獣がいるのね」
「人間と同じか」
 キングはこう考えるのだった。
「それだとな」
「そうですね。人間と同じですね」
 ナコルルはキングの今の言葉に頷いた。
「言われてみたら」
「人間も動物も一緒なのね」
 舞もナコルルのその言葉を聞いて述べる。
「つまりは」
「そういうことか。どんな奴でも心はあるんだな」
 馬超もそれに頷く。するとだった。
 不意に目の前からだ。六人程が出て来てだ。全速力で一行の間を駆け去っていった。
「あれは?」
「袁紹なのだ」
 関羽と張飛は彼女の姿を認めた。
「どうしてここに?」
「何をしているのだ?」
「それはわからないが」
 関羽は眉を顰めさせながら述べた。
「だが。かなり焦っているな」
「何に焦っているのだ?」
「それだったらよ」
 趙雲と馬超はそれを問題とした。
「あそこまで焦っているとなると」
「しかもあれだけ護衛がいるのにな」
「!?」
 するとだった。ここでだ。一行の目の前にあの巨大な熊が出て来た。何と森の木々から身体が出てだ。その巨体を誇示するようにして見せていた。
「おい、何だよこれ」
「熊だな」
 趙雲は冷静に馬超に返す。
「これは」
「いや、それでも大き過ぎるだろ」
「しかし熊だ」
「だから普通の熊じゃないだろ、あれは」
「そうだな」
 わざとあえて冷静に返すのだった。
「ここまで大きいとな」
「どうするんだい、それで」
 キングは熊を見上げながら一行に問うた。
「この熊を」
「駄目です、お話できません」
 ナコルルがここで言う。
「どうやら冬眠しそびれた様で。それで」
「それじゃあここは」
「どうします?」
 舞と香澄もその熊を見上げていた。
「これだけの相手を」
「一体」
「あっ、こいつは」
 ところがであった。張飛がここで明るい顔になって言うのだった。
「ミーシャなのだ」
「ミーシャ!?」
「誰だよそれ」
「鈴々が昔一緒に暮らしていた熊なのだ」 
 こう趙雲と馬超に言うのだった。
「一緒にだと」
「あの化け物とかよ」
「そうなのだ。とてもいい奴なのだ」
 こう話すのだった。
「少し見ない間に成長したのだ」
「成長どころじゃないぞ」
 キングが突っ込みを入れる。
「あの大きさは」
「そうなのだ?熊は大きいものなのだ」
「あれは。赤兜じゃないんですか?」 
 ここで孔明が言った。
 
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