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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1696話

「宇宙も大分すっきりとしたよな」

 ピースミリオンの食堂で、デュオが呟く。
 財団連合とトレーズ派の戦いは、当初の予想を裏切ってトレーズ派の勝利で終わった。
 俺がデキムとマリーメイアを捕らえたように、他の軍艦に向かったトレーズ派の兵士は、ツバロフを捕らえる事に成功した。
 これにより、バートン財団と財団派のトップを失った財団連合は、あっという間にその勢力をなくしてしまった。
 この展開は、色々な面で波紋を呼んだ。
 まぁ、大方の予想では財団連合が勝利すると思われていたのだから、それも当然だろう。

「まあな。これで宇宙に残っている勢力はトレーズ派と連合軍だけになるけど……さて、トレーズ派はこれからどうするんだろうな」
「どうするって……まさか、今の状況で連合軍と戦おうとは思わないだろ?」

 デュオが呆れたように呟くが、俺もその可能性は考えていない。
 恐らくだが、宇宙にいるトレーズ派は地球に向かおうとするだろう。
 何しろ、トレーズの1人娘を確保したのだから。
 それをトレーズに引き渡したいと思うのは、当然だった。
 だが、問題は連合軍がそれを許すかどうかだが……さて、どうなる事やら。
 連合軍としては、ここで一気にトレーズ派を叩いてもいいところだろうが、そうなれば当然被害を受ける。
 いっそここは大人しく地球に向かわせ、無傷のままで宇宙を連合軍の勢力下に置くというのも、悪い選択肢じゃない筈だ。
 そうなれば、ある程度の戦力は宇宙に置いておく必要はあるだろうが、逆に言えば最低限以外の戦力は地上に降ろしても構わないのだから。
 ……ただ、微妙に心配なのがホワイトファングだ。
 原作知識があってこその心配なのだが、バートン財団が出て来てもまだホワイトファングが出て来てはいない。
 もっとも、ホワイトファングが出てくる直接的な原因は、OZが宇宙を支配した事によるものだ。
 この歴史では、原作と違って宇宙の大半を勢力圏に入れているのは連合軍で、その連合軍も今はノベンタの方針によってコロニーとの宥和政策を進めている。
 当然そうなれば以前に比べて連合軍の態度が柔らかくなり、コロニーの地位も向上する訳で……そんな状況で、ホワイトファングが結成されるかどうかは微妙なところだろう。

「ま、何にしても……トレーズ派がどんな行動に出ようと、これで宇宙が連合軍一色になるのは間違いない」

 そう告げた瞬間、デュオの視線が一瞬だけ鋭くなる。
 元々、デュオはあくまでも成り行き……いや、シャドウミラーや連合軍を見張るという目的で、俺達と行動を共にしているにすぎない。
 もし連合軍がコロニーに対して横暴な振る舞いをした場合、デュオはデスサイズと共に死神に戻るだろう。
 まぁ、ノベンタの性格を考えれば、そんな事になるとは思わないのだが。
 ただ、心配なのはノベンタを含めてトップ3人はそんな事をしないだろうが、逆に言えばそれ以外の面子が問題を起こすかもしれないといったところか。
 正直なところ、今回の件で事態がどう動くかというのは、俺にも予想出来ない。
 連合軍にとって有利な流れなのは間違いないが……トレーズ派がどう動くか、だよな。
 ただ、マリーメイアの件を考えると、ここで無謀な戦闘に挑もうとするとは思えないというのが、俺の正直なところなのだが。

「ともあれ……」
『アクセル!』

 言葉を続けようとしたのだが、それを遮るような声が食堂に響く。
 そちらに視線を向けると、声のした方にいたのは、ハワード、プロフェッサーG、ドクトルS、老師Oの4人だった。
 珍しい事に、全員が興奮した様子を見せている。
 何があった? 一瞬そう思ったが、ここに来た面子を見ればどのような事があってこうなったのかは、容易に想像出来た。
 それを証明するかのように、4人を代表してハワードが口を開く。

「ウイングゼロ、完成したぞい」

 ニヤリとした、そんな笑み。
 他の科学者達も満足感からか笑みを浮かべている。
 プロフェッサーG、老師Oの2人は普段から無愛想なイメージしかないが、その2人でさえ笑みを浮かべているのを見れば、ウイングゼロの完成がどれ程の事なのかを示しているのだろう。

「……そうか。良くやってくれた」

 俺の口からも、しみじみとした言葉が漏れる。
 劇場版とTV版の2つの仕様を組み合わせるという、普通の科学者であればそう簡単にどうにか出来るような代物ではないこの仕事をやってくれたハワード達には、感謝しかない。
 食堂の中でも、今のハワードの言葉が聞こえたのだろう。大勢の面子がざわついているのが聞こえてくる。

「うわぁ……いよいよ出来たのかよ」

 何故かデュオがうんざりとした様子で呟いているが、何故そんな言葉が出て来たのやら。
 いやまぁ、ウイングゼロが完成したという事は、これからシャドウミラーが本格的に動き出すという事であり、デュオもこれからは色々と忙しくなるのは確実だというのが大きいのだろう。
 特に、以前からサリィに言われていたように、これからのシャドウミラーの活動は地上での活動となる。
 コロニーの為に戦ってきたデュオにとっては、色々と思うところがあってもおかしくはない。
 それでも地球の騒乱が宇宙に影響する事を思えば、他人事ではいられないだろうが。
 そもそも、このW世界で最初にコロニーが作られた時、地球上の国同士の関係がコロニーにも影響し、結果としてコロニー間の関係が悪くなってコロニーの発展が遅れたというのは、少しでも歴史を調べれば分かる事だ。
 俺も連合軍に協力するようになって、それで歴史を調べて分かったんだが。
 ともあれ、そんな事情がある以上宇宙を平穏にしたいと思えば、どうしても地球も平穏にする必要があるのは間違いない。

「地球にいる勢力は、財団派、トレーズ派、中東連合、サンクキングダム、連合軍……か」
「サンクキングダムは勢力として数えるのはどうなんだ?」

 俺の言葉に、五飛がそう呟く。
 コロニーに住む者として、サンクキングダムの完全平和主義については知っているし……原作同様、兵士や軍人、戦士として自分を規定している五飛にとっては馴染まないと思っているのだろう。

「以前のサンクキングダムと違って、今は軍事力もある程度は持っているらしいぞ。あくまでも、俺に入っている情報ではだが」
「それは……」

 俺の言葉に五飛が何かを言おうとした、その時……もう我慢出来んと、ハワードが叫ぶ。

「アクセル、いいから早く来い! 機体の最終調整を済ませなければ、本当の意味での完成とは言わんのじゃからな!」

 あー……まぁ、怒鳴るのも当然か。
 ウイングゼロが完成したと伝えに来て、その最終調整をしなければならない俺が、こうして食堂でデュオや五飛と話してるのだから。

「ああ、分かった。……そんな訳で、俺は行くよ。じゃあな」

 そう告げ、俺は席を立つ。
 まだ何か色々と言いたそうではあったが、それでも黙り込んだのは……まぁ、ハワードを含めて科学者達が色々な意味で危険な視線を送っていたからだろう。
 そうして俺は大人しくハワード達に連れられ、格納庫に向かう。

「それで、最終調整って言ってたけど……具体的にどれくらい掛かるんだ?」
「さて、それはお主次第じゃよ。特に設計図を見たお主なら分かると思うが、あの機体には特殊なシステムが搭載されている」
「ゼロシステムだな」
「うむ。アクセルの能力を考えれば、ゼロシステムに翻弄されるような事はまずないと思うが、それでも慎重に慎重を期す必要がある。もっとも、ゼロシステムよりも前に機体をお主の反応速度に合わせる方が重要じゃがな」
「……なるほど」

 歩きながらハワードの口から出る説明にそう言葉を返すも、正直なところその辺はあまり期待していない。
 結局のところ、このW世界では最高峰の機体であっても、文字通りの意味で人外な俺の反応速度についてくる機体が作れるとは思っていない。
 それこそ、T-LINKシステムとかそっち方面の機体やPS装甲を使ったTGCジョイントといったシステムを上手い具合に使わなければ、全力を出すのは不可能だろう。
 となると、ウイングゼロに合わせた能力を発揮しなければならない訳だ。
 ……まぁ、それでもこのW世界では屈指の機体だというのは間違いのない事実なのだから、これ以上を望むのは無理があるんだろうが。

「うん? どうした?」

 そんな俺の様子を疑問に思ったのか、尋ねてくるハワードに首を横に振る。

「いや、何でもない。ウイングゼロを使えるようになるのが嬉しいだけだよ」
「そうか、そうか」

 俺の言葉に、ハワードは嬉しそうに笑う。
 設計した段階……20年くらい前だったか? その当時は技術的な問題だったり、素材的な問題だったりで実際には作ることが出来なかったウイングゼロを完成させられたのだから、嬉しさも強いのだろう。
 ましてや、TV版と劇場版という2つの仕様を融合させるという真似をしたのだから、そこに掛かった苦労を思えば、ハワード達にとっては嬉しい限りといったところか。

「ああ、そうだ。トールギスの方だが色を白に戻しておいてくれ。綾子がトールギスに乗り換える時、俺が使っていたままの外見だと敵の攻撃が綾子に集中しかねない」
「……ふむ、なるほど。分かった、変えるのは機体色だけでよいのか? スーパーバーニアの方は……」
「そっちはそのままでいい。綾子なら、今のトールギスでも十分に乗りこなせる筈だ」

 今のトールギスのスーパーバーニアは、元々の仕様から更にハワードが改修した代物だ。
 そうである以上、乗りこなせるのかどうかが心配だっただろうが、俺はそれに太鼓判を押す。
 実際、今の綾子の能力はパイロットとしてガンダムのパイロット級……いや、それ以上のものにすらなりつつある。
 シミュレータでトールギスを使い、デスサイズヘルやアルトロンガンダムと戦っているのを何回か見ているが、新型機――正確には改修機――を相手にしても、トールギスは一進一退……いや、勝率で言えば五飛を相手に6割から7割といったところだ。
 元々の素質もあるんだろうが、俺が色々な場所に顔を出して、エンデュミオンの鷹として活動したりしている間にも、綾子は必死に訓練をしていた結果が出た形だろう。
 今までシャドウミラーのパイロットは、俺、ガンダムパイロット級、ヒルデという3つに分かれていたが、今では俺、綾子、ガンダムパイロット級、ヒルデと4つに分かれつつある。
 ……まぁ、綾子の場合は半サーヴァントだけあって、元々の身体能力が高い。
 また、操縦センスという意味でも一級品であるのを考えると、この結果は当然なのだろう。
 ちなみに凛の方も、サリィからピースミリオンの艦長として色々と仕込まれている。
 正直なところ、こっちは俺にとっても予想外だったが、非常に助かっている。
 シャドウミラー……このW世界じゃなくて、ホワイトスターの方のシャドウミラーでも、艦長職は足りなくて困っていたところだ。
 量産型Wがいるし、カトンボはAIの方で制御してくれるが……それでも有人艦というのは色々と便利だし。
 ピースミリオンをこのままシャドウミラーに編入するか、それともバルジを編入するか……悩ましいところではあるんだが。
 そのままトーギスについての話をしながら通路を進んでいると、話はウイングゼロに移る。

「そう言えば、トールギスは深紅に変えたが……ウイングゼロの方はどうするんじゃ?」
「あー……そうだな。特に変えなくてもいいや」

 深紅は俺のパーソナルカラーではあるのだが、ウイングゼロが深紅というのは、どうにも合わなく感じる。
 純粋に俺がウイングゼロに対して思い入れがあるというのもあるんだろうが。
 ……それを言えば、トールギスについての機体色はどうなるのかと言われかねないんだけど、それはそれ、これはこれって奴だろう。

「まぁ、お主がそれでいいのであれば、儂等は構わん。……なぁ?」

 ハワードの言葉に、他の3人の科学者達も頷きを返す。
 その様子が、どこかほっとしているように見えるのはきっと俺の気のせいという訳ではないだろう。
 ハワード達にとっても、ウイングゼロというのは思い入れの強い機体だ。
 そうである以上、最初に自分達で設計したカラーリングにしたかったと思うのは当然だろう。
 ……それに、深紅は俺のパーソナルカラーだが、それが有名になってしまうと、俺がこっそり動く時に困るという理由もある。
 それこそ、エナジーウィングの件でミロンガ改の全力を使えていない的な、そんな感じで。
 だからこそ、深紅じゃない機体色の機体もある程度持っておきたいと、そう思うのは、これからの事を考えれば当然だろう。
 まぁ、W世界ではウイングゼロ=俺の機体という認識が強くなるので、こっそり使うとしても、別の世界での話だろうが。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1155
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1333 
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