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レーヴァティン

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第七話 炎の剣と氷の刃その五

「それと氷を使う刀だ」
「そのこともわかった」
「それは何よりだ」
「では今から俺は刀を抜く」
 天羽々斬、この刀をというのだ。
「そしてだ」
「俺は剣を抜くな」
 久志も言ってきた。
「レーヴァティンをな」
「では挑むのだ」
 神官は英雄だけでなく久志にも告げた。
「そしてだ」
「抜けたらだな」
「そなた達の果たすべきことをするのだ」
「世界を救えっていうんだな」
「この島も厄介な状況だ」
「あちこちの国に分かれて争ってモンスターやならず者があちこちにいてだよな」
「しかも巨人共も出て来る」
 神官もまた彼等のことを話した。
「混乱の中にあると言っていい」
「だからだよな」
「そうだ、そなた達が刀剣を抜けたなら」
 その時はというのだ。
「この世界を頼む」
「ああ、わかったぜ」
 笑ってだ、久志は神官に答えた。
「そうさせてもらうな」
「それではな」
「行くな」
「俺もだ」
 英雄も前に出た。
「刀を抜く」
「ではそなたもな」
「行く」
 こうしてだ、二人はそれぞれだった。自分が抜こうと決めた刀剣の前に来た。久志はその剣、床に刺さっているレーヴァティンを見据えてだった。
 まずは右手でその柄を持った、そこから上に引くと。
 剣が動いた、神官達はそれを見て声をあげた。
「まさか!?」
「まさかと思うが」
「剣を抜くのか」
「レーヴァティンを」
 これまで誰も抜けなかったその剣をとだ、彼等も見ていていささか冷静さを失っていた。
 そして英雄も見た、刀の柄を左手に持ち右手に鞘を持った彼を。
 英雄もまた抜こうとする、すると鯉口が見えた。それを見て彼等はまた言った。
「これは」
「刀もか」
「あれも抜くのか」
「あの者も」
「若しやと思うが」
 二人と話をしたその神官も言った。
「あの者達は」
「抜くのか」
「レーヴァティン、そして天羽々斬を」
「それぞれ抜くか」
「そうするというのか」
「動いた」
 このことをだ、その神官はまた言った。
「それならばだ」
「若しやか」
「最後まで抜き切るか」
「それをするのか」
「そして世界を」
「今まで微動だにしなかった」 
 レーヴァティン、そして天羽々斬はというのだ。 
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