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レーヴァティン

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第六話 神殿その十五

 それを見るとだ、久志はこんなことを言った。
「すげえな、近くで見ると」
「余計にだな」
「ああ、とてつもない神殿だな」
「日本で言うと神宮の中でもな」
「でかい方だよな」
「伊勢神宮並にな」
「あそこは桁外れだよな」 
 久志も伊勢神宮のことを知っていて話した。
「また」
「祀られている神様が神様だ」
「天照大神だな」
「皇室の祖神だ」
「皇室の方々も参られてな」
「両陛下もな」 
 天皇、皇后両陛下もというのだ。
「毎年参拝される場所だ」
「だからあそこはまた別格だな」
「そしてこの神殿もだ」
「それ位の大きさがあるな」
「本当にそうだな」
「それだけ凄い場所ということだな」
「祀られている神さん達も多くて」 
 久志はさらに言った。
「刀剣も本もあってか」
「神職の人間も多い」
「だからだな」
「これだけの大きさだ、ではだ」
「入るか、あらためて」
「そうするぞ、いいな」
「ああ、わかった」 
 久志は英雄の言葉にあらためて頷いた、そしてだった。
 二人は門を守る白い街のところにいた兵士とは違う色のしかも質がかなりよさそうな服と鎧を身に着けていてハルバートを持った兵士に声をかけた。
「この神殿の刀剣を抜きに来たんだけれどさ」
「入っていいか」
「どうぞ」
 神殿の兵士は礼儀正しく答えてきた。
「お入り下さい」
「ああ、じゃあな」
「入らせてもらう」
「はい」
 兵士はあくまで礼儀正しい、それで久志はそのことが気になってそれで兵士に対して問うたのだった。
「あんた随分礼儀正しいな」
「そうでしょうか」
「ああ、城壁の兵士よりもな」
 遥かにというのだ。
「礼儀正しいな、っていうかな」
「というかとは」
「あそこの人と同じ仕事かよ、本当に」
「私はこの神殿の警護兵です」
 神殿の兵士はこう久志に答えた。
「どなたのことを仰っているかわかりますが」
「正門のおっさんな」
「リゴレットさんですね」
「あのおっさんの名前は」
「はい、同業者ということでお付き合いがありまして」
「じゃあ知り合いか」
「ですがあの方は街に雇われていまして」
 そちらにというのだ。 
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