夢幻水滸伝
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第六話 飛将その十四
「あいつと一緒にやらなあかんしな」
「そうですな、ではそっちの確認はお願いします」
「難波さんの方は」
「そうさせてもらうで」
部将達に応えてだ、実際にだった。
中里は軍議の後で難波に貝殻から状況確認を取った。すると難波は貝殻から彼に明るい声で言ってきた。
「今さっき終わったとこや」
「そうか」
「もう何もかもをな」
「完全にやな」
「ぶっ潰したったで」
こう明るい声で言うのだった。
「これで連中は宿なしや」
「そうなったんやな」
「それでやな」
「ああ、次はや」
「連中自体をやな」
「そっち明日の夜でも戻れるか?」
「今夜にもな」
明日どころかというのだ。
「戻れるで」
「そうか、ほなな」
「今夜にやな」
「やるで、こうしたことは出来る状況なら早い方がええ」
弥生のいる社にも行かないといけない、このこともあってというのだ。
「そやからな」
「ここはやな」
「今夜にな」
「攻めるんやな」
「そうする、それでええな」
「わかったわ、そっちでも暴れさせてもらうで」
「頼むで」
「この戦で日本におるのは最後や」
難波はもうこのことは決めていた、彼の中で。
「そやからお別れ会でや」
「思う存分やな」
「暴れさせてもらうで」
「ああ、けれど味方はな」
中里はこのことは注意した。
「巻き込まん様にな」
「ああ、出来る限り気をつけるわ」
「おい、出来る限りか」
「僕はとにかく縦横に暴れるからな」
悪びれない声でだ、難波は中里に話した。
「そっちが僕に近寄らんことや」
「それだけ力も強いんやな」
「方天戟の力甘く見んことや」
そこはくれぐれもというのだ。
「そやからそっちから気をつけてくれたらええ」
「そうか」
「ああ、僕も味方を斬る趣味はないしな」
巻き込むつもりは難波自身もなかった、そこまではだ。
「そうしてくれたら有り難い」
「ほなな」
「今夜やな」
「出雲の東の果ての場所でな」
「一気にやったるか」
「そやからそこまで来てくれ」
「赤兎馬で行くで」
彼の神具であるその馬でというのだ、こう話してだった。
中里は難波との打ち合わせを終えた、そしてその夜に向けてまた鵺や部将達と話した。戦の手筈は順調に進んでいた。
第六話 完
2017・2・15
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