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とある科学の裏側世界(リバースワールド)

作者:偏食者X
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second contact
  ep.048 重役出勤というやつだよ

 
前書き
さて前回とは打って変わって気の抜けたタイトルになっていますが何人かはもう何のことか分かっているかも知れませんね。 

 
悠持の手助けによって庵鬼が守るポイントを突破した仁はその奥のフロアに待つ人物と対面していた。
だがそこに待っていたのは叶瀬叶ではなかった。

「この前襲ってきた奴と違う!?」

仁は唖然とする。
1つは目の前の男が叶ではないことへの仰天。
もう1つは戦闘慣れしていない仁でもこの相手が間違いなく強いことが分かるほど目の前の男が強力なこと。

「ほぉ? さてはお前庵鬼に騙されたな。」

「騙された....!?」

男が言うには庵鬼という男は相手の波長を感覚で読み取るスキルを持っていて、相手の波長に合わせて言動を実行するため相手は自然とそれが嘘でも真に受ける。

「まぁ、サクッと片付けてやるから感謝しな。」

相手が凄まじい圧力を放ちながら一歩を踏み出す。
仁は戦闘経験の浅さから動けなくなる。
それどころか声が出ず、さらに呼吸すら次第に苦しくなっていった。

『くそっ!!』

◆◆◆◆◆◆

数分前ー

玄関ホールで休息と拠点防衛も兼ねて待機していた子規は戦闘の流れを数式を組み立てて予測していた。
すると、そこに膨大なエラーが発生する。

「これは....建物の右翼側か!!」

子規はとある人物に渡してあるトランシーバーに連絡を送る。
その相手は操作だ。

「池野!! 池野!!」

子規は慌てて呼び掛ける。
すると操作からの返事が返ってくる。
子規は慌てながらも要件を伝えた。

「400秒後にこの建物の右翼側にビルが突っ込む。 間違いなくこの建物でそれを耐久するのは無理だ。」

「ビルが突っ込む!?」

操作は状況が飲み込めなかったが、とりあえず危機なのは理解した為、能力でテレパシーを使い右翼側にいるメンバーに緊急避難を伝える。
同じく右翼側に居たのは飛鳥だった。

「はぁ!? ビルだと!?」

「あぁ、影縫くんが導き出したんだ多分当たる。」

飛鳥はそう聞いて形態を不死鳥にすると、気絶した修冴を炎に包んで颯爽とその場を離れた。
操作は走っても間に合いそうにない鈴菜を咄嗟に抱きかかえると子規が待つ玄関ホールに向けて駆ける。

◆◆◆◆◆◆

同時刻ー
モニタールームにて戦況を確認する叶と時雨は外部に設置したカメラから奇妙な物を捉えた。
それはレーダーで捉えきれないほどの大きさだ。
そしてその中に1つの生体反応をキャッチする。

「何!? あの"ぶっ飛び軍師さん"の作戦なの?」

時雨はあまりの異常事態に思考が付いて行かない。
だが叶は同じように感知された生体反応からそれが誰の仕業なのかを理解した。
その途端、叶の頬を冷や汗が流れる。

「あの野郎、頭打って馬鹿にでもなったのか?」

◆◆◆◆◆◆

仁と対峙している男は不意に何かを察知したのか地面に手を当てて能力を発動する。

「何か地面が揺れるのを感じたが....念の為に他に戦闘不能になったメンバーは離脱させるか。」

男はボソボソと喋ったので仁は聞き取れなかった。
だが、先程とは明らかに雰囲気が違ったため、アクシデントが発生したのだと仁は考えた。
次の瞬間、男が咄嗟に右側を向く。
途端に自身の能力で瞬間移動する。
仁は衝撃の光景を目撃する。

突如、謎の巨大な物体が本拠地の右翼を強引に抉るかのように突撃してきたのだ。
仁は奇跡的に射程範囲のギリギリ外側だったため無傷で済んだが目の前にいた相手の立っていた場所は完全になくなっていた。

「一体何が?」

訳は分からないがひとまず危機を脱した仁は叶を探しに来た道を逆走した。

◆◆◆◆◆◆

同時刻ー
男は能力で突撃してきたビルの1角の空間を自身のいる空間と入れ替えて咄嗟にビルに移動していた。

「やはり、僕の相手は君になると思っていたよ。」

ビルの中にいた青年が男に言った。
男はその青年の声を聞いて寒気がするほどの狂気の笑みになる。

「よぉ....やっと本隊が到着したのか?」

一方その頃、ビルの通過を確認した子規は避難してきた操作、鈴菜、飛鳥と合流した。
どうやら3人共無事に危機を脱したようだった。

「何が起こったのか説明しろ子規。」

飛鳥が冷静に質問をする。
どんな状況でも冷静に思考を働かせられるのは飛鳥の最大の長所と言っても良かった。

「まったく、主役は遅れてやってくるなんて馬鹿なことしやがって...待ちくたびれたぜ。」

その青年は何かを企むような顔で戦場に現れた。
そして彼はこう言ったのだった。

「しばらくstudentを任せてしまって申し訳ないね。 連合軍のみんな..."重役出勤というやつだよ"。」

そこにいたのは"野口勝哉"だった。
勝哉は長めのコートからハンドガンを2丁取り出す。

「始めようか...狭間 空斗(はざま そらと)くん。」

そしてstudentのボスとobjectのNo.1の対決が始まった。 
 

 
後書き
今日はここまでです。
ようやくの登場なのに少し内容が薄かったですかね。
でも、相手の空斗くんは叶くんよりも能力で見れば普通に強いですよ。 
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