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夢幻水滸伝

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第六話 飛将その七

「よし、ほなや」
「はい、予定通りにですか」
「ことを進めますか」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「一旦このまま兵を西に進めるけどや」
「それでもですな」
「それからですな」
「次の動きに移るで」
 西に進めたうえでというのだ。
「そうするで」
「はい、わかりました」
「ほなそうしますか」
「そうするで、というか思った以上にアホな連中やな」
 中里は報告を聞いていて笑って言った。
「こっちが何も見てないって思うてるんか」
「思ってるんやろな」 
 鵺が中里に答えた、今は進軍をしていないので彼を乗せておらず横にいる。難波は先陣として軍勢の先頭にいていない。
「実際に」
「そうやねんな」
「見てててもこの大軍に勝てるかってな」
「そう思ってるんやな」
「そうやろな」
「戦は数っていうけどな」
「数は確かに大事やが」
 それでもとだ、鵺も言うのだった。
「それだけやない」
「戦術も武具も練度もあるしな」
「連中にはその三つがない」
「地の利はあるけれどな」
「それもわかるな」
「ああ、それを生かせる頭もない」
 勝つ為に重要なもう一つの要素をというのだ。
「そっちもな」
「ほなやな」
「ああ、どうということはない相手や」
 こう中里に言った。
「やっぱりな」
「そやな」
「そやからや」
「予定通りやな」
「やっていったらええわ」
「ほな難波にも伝えるか」
「ああ、あいつやったらな」
 鵺は中里が難波の名前を出すと笑顔で応えた。
「やってくれるで」
「絶対にやな」
「わしから見てもあいつの強さは半端やない」
「僕に匹敵するっちゅうんやな」
「戦闘力だけ見たらな」
 それならばというのだ。
「天星の中でもトップクラスやろ」
「そこまで強いからか」
「あいつ一人でやってくれる」 
 言葉は太鼓判を押すものだった。
「そやからな」
「あいつにそうさせてもらって」
「そうしてや」
「やったるか」
「こっちは向こうにないものを一杯持ってる」
「それを全部使ってやな」
「その時になったら一気にやるんや」
 鵺の言葉は強かった。 
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