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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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115部分:第十一話 孔明、世に出るのことその一


第十一話 孔明、世に出るのことその一

                第十一話  孔明、世に出るのこと
 荊州に入った一行はさらに先に進んでいた。その中でだった。
「なあ趙雲」
「星でいい」
 趙雲はこう馬超に返していた。
「これからお互いに命を預けることもあるからな」
「だからか」
「そうだ。こちらも呼ばせてもらう」
 また話す彼等だった。
「これからな」
「それじゃあこっちも真名で呼んでくれよ」
「それでいいな」
「ああ、あたしの真名は翠」
「蒲公英です」 
 馬岱も名乗ったのだった。
「これから宜しく御願いします」
「こちらこそな。ふむ、蒲公英か」
 趙雲は彼女の顔を見下ろしてまずは楽しげに笑みを浮かべた。
「御主、見所があるな」
「見所ですか」
「そうだ、将来有望だ」
 こう言うのであった。
「私が色々と手ほどきしてやろう」
「宜しく御願いします」
「翠も翠で面白いが」
「何だよ」
「御主は私の後継者にもなれるな」
 趙雲は馬岱をそう見ているのだった。
「私の後継者がやっと見つかったな」
「こうは言っているがな」
「どうしたのだ?」
 関羽はキングの言葉に耳を向けた。
「星は実際は何の経験もないな」
「そうなのか?」
「そうだ。ないな」
 キングは趙雲の現実を見抜いていたのだった。
「だがそれは忘れておいていい」
「そうなのか」
「そうだ。忘れておいてくれ」
「わかった。では忘れることにする」
「それで頼む」
 関羽は今はその話を忘れることにした。しかしキングが趙雲は実際にはそうした経験はまだ何もないことを見抜いたのは事実だった。
 だが趙雲はキングのその言葉は耳に入っていなかった。そうして馬岱に対してその笑みのまま話を続けているのだった。
「私はこの通りだ」
「凄いスタイルですね」
「ふふふ、そうか」
 まんざらではない言葉だった。確かに胸も脚も腰も見事なものだ。
「どう見える?」
「大人の女の人です」
「そうだろう。見ての通り私はだ」
「はい」
「大人の女だ」 
 誇らしげな笑みでの言葉である。
「この通りな」
「私もそうなれます?」
「蒲公英なら大丈夫だ」
 目をかけているのは間違いなかった。
「必ず最高の美女になれるぞ。胸はもうあるしな」
「じゃあこれから頑張りますね」
「頑張って最高の美女になるのだぞ」
 武芸者とは言わないのだった。
「いいな、これからな」
「はい、頑張ります」
「なあ鈴々」
 馬超は張飛に声をかけていた。
「荊州ってな」
「どうしたのだ?」
「かなり広い場所なんだよな」
 これを言うのであった。
「知ってるか?もう城だけで幾つもあってな」
「そんなに広いのだ」
「ああ、そこの何処に行くかだよな」
「そういえば袁術殿の統治も」
 関羽はここで言った。
 
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