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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0027話『重巡棲姫打倒、疲れる視線』

 
前書き
更新します。 

 



前日の輸送作戦が成功してこれから単冠湾泊地の近くに拠点を構えている重巡棲姫を打倒するためにメンバーを招集していた。
前日から引き続いて那智と霞がいる。
そして他の四人はまず戦艦枠で金剛を採用した。

「ヘイ、提督ぅ! 私の活躍、期待してオイテネ!」

そう言って金剛は私に抱き着いてくる。
私が榛名に憑依してしまってか金剛はよく頻繁に私をお茶会に招待してくれるのはありがたい。
ありがたいんだけど、他の子達から「金剛さん達だけずるい!」という苦情が来ているという。
それでも金剛はめげずに、

『いいですカ? 機会は待つより自分から作るデース!』

と言って、みんなに応援の言葉?を贈っていたり。

そして四人目は第五艦隊所属の木曾だ。

「…提督。俺をここで使っていいんだな?」
「ああ。だからしっかりと暴れてこい」
「わかった。俺に寄せられる期待には見事応えてやるぜ」

木曾はいつも通りイケメンオーラを出しながらマントをふわっと浮かばせて腕を構えていた。
木曾がカッコいいポーズをとっているところはいいとして、

「提督よ。わらわの活躍にも期待しておるのだぞ?」
「わかっているさ、初春」
「おほほ」

それで初春はセンスで煽りながら微笑みを浮かべているのであった。
そして最後になるのは制空権を確保するために今回は艦戦キャリア―という役目についた蒼龍の姿があった。

「…あの、提督? 制空権を維持するためなら私なんかより他にも使える子がいたと思うんですけど…例えば加賀さんとか」
「あのな、蒼龍。そんなに自信ない事を言うべきじゃないぞ。二航戦として胸を張って頑張ってくれ。
特に先遣隊の報告で今回から敵深海棲艦が新たな艦載機を使いだしたという。
だから蒼龍の力がどこまで通用するか試してみるのも一興だろう」
「…そうですね。そこまで言われたんならこの蒼龍、頑張りますね!」

気合も十分に蒼龍は腕をグッと組んで力をためていた。

「そして今回は北海道の基地から航空隊が発艦してくれる。
すでに私の所有する航空機もあちらに届いている頃だろう。安心して重巡棲姫を倒してくれ。
後から支援艦隊も派遣すると思う。その時になったら来てくれるだろう」
「了解した。それで旗艦は私と霞、どちらにするのだ…?」

那智がそう聞いてきたので今回は霞が旗艦になる事を伝えた。

「私が旗艦か…。任せなさい!」

霞も旗艦という事で責任が圧し掛かるだろうがそれもしっかりと制御して余裕の表情でいた。
これなら大丈夫だな。

「よし! それでは六人とも抜錨してくれ!」
「「「了解」」」

それで六人はまた大湊警備府へと向かっていった。
無事に帰ってくることを祈って…。












わらわ達が出発して、大湊警備府に着いた時に、阿賀野の言っていた事を思い出す光景があった。
ちと、そうじゃな…。
視線がつらいというべきか。

「ヘイ、初春。感じましたカ?」
「そうじゃのう…。ちと視線がつらいかの」

金剛に聞かれて素直に答える。
そう、艦娘だけの嫉妬の眼差しなら覚悟していた事なのだけれど、各々の提督達の視線が険しいモノじゃからな。

「はんっ…どうせ俺達の力をまだ信じ切れていないんだろうよ」

そう言って木曾は気持ちが幾分楽そうに構えていたが、それでも少しテンションが下がっているのは分かった。

「これは早々に重巡棲姫との決着をつけるべきじゃな」
「そうね。蒼龍、この視線の中は辛いものがあるわ」

そんな話をしながらも現地の提督達の説明を受けながらも私達は大湊警備府を出発して、重巡棲姫がりうであろうエリアへと向かっていった。
そして道中少しばかり手こずりながらもなんとか目標地点に到着すると、そこにはいつものように重巡棲姫が表情が少し固めながらも構えていた。

「よし! 蒼龍、いきます!!」

そう言って蒼龍が制空権を確保するために艦載機を発艦させていく。
だけどやはり新型の敵の艦載機…見た目は蝙蝠のような形でギョロっとした目をしていて少し気持ち悪いのう…。
制空権確保の争いは過酷を極めているようで少し蒼龍の表情はきつい。
だけどしばらくして、

「制空権確保! みんな、後は頼みました!」
「オー! 蒼龍ナイスデース! 皆さん、攻撃を開始しますよ!」
「ちょっ!? 私が旗艦!!」

霞が少し煩かったがそれで戦闘は開始されてしばらく経過し、

「コノ…ノコノコト…ヤクタタズドモガ…キエロ!!」

重巡棲姫が本気を出したらしく戦線も苦しくなってきて、それで蒼龍が一撃を食らって大破してしまう。
だが、なんとか夜戦にまで持ち込めてさすがというべきか最後は那智が決めてくれた。

「この一撃で、沈め…ッ!!」

那智の砲撃が重巡棲姫に突き刺さり、

「ヴェアアアアアーーーー!!?」

重巡棲姫の叫びが聞こえてきて次の瞬間には重巡棲姫は光となって消えてしまった。

「作戦終了だな」
「わかったわ。司令官? 重巡棲姫を打倒したわ」

霞が提督と無線で会話をしていて、

「よし…。それじゃ一回大湊警備府に戻って報告をした後、帰投しましょう。
またあの視線に晒されるけど我慢してね…?」

それでわらわ達は大湊警備府へと向かって報告をした後に鎮守府へと帰投していった。
精神的に疲れる戦であったのう…。


 
 

 
後書き
E2の話を書きました。
感想で少し反省しないといけない点がありましたので話に書き起こすまでネタバレは控えようと思います。


それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
 
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