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機動戦士ガンダム0091宇宙の念

作者:むらたく
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宇宙編
月決戦編
  第45話 終結の園2

 
前書き
前回ジャック中尉が登場しましたが、彼らの母艦はシャドウハウンド隊が防衛し、イリアのネオジオン艦隊と共に月面外周から撤退して来た、という流れです。 

 
「灰色のカラー…シャドウハウンドか!!」
グレイブスは苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
「グワンバンを…やらせるかッ!!!」
所々損傷しながらも、ジャックの機体は臨戦態勢を取っている。
「手加減できる相手ではないな…!」
ドーベン・ウルフのビームライフルから放たれた光がズサに迫るも、それを避けるジャック。
「この艦だけは、守ってみせる…」
ドーベン・ウルフとズサ。
同じ量産機でも機体の完成度には大きな開きがある二機。
しかしそれも感じさせないほど、二機は緊迫したドッグファイトをしていた。
「ちっ!!」
背中に背負ったブースターの推進力を活かし、ドーベン・ウルフの弾幕を縫う。
ドーベン・ウルフのマイクロミサイルがズサに迫る。
「メイソン隊長に生かされたこの命、ここで落とすわけにはッ…!」
ズサが背負うブースターが火を噴き、爆発的な機動力を生み出す。
「いかないっ!!」
ミサイルの雨を避けつつ、お返しとばかりにズサが身体中のポッドを展開する。
「喰らえぇっ!!!」
グワンバンの機銃掃射とズサのミサイル群。
挟み撃ちの形に追い込まれたドーベン・ウルフ。
「しまった…!」
ズサが展開したミサイルを撃ち出そうとしたその時。
リゲルグがズサの射線に飛び込んで来た。
「何⁉︎フーバー!」
「すみません、中尉」
ナギナタの一振りによりズサの脚部が吹っ飛び、引火したミサイルの爆発が一際大きく膨らんだ。
「ぐっ…!何故だフーバー⁉︎」
一瞬速くブースターで離脱したものの衝撃でダメージを負ったズサは、既に機動力を失っていた。
「グレイブス少佐、メアリーが撃たれました…早く艦に!」
「お前は先に退がれ。…増援だ…」
「え…?」
迫る三機のギラ・ドーガ。
先頭の一機は角付きだった。
「そんな一人で⁉︎無茶です!」
「俺に従えと言ったろ!!それに、部下を救うんだろ?早く撤退しろ!!!」
「くっ…」
横には、もうぐったりとしたメアリーの姿があった。
「…ご武運を…!」
機体に送られたフィンドラの座標データに従い、機体を全速力で飛ばす。
「生き延びろよ…フーバー」





ーーー連邦軍ソーラ・システム管制室ーーー

「ミラーパネル、展開完了」
「偏光率、安定!目標照射準備完了まで、約180秒」
「エネルギー充填、15%」
「座標は、レーモ7及び月面に展開中のジオン残党勢力。月の重力を計算に入れろ」
「修正、+0005」
「座標を固定。照射時間、約30秒」
「全ミラーの供給停止。展開中のMS隊を収容」
太陽の光に反射した無数のミラーが、等間隔に並んでいる。
宇宙という空間に存在するこの群れは、正に人類の技術の進歩を誇るに相応しい兵器だった。
かつて一年戦争でソロモンを焼いた連邦の超兵器、ソーラ・システム。
「宇宙人が…消し去ってくれる」
宇宙の火は、最後の灯火を照らす。
 
 

 
後書き
次回に続きます! 
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