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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0025話『対潜水艦掃討、阿賀野の困惑』

 
前書き
更新します。 

 


作戦が開始されたため、まずは大湊警備府に寄港させてもらえるようにする事にした。
予想通りというべきか今現在北海道周辺海域には深海棲艦がわんさか出現していて現地の艦娘が掃討に当たっているという。
それで情報では対潜掃討を頼みたいという事で私はまず対潜できるメンバーを集めることにした。
だけど先制対潜できる艦娘は限られている。
暁などは練度は90に達しているがそれでもソナーと爆雷を装備しても先制対潜を出来る域には達していないのだ。
この後に控えている未知なる海域にも出せるメンバーは厳選しておきたい。
その為に私はいつも対潜海域では特攻番長を務めさせているメンバーを呼ぶことにした。
それぞれの部屋に電話をかけて招集する。
そしてやってきたメンバーは、

「提督さん、阿賀野に用…?」
「航空戦艦、伊勢。参上しました」
「お呼びでしょうか。提督さん」
「五十鈴が呼び出されたって事は先制対潜の海域よね?」
「提督さん、リベにご用…?」
「戦闘か! このあたいに任せな!」

上から順に阿賀野、伊勢、鹿島、五十鈴、リベッチオ、朝霜。
伊勢を抜いてうちでは頻繁に対潜戦闘をやらせているメンバーだ。

「みんな、集まってくれてありがとう。早速だが阿賀野を旗艦にして大湊警備府に向かってくれ」
「大湊ですか?」
「そうだ。今現在大湊警備府から単冠湾泊地にかけて潜水型の深海棲艦が活発に活動をしているという」
「ねぇねぇ? そのヒトカップワン泊地ってどういうとこなの…?」

そこでリベッチオが興味深そうに聞いてくる。
実際悪意はないのだろうが他の艦娘達はあまりいい顔をしていない。
そう、深海棲艦が出没するまではロシアに領土を奪われていた場所だったという。
昔の話を掘り起こすわけにはいかないので軽めに説明する。

「北海道ってところの近くにある泊地のことだよ。
まぁ、リベッチオは日本の艦娘じゃないから分からないと思うが、今の時期はまだ少し肌寒い所だから風邪には注意してくれ。
特にリベッチオは薄着の服装なんだから」
「うん、わかった! それじゃ行く前に少し厚着していくね!」

リベッチオは元気にそう答えていた。
深く聞かれないようで安心したというのもあるが、リベッチオの前向きさには感心しないとな。

「今回の作戦は大湊警備府から単冠湾泊地までの輸送ルートを確保して道中のおもに潜水型の深海棲艦を退治することになっている。
よってまず伊勢はスロットに試作製嵐を積めるだけ積んで、他のみんなは対潜装備を充実させておいてくれ。
そして先制対潜ができるように四式水中聴音機と三式水中探信、お呼び三式爆雷を交互に装備してくれ」
「「「了解」」」

それでそれぞれ準備に取り掛かる中、鹿島が前に出て来て、

「ふふっ、提督さん。私に期待しているんですね。練習巡洋艦でお役に立てるか分かりませんが鹿島、頑張らせてもらいますね」
「ああ。そうやって卑下する事ではない。鹿島も十分役に立てるから安心してくれ。今までの実績が証明しているからな」
「わかりました。鹿島、頑張ります! 終わったら褒めてくださいね?」

最後に鹿島はそう言って惚れ惚れするような笑顔を浮かべながら部屋を出ていった。
その後ろ姿を見送った後、そこに榛名が出て来て、

《むぅ………やっぱり鹿島さんは油断なりませんね》
「なにがだ、榛名…?」
《いえ、個人的な事なので気にしないでください提督。ただ女性として油断できないと思っただけですので…》

それで榛名は小声でぶつぶつとなにやら言っているのを私は聞き流すことにした。
本気で相談に乗ったら藪蛇になりそうだなと私のヌメヌメセンサーが告げていたからだ。










それからしばらくして装備の換装が整ったのだろう六人が港へと顔を出していた。

「それじゃ提督さん! 阿賀野が旗艦で頑張りますね!」
「阿賀野姉ぇ! 油断しないようにね!」
「そうよ。阿賀野姉ぇはただでさえ油断するところがあるんだから」
「ぴゃん! 気を付けてね!」
「大丈夫よー。阿賀野は最新鋭軽巡なんだからしっかりやれます!」

阿賀野型姉妹の三人が阿賀野に激励の言葉を上げていた。

「伊勢、鹿島、みんなのお守りを任せたぞ?」
「わかりました」
「お任せください、提督さん」

伊勢と鹿島に私はそう言ってお守りを任せた。
冷静な二人に任せるのは五十鈴や阿賀野などは熱くなったら突撃してしまうからだ。
リベッチオと朝霜も駆逐艦ゆえに少し考え無しになってしまうかもしれないからだ。

「それじゃ! 出撃ー!」

阿賀野の声とともに六人はまずは停泊地である大湊警備府へと向かっていった。










…それから半日くらいたって、大湊警備府に到着したという報告を阿賀野から受ける。

『それじゃ提督さん。深海棲艦を掃討してきますね』
「頼むぞ」
『きらりーん! 阿賀野達に任せて』

無線機でのやり取りでも阿賀野の元気の良さが伝わってくる。
このコンディションなら大丈夫かな?
それから何度か深海棲艦と遭遇しながらも輸送ルートを確保していっているという。
そして最新の報告で多少の損傷はあれど見事潜水棲姫を打倒したという報告を受ける。

『提督さん。阿賀野達、やったよ!』
「ああ。帰ってきたら褒めてやるから帰りの道中は気を付けるんだぞ」
『わかりました! あ、でも…ちょっと大湊警部府でいざこざがあったかな…?』
「なに? それはどういった…?」
『うん。気にならない程度なんだけど、他の鎮守府の艦娘達から感情的には嫉妬のような視線を感じたかな?』
「そうなのか…」
『うん。なんか一回朝霜がキレちゃって険悪な雰囲気になっちゃった事があったよ。阿賀野、あの雰囲気は嫌いだなー』
「そうか。まぁ、私達の存在は特殊だからな。みんなにも我慢してもらっといてくれ」
『うん。わかりました。それじゃ阿賀野達、帰還しますので一時通信を落としまーす』

それで阿賀野との通信が終了した後、考える。
やはり特殊ゆえに扱いに困っているようだ。
この作戦が終わったら他の提督達とも話し合いの場が必要かもしれないと、私は思った。


 
 

 
後書き
無事E-1を甲でクリアできました。
そして昨日、E-2で国後をゲットして乙でクリアしました。
次の話で国後について書こうかと思います。


それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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