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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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10部分:第一話 関羽二人の少女と会うのことその十


第一話 関羽二人の少女と会うのことその十

「御前もまた私と同じだ」
「どういうことなのだ?それは」
「私にも家族はもういない」
「それは何故なのだ!?」
「賊に殺された。私が子供の頃にだ」
 それが関羽の過去だった。
「兄上も全てだ。賊との戦いで殺された」
「そうだったのだ」
「私もです」
 立ち会っているナコルルもここで口を開いた。
「私も。お父さんとお母さんは」
「御前もいないのだ!?」
「はい、流行り病で死にました」
 まさにそうだというのである。
「今は妹と祖父母、そして動物達と一緒です」
「御前もそうだったのだ・・・・・・」
「そうです。一緒です」
 ナコルルの言葉は続く。
「私達は一緒です」
「けれど鈴々は」
「悪戯をするのは寂しいからだな?」
 関羽はここでまた言ってきた。
「そうだな」
「それは・・・・・・」
「もう止めろ」
 また張飛に言った。
「そんなことは。そんなことをしても何にもなりはしない」
「けれど鈴々は」
 また言いはした。
「それでも」
「県長のところになら一緒に行ってやる」
「私もです」
 二人の言葉は優しいものになっていた。
「ですから。もう山賊は」
「・・・・・・・・・」
 張飛の手が止まってしまった。
「わかったのだ。もう鈴々は」
「山賊はもう止めるのだな」
「もうしないのだ。ただ」
「ただ?」
「負けたのだ」
 項垂れての言葉だった。
「勝負には負けてないけれど負けたのだ」
「では何に負けたのだ?」
「御前自身に負けたのだ」
 こう関羽に言ったのである。
「だから。もう好きにするのだ」
「おい、だから私はだ」
 ここでまた言う関羽だった。
「御前を捕まえるとかそういうのじゃない」
「県長に謝らせる為なのか?」
「そうだ。明日の朝麓で待っている」
 時間と場所を告げた。
「そこで会おう」
「待つのだ」
 しかしここで張飛は去ろうとする関羽とナコルルに言った。
「夜の山は危ないのだ」
「むっ!?」
「ここに泊まっていくといいのだ。二人でなのだ」
「ナコルル、どうする?」
「そうですね。ここは」
 ナコルルはちらりとその張飛を見た。そして言うのだ。
「張飛さんの御言葉に甘えまして」
「そうさせてもらうか」
「はい、そうさせてもらいましょう」
 こう話して今は張飛のアジトで休んだ。三人で簡単な食事を囲んだうえでまずはナコルルが風呂に入りだ。次は関羽が入るのであった。
「妙なことになったな」
 つい風呂の中で言ったのだった。
 
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