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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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1部分:第一話 関羽二人の少女と会うのことその一


第一話 関羽二人の少女と会うのことその一

              恋姫伝説  MARK OF THE FLOWERS
               第一話  関羽二人の少女と会うのこと
 時は二世紀も終わり。この頃中国は戦乱の中に陥ろうとしていた。
 長きに渡って繁栄を極めた漢王朝も衰え国中に賊が蔓延り群雄達が台頭しようとしてきていた。その中で今闇の勢力もまた胎動しようとしていた。
「はい、左様です」
「俺達がそうさ」
 闇の中である者達が話をしていた。
「あんた達の探していた人間よ」
「まあ一応は人間だけれどね」
「左様ですか」
 慇懃な声が四人の声に応えていた。
「貴方達がですね」
「その通りです。こちらの世界に参りました」
「まあ俺達はここで復活させればいいだけだしな」
「それはそれで面白そうだし」
「ここにも強い奴は一杯いるんだよね」
 四人はそれぞれその慇懃な声に応えていた。
「その通りです」
「それは安心してくれ」
 慇懃な声だけではなかった。もう一人いた。
「女性が殆どですが」
「強い奴には事欠かない世界だ」
「そうですか。それは何よりです」
「まずは力と力のぶつかり合いからだからな」
「それが私達の神を復活させるさらなる力になるから」
「好都合だからね」
 こう話す四人だった。そして彼等はさらに言うのであった。
「それにです。私達だけではありません」
「といいますと」
「そちらの世界からも来るのか」
「はい」
 四人を代表して一人が答えてきた。
「その通りです。大勢の方がこちらに来られます」
「どうやら。私達の思惑は気付かれているようですね」
「そうだな」
 二人はそれぞれ言った。
「既に彼等には」
「隠したつもりだがな」
「いえいえ、それはそれでいいことです」
 また四人の方から声がしてきた。
「あの方々の目の前で私達のことを成就させるだけですから」
「自信がおありなのですね」
「見たところ」
「無論です」
 こう二人に答える彼だった。
「まずは私の風と」
「俺の大地」
「そして私の雷」
「僕の炎があるよ」
 四人は実に楽しそうに話してきた。
「あちらもまず四神がいて」
「四仏もいるわね」
「そして三種の神器もね」
「ふむ。あちらの世界も面白いのですね」
「そうだな」
 二人は四人の言葉を聞いて述べるのだった。
「そうしたものが存在しているとは」
「どうやら。面白い戦いになりそうだな」
「はい、楽しませてもらいます」
「是非な」
 四人のうちの二人が応えてきた。
「これから思う存分」
「そうさせてもらうからな」
「じゃあこれで決まりね」
「面白おかしくやろう」
 後の二人も言ってきた。
「この私の雷も退屈で仕方がなかったし」
「僕も暴れたくてうずうずしていたし」
「はい、それでは」
「楽しくやるとするか」
 闇の中で何かが胎動していた。そして今中原に謎の影達が降り立った。それに気付いた者は今は誰もいはしなかった。
 幽州。ここは漢の北の端にある。太守は公孫賛というが彼女のことを知る者はまるでいない。その涿県において今一人の長い黒髪の少女が三人の賊と対峙していた。
 
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