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七色唐辛子

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第三章

「凄い色にね」
「やっぱりなるか」
「これはなるわね」
 実際にというのだ。
「だから楽しみにしておいてね」
「ああ、それじゃあな」
「ただ。あなたが作ったら」 
 実はチャンコットが家の料理を作る時もあるのだ、妻が忙しい時は。
「特にカレーはね」
「どうなるっていうんだ?」
「モザイクになるかも」
「俺は何でも入れて混ぜるからな」
「そうするの好きだからね」
 そうした料理を作ることが好きだというのだ。
「それでよ」
「モザイクになるか」
「多分そうなるわ」
 こう夫に言うのだった。
「その時はね」
「そうか」
「けれど私はそこはきちんとする方だから」
「配色はな」
「だから楽しみにしていてね」
「唐辛子を混ぜないんだな」
「そうよ」
 具体的に言うとそうだというのだ。
「それぞれの色でね」
「分けるか」
「そうするから」
「だからか」
「奇麗にするから」
「モザイクも奇麗だろ」
「モザイクとはまた違った感じよ」
 そうした奇麗さにするというのだ。
「だからね」
「そこもか」
「楽しみにしてね」
「待ってろっていうんだな」
「ゲームでもしながらね」
「そうだな、じゃあやるか」
 チャンコットは妻の勧めに従ってこれまで観ていたテレビのスイッチを切った、そうしてから自分のスマホを出してゲームをはじめた。
 そうしつつだ、妻を待っていると。
 食事の時間になったがだ、彼はテーブルに着きつつ少し不満を言った。
「まだ五時半だとな」
「子供は誰もね」
「帰って来ないな」
「うちの門限六時半でしょ」
「だったらあと一時間の間にか」
「いつもそうでしょ、一気にね」
「帰って来るな」
「しかも門限の時にね」 
 その六時半にというのだ。
「だからね」
「今あれこれ言っても仕方ないか」
「いつもだしうちはその門限もね」
 決めているそれもというのだ。
「実質七時まででしょ」
「部活とか遅れるからな」
「そのまま塾に行ったりもするし」
「じゃああれこれ言わないでか」
「子供達より先にね」
「飯食うか」
「今からね」
 こうしたことも話してだ、そしてだった。 
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