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風魔の小次郎 風魔血風録

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81部分:第八話 聖剣伝説その四


第八話 聖剣伝説その四

「私にしろいずれは結婚するのだしな」
「まあそうだよな。御前だって一応は女なんだしな」
「だから一言余計だ。まあいい」
 それはいいとした。
「とにかく早く食べろ。いいな」
「わかったぜ。それじゃあな」
「学校で待っているぞ」
 こう言い伝えると彼女はその場を後にした。食事の間では風魔の面々が集まって卓を囲んで話をしている。やけに賑やかである。
「なあ小龍」
「何だ?」
 小龍は劉鵬に対して応えた。
「御前最近よく食うな」
「育ち盛りだからな」
 御飯のおかわりを入れながらまた劉鵬に応える。
「食わないと身が持たん」
「いや、それでもだ」
 劉鵬はさらに言い加える。
「今度で三杯目か?」
「四杯目だ」
「余計に食い過ぎだろう?食い過ぎは身体の動きが鈍くなるぞ」
「御前に言われてもな」
 その言葉にはこう反撃を返した。
「あまり説得力はないと思うが」
「うっ・・・・・・」
「少しは林彪みたいに体術に磨きをかけたらどうだ?」
 続いて攻撃を浴びせる。今度はこう言う。
「力だけじゃなくてな」
「力も大事だろうが」
「御前はそれと防御力に偏り過ぎているんだよ」
 小龍の言葉は容赦がない。
「もう少しスピードを磨かないと苦労するぞ」
「そうですよね、やっぱり」
 麗羅も小龍のその言葉に笑顔で頷く。
「劉鵬さんが素早くなったら余計に凄いですよ」
「そうかな」
 首を傾げながら飯を頬張る劉鵬だった。
「俺はそこまでは思わないがな」
「まあ自分では気付かないからな」
 兜丸も参戦してきた。
「欠点ってやつにはな」
「俺も今一つパワーが足りない」
 林彪は劉鵬と正反対であった。
「少し劉鵬みたいに大きくなってみるか」
「じゃあ牛乳飲め牛乳」
 兜丸がそれを薦める。
「でかくなるぞ、こいつみたいにな」
「じゃあそうしてみるか」
「そういうことだな」
「ところでだ」
 ここで霧風が口を開いてきた。
「小次郎は何処だ?」
「あれっ、そういえば」
「いないな」
 兜丸と劉鵬はここで彼に気付いた。
「何処に行きやがったんだ」
「あいつが飯時にいないなんてな」
「素振りをしている」
 竜魔が一同にクールに述べてきた。
「庭でな」
「へえ、素振りねえ」 
 兜丸はそれを聞いて意外といった顔になった。
「またそれは随分熱心だな」
「あいつが飯時なのを忘れてか」
 劉鵬はそれが意外であった。
「全く。おかしなこともあるもんだな」
「そうだな」
 それに林彪が頷く。
「何かの天変地異の前触れか?」
「雨でも降るかもな」
 劉鵬がこう冗談で言ったその瞬間だ。何と。
 雨が降ってきた。そのうえ雷までも鳴る。言ったその瞬間に。
「・・・・・・嘘だろ」
「言っておくが俺じゃないからな」
 雷を使う兜丸が一応言う。
「今ここにいるからな」
「そうだよな。たまたまだ」
 劉鵬は半分自分に言い聞かせていた。
「これはな」
「そうですよね、本当に」
 麗羅も少し焦っている。
「たまたまで劉鵬さんのせいじゃ」
 そういうことにしようとした。そこにずぶ濡れになった小次郎が入って来るのだった。やはり上半身裸でズボンだけを穿いている格好であった。
「・・・・・・小次郎君」
「飯、あるぞ」
「・・・・・・ああ」
 少し呆然としながら麗羅と小龍に対して応える。とりあえずは彼も食事にするのだった。
 
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