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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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51.逃がした魚は大きい。でも後悔なんてしてないんだから!

<サラボナ>

「ぶぃ~い!ルドルフは何処だ!隠すと為にならんぞ!」
何これ?
「まぁいい…眠気覚ましにお前らを「あはははは!何これー!?」
俺は現れた怪物を見て、腹を抱えて笑い転げた。

「あはははは!すげー不細工ー!あはははは…でも可愛いー!」
「な!?に、人間…」
「あはははは!不細工で可愛い!あはははは…ぶさかわ!あはははは!ぶさかわ、ぶさかわ!!あはははは!!」
「い、いい加減にしろー!不愉快な人間め!!」
でかい化け物が怒号を発する!

俺は笑うのを止めて正面から向き直る。
今の怒号で、双子を始め皆緊張している様だ…が、
「ぷー!!…やっぱムリ!だってぶさ可愛いんだもん!あはははは…」
ムリでした。
我慢出来ませんでした。

「このブオーン様を舐めるなー!」
自称ブオーンが大きな腕を振り下ろす!(名前は不細工だね!)
皆、辛うじて避けた様だが足場の悪いこちらは不利だ!
俺は振り下ろされた腕を伝い、ブオーンの頭へ近付き3つある内の額にある瞳に剣を突き刺した。
「おいたはいけません!」
ブオーンは頭を抱え苦しみもがいている!
上下左右に頭を振る為、俺は突き刺した剣にしがみついていたが、剣が抜けてしまい勢い良く振り飛ばされた。

俺は先程まで居た塔の最上階をイメージし、魔法を唱えた。
「ルーラ」
「お父さん!大丈夫!?」
短距離ルーラに成功です。
ポピーが俺を心配してくれた。
「イェ~イ!結構楽しかったでぃす」
他のみんなはそれぞれ魔法等で攻撃を行っているが、俺はポピーを高い高い(+放り投げ)をしてじゃれ合っている。
「キャー!お、お父さん、やめて!高いの怖いの!ヤメテー!」
どうやら娘は俺と違い賢いらしく、高い所が苦手の様だ!

そうこうしていると、ティミーのライデインがブオーンに直撃し力尽き倒れてしまった。
やがてブオーンの身体は消滅し、跡には大きな宝箱が残った。



俺達は塔を下り、宝箱を開けに行く。
開けると中には豪華な赤いマントが一つ…
それと奇妙な生き物が1匹入っていた。
「ぷ~?」
スライムより、ちょい大きめのサイズの小型ブオーンが、邪気の無い瞳で見上げている。

ちょー可愛いー!
いや、やっぱりぶさ可愛い!
「イェ~イ!お前は今日から『プオーン』だ!あはははは…ぶさかわー!」
俺はプオーンを高い高い(+放り投げ)し、じゃれあっている。
「ぷー!ぷー!!」



<サラボナ-ルドマン邸>

「わっはっはっは!私が準備をしている間に化け物を倒してしまうとは!いやー、愉快!愉快!」
準備~?
逃げ出す準備か?
「しかも息子が伝説の勇者とは!運命とは面白い!わっはっはっは!」
ルドマンさんは豪快に笑い続ける…そりゃそうだ。どでかい化け物と戦わずに済んだのだから…いい気なもんだ!

「あの、ルドマンさん!天空の盾をお借りしてもよろしいですか?」
ティミーが遠慮がちに問いかける…このオッサンに遠慮など不要なのに…
「貸すも何も、その盾は元から勇者の持ち物だ!持って行きたまえ!ティミー君」
「ありがとうございます」
勇者にしか装備が出来ない勇者様の物なのだから、お礼など不要なのに…真面目だなぁ…
俺似?………じゃないよなぁ…

「それとリュカ。あの化け物との戦闘で手に入れたマントだが、あれは『王者のマント』と言い、かなりの物らしい」
「へー!(ぷー!)」
だから何だ!
「………こ、今回巻き込んでしまった詫びに持って行ってくれないか?」
「え~!?(ぷ~!?)」
コレが詫びぃ~?
「進呈してイヤがられるとは思わなかった!」
相変わらず恩着せがましいオッサンだな!

「だって『王者のマント』でしょ?(ぷー?)僕には似合わないと思うな!(ぷー!)」
「試してみなければ分からんだろう!」
「そうかなぁ?(ぷ~?)」

「さっきから何なんだ、そいつは!?」
何だチミはってか!?
「あ!紹介が遅れました。新しい友達の『プオーン』です」
俺は膝の上で抱いていたプオーンを持ち上げ、ルドマンさんの鼻っ面に押し付ける様に見せつける。
「ぶさかわでしょ!」
「…ぶ、ぶさかわ?……そ、そうか…まぁ…今回は助かった。…本当にありがとう…」
そこまで言うとルドマンさんは疲れたのか、溜息を吐いて自室へ戻ってしまった。
失礼な態度だ!


「ちょっと!パパ疲れ切っていたけど何やらかしたのよ!リュカ!」
するとルドマンさんと入れ替わりで入ってきたのは、長女のデボラだ!
そのケバケバしさに双子が引いている。

「僕は貴女と違ってルドマンさんを困らせる様な事はしませんよ」
デボラは俺の言葉を聞き、気分を害した風もなく人の悪そうな笑みで話し始める。
「言うじゃない!まぁいいわ。この町を救ってくれてありがと。一応、礼を言っておくわ。しかし、相変わらず厄介事に巻き込まれる体質ね!」
俺はデボラに近付き、徐に胸を揉む。
「相変わらずなのはデボラのオッパイだよ!でけーなー!(モミモミ)」
(バリッ!)
おもっきし顔を引っ掻かれました!

「気安く揉んでんじゃないわよ!あんたのじゃないのよ!9年前に手に入れるチャンスを逃したのよ!理解しなさいよ!」
揉んでくれと言わんばかりに胸を突き出していたから思わず揉んでしまったが、やっぱりダメだったか…
「あんたが田舎娘と結婚するから、私の義弟があんな情けない男になるんじゃない!責任取りなさいよ!」
「え!?フローラ、結婚したの!?誰と?」
くそ!
ちょっと大人の火遊びを期待してサラボナへ来たのに…誰だ!
俺の女に手を出したヤツは!
「前のゲストハウスに住んでいるから、自分で確認しなさいよ」
許せん!
弱そうなヤツだったら、ガツンと一発ぶちかます!
強そうなヤツだったら………『おめでとう』って挨拶する!


(バン!)
俺は勢い良く元ゲストハウス(現フローラ夫妻の新居)の扉を開けた。
「たのも~!」
中には勿論フローラが居た。

そしてフローラの手を握り、イチャ付いている男が一人………って、アンディじゃん!
「え~!アンディなのぉ~?」
結局お前か!
「な、何ですか!?リュカさん!僕がフローラの夫じゃ不満ですか?」
「イイエ。ソンナコトナイヨ。オメデトウ」

「クスクス。相変わらずですねリュカは!お元気でしたか?」
「はい。元気に8年間、石になってました」



「相変わらず壮絶な人生を送っているのですね!」
フローラが俺の為に涙を流してくれた。
「ちょ、泣かないでフローラ!この8年間は全く記憶が無いんだ!気付いたら8年過ぎてた。そんな感じ。だから辛くは無かったんだ。むしろ子供達の方が辛かったと思う」
俺は美女の涙が苦手なんだ…
「ふふっ、じゃぁ泣くのは失礼ですね。ごめんなさい」

この後、アンディ・フローラ夫妻と共に楽しい時間を過ごさせてもらった。
ただ残念なのは、口説こうと(夜這いしようと)思ったけど旦那が居るので諦めざるを得ない事だ!

あ!デボラが居んじゃん!



実行しましたが、蹴り上げられ挫折しました。
痛いのぉ~



 
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