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夢幻水滸伝

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第五話 出雲へその七

「そっちも努力するんや」
「政か」
「そっちの資質もあるさかいな」
「頑張らなあかんや」
「そや、訓練や修行、経験に学問や」
 鵺は具体的な努力の方法も話した。
「自分も頑張るんやで」
「そうするわ」
「うちの軍勢見るんや」
 鵺は今度は今現在中里が率いて出雲に向かわせている彼等のことを話した、陣笠の足軽達に陣羽織を羽織った部将達だ。見れば中里も紅の見事な人馬尾を具足の上から羽織っているがこれはこの世界に来てから着ているものだ。
「整然と動いてるやろ」
「隊列を乱さずにな」
「足の動きもまとまっててな」
「行進してるみたいや」
「人間、エルフ、ドワーフ、ホビット、ノームとおってな」
 見れば構成している種族も様々だ。
「オークもトロルもおるな」
「犬人、猫人までな」
「けれど整然と動いてるやろ」
「ああ」
「これも訓練してるからや」
 その結果だというのだ。
「それで命令も聞くんや」
「僕も動かしやすいか」
「そや、強い軍隊は訓練が作るんや」
「つまり努力でやな」
「そういうこっちゃ、実戦もあるけどや」
「訓練っちゅう努力で強なる」
「どの種族でもや」
 鵺はこのことも話した。
「努力で強くなるんや」
「この世界のか」
「確かにそれぞれの種族で得手不得手はある」
「けれどその得手不得手も努力でか」
「よくなる、身体能力も頭もや」
「努力でよくなるんや」
「そや、どんな種族でも何でもや」
 学問や訓練、修行でというのだ。
「どんな職業でもなれるし術も使える」
「つまりどの種族も大差ないか」
「人間やとな」
「僕の世界の漫画とかゲームやとオークとかは悪役で弱くてアホでドスケベってことが多いけどな」
「それはあかん偏見ですよ」
 オークの部将が言ってきた。
「わし等も人それぞれですさかい」
「そやねんな」
「そうです、ええ奴もおればそういう奴もいます」
「種族やなくてその人それぞれ」
「そういうことですわ」
「考えて見れば僕も鬼や」
 中里はこの世界での自分のことをここで考えた。
「鬼も悪役やしな」
「鵺はどや」
「自分退治されるし」
 すぐに鵺に答えた。 
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