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ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神

作者: 革命者
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第四章:停止教室のヴァンパイア/転螺拳の火在輪
  Change4:臆病なヴァンパイア~Governor of the future~

授業参観から一日たった頃俺たちオカルト研究部メンバーは急行者のある一室の扉の目の前に集めれれていた。

確かリアス部長が『開かずの間』と言っていて、この部屋の入室を禁止していたな。

まあ、その証拠に『KEEP OUT』のテープが扉に厳重に貼られている。一応俺の脅威になる存在の可能性があったため周りを調べてみた結果、魔法や呪術などの封印処置も施されていることがわかった。

そして部屋の中にはイッセー達と同じ悪魔の生命反応があった。

恐らくリアス部長のアーシアに続く『 僧侶ビショップ』がいる部屋だと思うが。

「ここに部長のもう一人の『僧侶』が?」

「ええ。そうよシン。その子の能力が強すぎるため私では扱いきれないと考えたお兄様の指示で、ここに封印しているの」

力が強すぎるか・・・。

しかも魔王の直々指示となると厄介な能力だろう。

どのような能力か少々気になるところだな。

「一応ライザーの件やコカビエルの件を通して、もう封印を解除してもいい頃合いと、昨日お兄様から言われたの。┉┉でも、ほとんどシンが解決したから正直解放していいか迷っているのだけれど」

「迷う必要ないと思いますよ。リアス部長」

「!?┉┉どういう事かしら┉┉」

「あくまでこれはリアス部長の功績です。なぜなら貴方はイッセーやアーシアといった最高の眷属に出会いそして俺やテュール、羽衣と出会った、これはリアス部長貴方の持つ"引き寄せる"才能があったからこそです。それに皆以前より異常な成長スピードで強くなっていますよ」

そう、確かに客観的に見れば俺が全てやった様に見える。だがこれもリアス部長やイッセーと出会った結果だ。

もし俺と皆が出会わなければ最悪の結果になってしまっていたからな。

「ありがとうシン。それにしても貴方って本当に私の一つ年下なのかしら?言動や言葉遣いを見てきているけどどうしても年上にしか見えないわね」

「そうですわね。シンくんからはどこか大人の様な雰囲気が感じられますわ」

「シン先輩は大人って言われても納得します」

「そうだね。シンくんからどこか年期を感じるよ」

「何言っているんですか、貴方の方がこの世界で俺より長生きしているじゃないですか。それにこうして俺が敬語使っていますし」

全くリアス部長や皆は戦闘関連では洞察力は普通だが日常的な言動には敏感だな。

正直俺の正体もバレるのも時間の問題か。

まあ、それもリアス部長や皆の成長ってやつなのかもな。

「そうね。悪かったわ。皆開けるわよ」

リアス部長が封印されている扉に手をかざすと魔術や呪術などの封印が解かれ『KEEP OUT』のテープが消える。

一体どれ程の能力を持ったリアス部長の眷属がいるのだろうか?

俺がそんなことを考えているとリアス部長が扉を開ける。

「イヤァァァァァアアアアアアッ!!」

リアスが扉を開けた瞬間まるで恐ろしい物を見たかの様な女性の様な叫びが聞こえた。

イッセー、アーシア、ゼノヴィアが驚いていた。

だが木場と小猫はまるでいつもの光景を見ているような表情で、リアス部長と朱乃さんはまるでいつもの反応に呆れているようにため息をつき例の部屋に入っていった。

どうやら部屋の住人は少々難があるようだな。

『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』

『な、な、何事なんですかぁぁぁ!?』

部屋からリアス部長たちと例の『僧侶(ビショップ)』の会話が聞こえてきた。

正直普通に突っ込ませて貰えば、こちらが何事と言いたい。

何で扉を開けた位で狼狽するんだ?

俺の知り合いも少し状況と境遇が違ったが┉。

『ようやく出所か、迎えるのが遅えんだよ。調子のってるのか?あ"?』

なんて言っていたからな。

『あらあら。もう封印が解けたのですよ? もう自由にお外に出られるのです。さぁ、私達と一緒にここを出て新しい仲間に挨拶でもしましょう?』

朱乃さんが今の状況を簡単に説明して叫び声の主をなだめようとしている。

『いやですぅぅぅ!ここがいいですぅぅぅ!別に僕なんて会わない方がいいんですぅ!!お外怖いです!!!』

おいおい┉。

優しく教えてもらっているのに部屋から一歩も出ないとは。

これは俗に言う重度の引きこもりとコミュ障ってやつだな。

とりあえず声の主、もといリアス部長のもう一人の眷属の『僧侶』が気になった俺は部屋に入り中の様子を見てみると、一般の女子高校生のような部屋で所々フリルの装飾がされていた。

しかし部屋は薄暗く、さらに部屋の中央に棺桶があった。

もしかしてリアス部長のもう一人の『僧侶』は俗にいう吸血鬼なのか?

そしてリアス部長達がいるところに視線を移すと、そこには金髪で赤い双眸の小柄な女性だった。

だが、あくまで見た目だけだ。

「リアス部長。今リアス部長の目の前にいる人物がもう一人の『僧侶』で見た目は一見女性ですが、実際は男性ですよね」

「あら、流石シンね。そうよこの子がアーシアに続くもう一人の私の『僧侶』よ。そして見た目は完全に女性だけど実際は男の子よ」

リアス部長の説明に驚くアーシアとゼノヴィア。だがイッセーは何故か涙を流していた。

「チクショウ・・・てっきりアーシアとのダブル金髪美少女かと思っていたのに・・・」

どうやら一番衝撃を受けたのはイッセーのようだ。まあ、イッセーの性格上これが正当な反応か。

俺は見ただけですぐに目の前の『僧侶』が男だとわかった。

まあ、理由としては言動や容姿は女性だが、体格をよく見れば身長に相応の女性特有の変化がない。それに体格が若干男よりだ。

でも、部屋に引きこもる性格の奴が何故女装をしているのだろうか?見せる相手がいないのに。

「なんで、引きこもりが女装してるんだよッ⁉︎」

俺が質問しようとしたらイッセーが先に質問してくれた。

「だ、だって女の子の服の方が可愛いんだもんッ!」

「もん、とかいうなぁぁぁ‼︎」

そして、女性らしい返答にイッセーはまた嘆いていた。

男子高校生って色々大変だと思った。

そして…。

「人の夢と書いて儚いんだよな」

「シン‼︎小猫ちゃんみたいなこと言わないで!」

「そうですシン先輩。それは私が言うセリフですから盗らないで下さい」

「お、おう…」

俺ってもしかして余計なことしたのか?

『まあ、小猫ちゃんの役割を奪ったのは事実ね』

そうなのか…よくわからんな色々と。

「まあ、とりあえず改めて紹介するわ。この子の名前はギャスパー・ヴラディ。アーシアと同じ私のもう一人の『僧侶』よ。そして、元人間と吸血鬼のハーフなの」

「「吸血鬼⁉︎」」

吸血鬼か。いや確か人間とのハーフだから、確かデイウォーカーと言ったか?

そしてもう一人の『僧侶』ギャスパーの口元に小さな八重歯が小さくきらめいた。




ー◯●●●●●◯ー




「外に出るのは嫌ですー‼︎」

「はあ、困ったわね」

あれから数分経ったがギャスパーはリアス部長と朱乃さんの説得を聴いても部屋から一方的に出ようとしなかった。

正直二人は優しく説得しているのに当の本人は出たくないの一言。正直ここまで重症の引きこもりは見たことはない。

とりあえず訳を聞いてみるしかない。

「確かギャスパーとかいったな、そんなに自分の部屋から出たくないのか?」

「そ、そうですぅぅぅ…。あ、あのすみません貴方は……」

「おっと自己紹介がまだだったな。俺の名前は神無月シン。今の所はリアス部長の協力者をしている。以後お見知り置きを」

「同じく妾もリアス部長の協力者、羽衣九狐じゃよろしゅうな」

そしてイッセー達も自己紹介を済ませる。

「話が逸れたが、何故お前は頑なに外に出ようとしたんだ?もう出で良いと許可は下りたんだぞ」

「魔王様の許可が下りても嫌ですぅぅぅぅ‼︎お外怖いですぅ‼︎それに僕が外に出れば皆さんに迷惑が掛かるですぅぅ‼︎」

迷惑?もしかしてリアス部長が言っていた危険な能力の事か……?

俺がさっきの発言の意味を考えているとイッセーが前に出てきた。

「男のくせに何駄々こねているんだよ‼︎ほら部長達が言っているんだ、部屋から出るぞ!」

しびれを切らしたイッセーが強引に連れ出そうとギャスパーの肩を掴んだ時ーーーー。

ーーーー周りの景色が灰色になった。

いや、正確には時が止まっているの方が正しいか。

「おやおや、時間停止とわのう。中々趣な芸をするのう」

「ど、どうなっているんだ⁉︎シンと羽衣以外みんな動いていないぞ⁉︎」

イッセーは状況が飲み込めていないようで困惑しており羽衣は俺と同じく今の状況を把握している。

それにしても状況から推測するに恐らくこれがギャスパーの能力か、当の本人はいつの間にか移動したか部屋の隅で怯えている。

それにしても時間停止能力か。確かに厄介極まりなくそして危険な能力だな。

しかもこの状況恐らくギャスパーは自身の能力を制御しきれていない。

とりあえず話が進まなくなるので能力を解除してもらおう。

「ギャスパー、そろそろ能力を解除してもらえないだろうか?」

「な、何で動けるんですかぁぁぁぁ!?」

どうやら本人にですら状況が飲み込めていないようだ。

そして停止の効力が切れたか、部屋の景観の色彩が元に戻り停止していたみんなも動ける様になった。

「あれ?今何かされたような気がします…」

「そうだな…確かに何か術を掛けられた様な…」

ゼノヴィアとアーシアはイッセーと同じく状況が呑み込めておらず、木場や朱乃さん、小猫はまるでいつものことのようにあきれた表情をしていた。

「怒らないでください!!怒鳴らないでください!! ぶたないでくださぁぁぁぁいっ!」

当の本人はまるで虐待を恐れているような言動をしていた。

そうまるで、過去に本当に虐待を受けていたかのような。

「大丈夫じゃ。妾たちはおぬしに危害を加えるつもりわない。それに面白い体験をさせてもらったのでな、むしろ感謝しておる」

「ほ、ほんとですか?」

「そうだ、みんなに危害を加えていないし敵意も感じない別にお前を咎めたりしない」

まあ、こんなメンタルだ。能力が暴発するのも仕方ない。だが放っておくのも問題だな。

どうするべきか…。

「この子の能力神 器(セイクリッドギア)の名前は停 止 世 界 の 邪 眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)名前の通り視界に移した相手の時間を停止させる能力よ。でもシンと羽衣さん。そしてイッセーには効果が薄いから大丈夫よ」

「なぜですか?部長」

確かになぜ俺たちに効かなかったのか気になる。

「おそらく宿主と実力が離れすぎている対象には効果がないみたいなの。これはお兄様とグレイフィアが証明してくれたわ」

なるほど。おそらくギャスパーはサーゼクスとグレイフィアさんの目の前で力を暴発させたのか。

「それでね。シン、イッセー。あなたたちに頼みたいの」

「もしかしてギャスパーの件ですか?」

「さすが察しがいいわね。私と朱乃はこれから数日後に行われる三大勢力の会談の打つ合わせとその準備に向かわなければならないの」

三大勢力の会談?初耳だな…。

「いつの間に大きな話が話が進んでいたんですか?」

「ああ、あの時はシンは部活に来てなかったわね。実はコカビエル襲撃の件で三大勢力が現状の整理や今後の在り方について会談することになったのよ」

なるほど。それなら納得だな。

しかし三大勢力となると、天使…神の勢力も来るのか。

「わかりました。ギャスパーはこっちで何とかします」

「よろしくね。それと祐斗あなたも同行して頂戴。お兄様があなたの禁 手(バランスブレイカー)について話がしたいみたいだから」

「了解です部長。シン君、イッセー君。ギャスパー君のことは頼んだよ」

「ああ」

「おう!!任しとけ!!」

「それと会談であなたのシン。あなたに出席して欲しいと三大勢力の代表者全員から打診が来ているからかが得て頂戴。ではまたね」

「え?ちょっと・・・・・・」

そして三人は魔法陣で転移していった。

まさか魔王と堕天使の総督に続き今度は天使のお偉いさんまでこんなに早く邂逅することになるとは本当にこの世界…いや俺の運命はどうなっているのやら。

それに三大勢力の幹部クラス全員の打診かよ…。

まあそれはあよで考えることにしよう。

さてギャスパーをどうしましょうか………。






ー◯●●●●●◯ー





あれからギャスパーのコミュニケーション障害とメンタルの弱さを改善するためにいろいろやっている。

現在は…。

「疲れた体にはニンニクが良いよ」

「に、ニンニクぅぅぅ!?」

小猫がニンニクを持ちながらギャスパーを追いかけていた。しかもどこか楽しそうだ。

しかもさっきまでゼノヴィアがデュランダルを片手にギャスパーを追いかけておりその時もゼノヴィアもどこか楽しそうだった。

「愉快じゃのう、シンよ」

「ノーコメントだ」

「俺もシンと同じく」

「はわわわ…私はどのようにコメントすればよいのでしょうか?」

「おー、やってるなオカ研」

すると匙がこちらに来ていた。

大方封印されていたギャスパーの見学にでも来たのだろう。

「よっ!!二人とも。噂の眷属を見に来たぜ。今どこにいるんだ?」

「小猫ちゃんに追い回されているのがそうだよ」

「おお!!金髪美少女じゃねえか!!」

あ、まさか…。

「だけど引きこもり女装男子だがな」

「嘘だぁ!!んなの詐欺じゃねぇか・・・・つーか、引きこもりが女装って・・・・誰に見せるんだよ!!」

「わかるぞ!!わかるぞ!!匙よ!!」

まあ、こうなるわな。まったくいまいち現代の男子高校生の完成に追いつけないな。はあ~。

『どうしたのいきなり爺むさくなちゃって』

別に。ただなんというか少しもどかしくてな。

それと、またあの客人が来たようだな。

しかも。

「ん?あそこにだれかいるような……」

「フフッ…。面白い者が来たのう」

羽衣とイッセーはどうやら客人に気づいたようだな。

イッセーに関してはとんだ成長だな。まったく

まあ、とりあえず―—――――-。

「堕天使の総督はなんでここに来たんだ?木場ならここには居ないぞ?」

「「「えっ!?」」」

「気配は完全に消していたんだけどな。さすがコカビエルを倒した存在とその攻撃を軽く受け止めた羽衣狐のことだけはある。だが赤龍帝までに気配を察知されたのには驚きだな」

「気配を消しても場の空気やわずかな音。それにあんたみたいな強力な存在ならいやでも近づくのを感じるぞ。アザゼル」

俺と羽衣以外は俺の向いている方向に一斉に視線を向けそれぞれ自身の武器を構えアーシアはイッセーの後ろに隠れた。すると視線の先にある森林からアザゼルが出てきた。

「お、おい!!シン。アザゼルってあの堕天使の…」

「ああ、その通りだが」

「なんで羽衣とお前は警戒しないんだよ!!」

「別に警戒の必要はないだろう?敵意もないしのう」

「同じく」

とうのアザゼルは笑っている。

「やる気はねえよ。ほら、戦闘態勢を解けって。そこの奴と羽衣狐以外を除いて俺に勝てる奴がいないのは普通にわかるよな。まあそこの赤龍帝なら手負いまでには追い込むことはできるだろうが」

どうやら俺を除いて他の奴らの実力を数秒で見抜くとは。堕天使の幹部は伊達じゃないってことか。

「ま、それに今回はお前さんと赤龍帝にお詫びに来たんだよ。まあ聖魔剣使いに会えないのは残念だがな。すまなかったなうちのヴァーリが勝手に接触して」

「いえ、”今回は”何もなかったので大丈夫だ。だが一つ忠告だアザゼル」

「ん…なんだ?」

「あいつは危険だ」

「…………」

そう、奴はある意味危険だ。しかもおそらく近い将来おそらく俺たちに対してよろしくない行動をしてくるのはほぼ100%に近いだろう。

「ご忠告ありがとさん。じゃあ俺は帰るわ」

まったく人騒がせな堕天使の総督だな。

「それと会談の件、考えといてくれや。ぜひ出席してくれることを祈るぜ」

「考えておく」

そしてアザゼルは森の奥へと消えていった。







 
 

 
後書き
どうも革命者です。

投稿がかなり遅くなりすみません。何とか仮のノートパソコンを手に入れ早急に執筆作業をしていました。何とか作業が円滑に進んだのでこれでいつも通りのパースで書けそうです。

それと投稿ペースを一週間に一話を目指したいと思います。

では次回のあとがきで
 
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