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Blue Rose

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第五十話 入試テストその八

「もうそれでな」
「他の大学は受けないわよね」
「そうするよ、レベルもあそこが一番上だし」
 大学の偏差値もというのだ。
「俺が受ける中じゃな」
「だからなのね」
「もう受けないさ」
 八条大学に合格していたらというのだ。
「それでな、それで長崎に行くな」
「そうするのね」
「御前もそれは一緒だろ」
「ええ、八条大学に合格していたら」
 そうしていたらというのだ。
「もう他の大学は受験しないわ」
「そうだよな、御前も」
「福岡行きたいわ」
 すっきりとした気持ちでというのだ、大学に合格して。
「それでラーメンも鶏肉も食べたいわ」
「だよな、やっぱり」
「お鍋がいいかしら」
 鶏肉ならというのだ。
「冬だし」
「いいな、鶏鍋か」
「そうでしょ、焼酎を飲みながら」
 酒の話もだ、優花はした。
「いいわよね」
「あったりまそうだな」
「福岡もあったかいけれど」
 神戸に比べてだ、神戸は後ろが山なのでそれで言ったのだ。
「やっぱり冬だからね」
「寒いことは寒いか」
「長崎でもね」
「寒いか」
「そう、あったまりたいし」
「鍋に焼酎か」
「そちらも楽しみたいわね」
「じゃあ合格したらな」
 その時はとだ、また言った龍馬だった。
「行って来いよ、福岡」
「そうするわね、ただドームはね」
 福岡ドームについてはだ、優花は微妙な顔になって話した。
「行かないでしょうね」
「シーズンも終わってるしな」
「それにあそこで阪神いつも負けてるし」
「ああ、そういえばそうだな」
 龍馬も阪神の話になってだ、バツの悪い顔になって頷いた。
「阪神ソフトバンクに弱いからな」
「交流戦でもシリーズでもね」
「特にシリーズでな」
「ずっと負けてるでしょ」
「甲子園でも負けてるけれどな」
 シリーズはホークスが親会社が南海だった時もダイエーだった時も負けている、しかしロッテに対するよりは試合の勝率はいい。
「やっぱり敵の本拠地だしな」
「余計に負けてるでしょ」
「だからか」
「あそこは行きたくないわね」
「それは俺もだな」
 龍馬も阪神ファンだ、だからこう言うのだった。
「あそこは鬼門だな」
「そうよね」
「まあ野球は甲子園でいいな」
「そうね、夏は高校野球でね」
 この高校野球の間に本拠地を使えないことが阪神タイガースのネックになっていると言われている、通称地獄のロードだ。毎年阪神はこの時から成績を落とす。
「いい試合観られるし」
「あの球場が一番か」
「やっぱりそうね、ただね」
「ただ?」
「ドームじゃないから」
 高校野球はというのだ。 
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