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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第三章 X《クロス》
  初夜



「ふぅ・・・・今日は疲れたぜ・・・・」

「翔太郎、何やら騒がしいようだよ?」

「ん?みてーだな・・・・理樹か一刀はいんのか?」

「えっと・・・・ああ、一刀がいるね」



リボルギャリーに乗って、Wの二人と長岡が「EARTH」に到着すると、何やら何名かの人間が集まってきていた。


そこで翔太郎はフィリップにリボルギャリーを「EARTH」地下にある格納庫においてくるよう頼み、長岡とともにその中へと入って行った。



「おーい、一刀!」

「ん?あ、翔太郎さん!!」



そこで手を振って声を投げかけると、一刀も手を振って返してきた。
彼の周りには女子ばかりが集まっており、それをまとめようとしているようだった。


「一刀・・・お前ついに節操なくなって来たか?」

「ば、馬鹿言うな!!そんなんじゃない!!」

「ご主人様!いったいどういうことですかッ!?」


「えぇ!?愛紗は状況知ってんじゃんか!!」

「気を付けよ愛紗!主は保護と言ってついでにペロリするつもりだぞ!!」


「星もバカなこと言ってないで手伝ってくれ!!!」

「みなさん、こちらです。説明しますですよー」

「おい、おめーら危ないから走んなよ」

「ヴィータも対象なのかな?」

「あ た し は 大 人 だ !!」



そこには一刀だけではなく、愛紗やフェイト、ヴィータ、リィンに星もいて、その少女たちをまとめていた。



「おいおい、これはどういうことなんだ?」

「説明するからとりあえずみんなを会議室に入れてくれないか?急に連れてきたから説明してないんだ」

「おっけ。そのあとにはこっちの話もさせてもらうぜ?」

と、翔太郎も一緒になって全員の誘導を手伝った。


しかしここに集まっているのは皆少女だ。
女三人寄れば姦しいというが、さすがにこの人数では女子でなくともうるさいだろう。



だがそれでも何とか会議室に全員を入れ、席にも就かせることに成功、そこから一刀が事の説明を始めた。







「今日、御坂美琴がさらわれた」


最初の言葉はその一言から始まった。
そしてその言葉には、全員が閉口した。

御坂美琴と言えばあの電撃使いのトップではないか。


一体彼女に何があったというのだろうか。



と、さらに一刀が詳細を説明していく。


その内容はあまりにも唐突で、すでに被害にあっているものも改めて聞いて自分たちが危なかったことに少しだけ背筋が凍った。


「じゃあここで、敵に関しての説明をするから、変わるよ。じゃ、お願い」

「わかったよ」


そういって次は敵の話に移り、壇上には一刀に替わって海東が上がってきた。


「知ってる人もいると思うが、今回の敵はアンデットだ」


「え?」

「なんで・・・・」


海東の言葉に翔太郎はまさかの偶然にびっくりし、長岡は耳を疑っていた。
しかしその言葉は小さかったのか海東には聞こえず、彼は先を進めた。


「仮面ライダーギャレン、橘朔也が言うには、十人の少女の魂を求めているらしい」

「そんな・・・どうして!?」

「おそらく、邪神、って言うのを復活させてその力を自分のモノにするためだ。だからここに集めたのは邪神の力になりそうな、そんな魂を持った少女たちばかりだろう?」


そう言われてみると、と少女たちが周囲を見渡す。
ここにいるのは、皆力を持った少女たちだ。


「それで・・・その邪神ってのはなんなんだ?」


と、そこでヴィータが質問した。

完全にみんなに埋もれ、これでは被害者候補の一人・・・というか完全にそうとしか見えなかった。
だが、それを皆は言わない。


それが大人という物だ。




そして、その質問に海東が応えようとする。


「邪神の名は・・・」



しかし




「邪神の名は、フォーティーンよ」




その答えが飛んできたのは海東からではなかった。

「え?」

「だ、だれ・・・?」


その声に、全員が振り返る。
そこには椅子に座ってその話を聞いていた長岡ユキがいた。


「確かにそうだけど・・・・君は一体誰だい?」

「長岡ユキ。あの化け物どもを、いえ、邪神を封じ込める者よ」




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「私の家に代々伝わっている話でね。邪神が目覚める時、封じ込めるのは私なんですって」

「どういうことだ?」



長岡の独白が始まって、早々に翔太郎が聞き返した。
それに対し、特に向かいなおすこともなくそのまま話を続ける長岡。



「祖母から聞かされていたのよ。半分おとぎ話でね。邪神が目覚めるとき、使者が現れ私たちの一族の一人が、その魂を以って邪神を封じ込めるってお話」

「それが、今回のことだと?」

「ええ。私だって最初は信じちゃいなかったわ。だけど、数日前にこの子が来た」

「ワン!」



そういって、長岡が傍らにお座りしている柴犬に視線を落とした。




長岡の言う数日前。


その日、仕事から帰ってきた長岡のもとに、その犬はいたそうだ。
玄関口で座って、まるで数年一緒にいた忠犬であるかのように。


最初こそただの犬だろうと思った彼女だが、どうにも気になってしまい、餌を与えた。
そして、撫で上げた時に見たのだ。その首輪にあるものを。




「これは・・・アンデットの紋章・・・石版にあったものと同じじゃないか!!」

「ええ、その紋章だけは知ってたわ。なにぶん祖母が聞かせてくれた話の本に載ってたから」



柴犬を抱えあげ、一刀が驚愕する。
そのあとから剣崎や海東もそれを見て驚く。


「だったらこの犬はアンデットなのか?」

「わからないわ。でもそのあと私のもとに化け物・・・アンデットだったかしら?が一体だけやってきたときにこの子は立ち向かっていって、そのあとひょっこり帰ってきた。だから多分・・・」

「・・・・それで?あなたはなぜそれをどこかに連絡しなかった?」


と、そこでフィリップからの質問。
当然だろう。それだけのことならば、「EARTH」の管轄になる。

ほかの機関ではとても出ないが扱いきれないだろう。



「これは私たちの一族の問題だと思ったからよ。まさかほかの子たちがこんなに狙われているなんて思わなかったわ」



長岡は言う。
あくまで自分一人でこれは処分する問題だったと。

しかし、彼女の知らないところでどうやらその内容は変わっていたそうだ。


「私が祖母から聞いた話とは違ったわ。化け物どもは邪神を封印しようとする私を狙ってくるかと思ったけど、私を狙ってきたのは最初の一体だけ。それからは音沙汰なし。だから探偵さんと封印に行こうとしたのよ」

「一体なにが・・・」

「それはわからないわ。私は、祖母から話を聞いて、すぐに動き出した。それだけ」




「待ってくれ」





と、そこで長岡の言葉を、剣崎が止めた。



「あんた言ったよな?自分が封印するって。それって、どうやってだ?」

「・・・・私の魂をフォーティーンに捧げ、そして内から抑え込んで封じ込めるのよ。伝承ではそうだったと言い伝えられているし」

「そんな方法で!?」


「私はこれしか知らないもの。それにね、私はこの世界が・・・それなりに好きなの。まとめて滅ぼされるくらいなら、助けたいくらいには、ね」



否にあっさりという長岡。

彼女の考えはなるほど、確かに合理的だ。
巻き添えを出したくないからとどこにも連絡をしなかった。それも正しい。

しかし一人では無理だから最小限ですみ、なおかつ死にそうにない護衛を頼んだ。


おそらく、彼女は決断したのだろう。


抑え込めるのは自分だけ。
だったら被害はそれだけでいい。


だが、それでも長岡の腕は小刻みに震えていた。



「そうか・・・」

「だがいったいなぜ彼女なんだ?」

「さあ?知らないわ。とりあえず私の家に伝わっているというだけだし」



そういって話を終える長岡。



内容は分かった。

彼女は成し遂げようとしていた。



しかし、その言い伝えは変貌し、狙われるのは彼女ではない。





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「第一回!スバル宅ツイスター大会ーーーーーー!!!」



イェェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!




一方、ミッドチルダ


スバル・ナカジマのマンション一室。



そこで元フォワード陣とリトルバスターズが、ポカーンとしたティアナと理樹を出迎えていた。




ティアナはあの後現場を後にしてルネッサと情報のやり取りや今後の方針を伝え、彼女が今日は自分が起きているのでというのでお言葉に甘えてスバルの部屋にやってきたのだ。
一方理樹と鈴はこちらでの拠点にしている「船」に戻ったところ、書置きがあって「スバルの家に行ってる」とだけ書いてあったのでやってきた。



「な、なんで!?」

「ってかエリオにキャロ!!あなたたちまで来たの!?」


「僕らのほうもちょうど休暇が取れまして」

「それに、ティアナさんとはなかなか会えませんし」



確かに、執務官になってティアナは各所を飛び回っているためになかなか友人と会っていない。

一か所にとどまるような仕事ではないので、「EARTH」にも管理局にも顔を出す機会がないのだ。
会えてもそれは事件の合間だとか、向かいの通路からだったりで、会えたという気がしていなかった。


「だからって・・・まさかスバル・・・」

「うん?私は呼んだら面白そうだな、って恭介さんに提案しただけだよー?」

「俺は今こっちでこんなことがあるって連絡しただけだよー?」



と、そこでティアナがスバルに視線を向けると、スバルがてへっ、と舌を出して頭をコツン、おどけた感じで白状した。
そしてそれと同じ動作で恭介も暴露する。染色体が違うだけで、同じ動作なのにこうも差が出るものなのか。


腹立つ。おのれ染色体め。



「そして俺と真人が筋肉宅急便で掻っ攫ってきたんだ」

「ティアナさん」

「ええ、誘拐の現行犯ね」

「二人とも、弁護には立ってあげ・・・やっぱやめた」


「「辛辣ッッ!?」」


そしてさらなる暴露をする真人と謙吾。
本当に何しているのか。



「びっくりしましたよ。連絡があってどうしようか考えてたら、『そういうこともあろうかと!』とか恭介さんが言った途端に真人さんが飛び出して身体掴んで来ちゃったんですもん」

「わ、私も同じ感じで・・・・」




「あれ?でもそれだと二人は着替えとか・・・」

「それはすでに用意してあります」


「ここにはエリオさんの下着が」

「そしてここにはキャロ君の下着が」


「「なんで!?」」

「「趣味と実益」」



そこでとんでもないものを取り出してきた来ヶ谷と美魚。


こいつら妙に満足した顔をしてると思ったらそういうことか、そうかそうか。




「と、まあそれはともかくとしてツイスターだ」


「あたし明日も捜査があるんですけど」

「僕らだってそのはずなんだけど?」



「そうさ、俺たちは明日も捜査がある」

「しかし、だからと言って遊んでいけないわけがない」

「むしろ遊ぼうよ、ティア!!」


「あんたは何でそっちに取り込まれてるの!?」



完全にリトバスメンバーに取り込まれた親友に突っ込みをするティアナ。
ちなみに理樹はもうあきらめており、鈴に至っては素早く小毬の隣に行っていた。


余談だが、スバルも今日は今日で遅くまで仕事の予定だったらしい。
しかし、それらはまさにこの瞬間の時間を作るためにリトルバスターズが総出で手伝ったそうだ。

この暇人どもめ。



「だって恭介や来ヶ谷ならともかくよ、俺や謙吾っちは戦いにならないと大して意味ねーじゃねーか」

「神北や能美のように情報処理ができるわけでもないしな」

「だから遊ぶしかないんだよ」

「それにたのしーしねー」



そして話をほんわかと終わらせた小毬がお菓子を取り出してキャロとクド、鈴とでお話を始めてしまった。

もうこの流れはどうにも変更できないらしい。




しかし、理樹とティアナはまだ食事をとっていないのだ。

だからこれから食べるのだが・・・・



「人が食べてる前でツイスターはやめてくれない!?」




「ああ、スバル君のふ・と・も・も♪(はぁと)」

「うっひゃぁ!?た、助けて!!」

「そうなったら来ヶ谷はもう俺らにはもう止められないな」

「うひゃー、姉御さすが!!エロい!!」


「ほらほら!次は青に左足だぞ!?こっちに!!こっちにその足も延ばすんだ!!」

「なんで来ヶ谷さんはそんな体制で私の足をってうきゃぁ!?」



ティアナと理樹(鈴は小毬たちと食べている)の目の前でスバルと来ヶ谷がツイスターをやっていた。
しかも来ヶ谷はスバルの体にすり寄ってハァハァしている。


「そこにパンツがあれば見、太ももがあれば撫でまわす。至極当然じゃないか。どうして君らは減りもしないモノにこだわるんだい?わけがわからないよ」

「来ヶ谷さんが言ってることがわからないですよぅ!というか、この場合私の精神がすり減ります!!」

「そのあとおね-さんがしっぽりと癒してやるから!!」


「きゃーーーーーーーー!!!!」

「いつもこんなのなの?」

その来ヶ谷とスバルを、もう慣れたのか、ティアナがモフモフとごはんと食べていた。
理樹は最初は叫んだが即座に慣れていたようだ。これが経験の差。


「あはは・・・これがいつもだったらご飯食べ終わった後に僕が女装させられて・・・・」


ガラッ!!


「や、やめてください!!なんでそんな女の子の格好(ガッッ!)グぇ!!ちょ、西園さんなんでそんな力つよ、うわやめくぁwせdrftgyふじこlp;」


ピシャッ!!



『これで直枝さんに勝つる!!!』

『うわーいたずら好きのはるちんでもここまではやらないなぁ・・・エリオ君、だってこの中とか・・・』

『見ないでくださいよッッ!!!(怒)』





「ってなるんだ」

「エリオ・・・・強くなるのよ」


しかし結局なぜか手をワキワキさせた来ヶ谷と洗脳でもされたのかスバルによって、理樹もその部屋に引きずり込まれた。




『エリ×理樹?理樹×エリ?リバOK?ああ、もう何でもいいです!!』

『美魚君のレベルはどんどん上がってるなぁ・・・・』



「理樹、強く生きろよ・・・・」

『エリオ君かわいいーーーーーーーーーー!!!ねね、こっちも着てみてよ!!!』

『キャロ!?』



「キャロが変態さんになってしまった」

「ゆいちゃーん。あんまりやりすぎちゃだめだよー?」

『ゆいちゃんっていうなゲボボクボェ!!!』


ドサッ!!





事件とは裏腹に、こちらの夜は楽しく更けていった。



しかし、それでも情況は着実に進行していっている。








to be continued
 
 

 
後書き


前後との差が大きすぎる。
どうしてこうなったwwww

蒔風
「「EARTH」の方とミッドのほうがテンション違いすぎるという」


勢いで書いたらこうなった。
本当にどうしてか私は分からない。


蒔風
「しかも事件のさなかだって言うのに何とも楽しそうな・・・・」


私もそう思いました。
事件のさなか、こんなに愉快に騒いでいかがなものかと。


ですが、これは二次創作



こんなんでもいいじゃない!!
という考えに達しました。




蒔風
「なにそれ・・・あと、長岡女史の目的がわかったな、とりあえずは」

はい。
邪神を内から抑え込もうというわけですね。

しかし、長い時間とともにその伝承は薄れ、しかもその伝承とはまた変わってしまっているのですから、そりゃあうまくいきません。

蒔風
「でもまだ謎はあるわけだな」

なぜ、とくに力もない彼女の家にそれが伝わっているのか。
言い伝えの内容が変わり、十人の少女が狙われるのか。

そしてあの柴犬はいったい?




蒔風
「次回は各地での奮闘」

少女たちを守ろうと、各地で戦う姿を書きたいなぁ・・・とか思ってみたり。
マリアージュの方もチマチマ進めます。


ではまた次回!
 
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