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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0005話『会議』

 
前書き
更新します。 

 



私達がこれからの方針を話し合っている時だった。
急いでいるのだろう、電ちゃんが扉をノックしてきた。

『榛名さん! それに皆さん、お話の最中で悪いのですが来てもらってほしいのです!』
「どうしたの、電ちゃん?」
『はい。司令官さんが大事なお話があるそうで今は猫の手も借りたいとの事で!』
「わかった。すぐにいくね。執務室で大丈夫?」
『いえ、執務室の隣に会議室がありますのでそこまで来てください』
「わかった。すぐに向かわせてもらうね」
『はいなのです』

それで電ちゃんが遠ざかっていくのを確認して。

「うーん…何が起こったのかね?」
「とりあえず行こうよ提督。もしかしたら有益な情報かもしんないよ?」

川内にそう言われたのでとりあえず私達七人で会議室に行くことになった。

「なんかちょっとウズウズしてきたかもしンないぞ。なぁ提督?」

きひひッ!と笑みを零しながら江風が私にそう言ってくる。
あ、注意しとかないといけない事があるんだ。

「江風。それに皆もいいかな。今は私は榛名だから提督じゃなくて榛名って呼んでほしい。余計なもめ事は避けたいから…」
「了解だよ、司令官、じゃなくって榛名」
「了解です。榛名さん」
「了解ぴょん」
「がってんだ!」
「よし。それじゃ行こうか」

それで私達は執務室の隣にある会議室へと足を運ぶとそこには大破していたはずの暁ちゃんも一緒に全員いた。
おそらく高速修復材でも使ったか、それともまだ練度が低いからすぐに入渠が終わったのか。

「まずは集まってくれてありがとう。榛名さん、川内さん達とは話はしっかりと出来たようだね」
「はい。彼女達は私の仲間でした」
「そうなの…?」
「はい。それで久保提督、どうされましたか?」
「うん。ちょっと大事な話になっちゃってね」
「大事…?」
「うん。皆には大将との会話をプリントしたから配るね」

それで私達にも内容が記された紙が回ってきた。
だがその内容に私は、いや私達は驚愕の表情をした。

「てい…じゃなくって榛名! これって!?」

川内が声を上げて私を呼ぶ。
私もおそらく考えていることは一緒だろう。
この鎮守府はおそらく…。

「榛名さん? どうしたの? もしかして心当たりが…?」
「はい、まぁ…。なんというかここまでくるとご都合主義な展開だと思いまして」
「それはどういう…?」

久保提督が少し厳しめの目をして問いかけてくる。
そこには嘘は許さないと言った感じであった。
仮にも本物の提督なのだから普通の一般人だった私より威厳があるものだね。
まぁ、ちょうどいいし話しておこうか。

「久保提督。おそらくあなたが背負っている日本という重荷はすぐになくなると思います」
「えっ…? なんで…?」
「はい。その前に私達の隠していた素性を話しておいてもいいと思うんですよね。
うまくいけばあなた達とは友好関係を築けると思います」
「え? え?」
「一体どういう事だい…?」
「そうよ。説明して!」
「そうよ」
「なのです」

どうやら久保提督と第六駆逐隊の面々は混乱しているのか私達に遠慮がなくなっているようだ。
それで私は話す。
私の素性とこの突如として出現した鎮守府との関係性を。

「まず私は…そうですね。本物の金剛型戦艦三番艦である榛名ではありません。でも、それでも榛名なんです」
「榛名じゃないのに榛名だって…どういう事?」
「はい。私もどこまでが本当か嘘なのかも現状は分かっていないんですが、私はこの世界とは別の世界で川内達…彼女達の提督をしていたものです」
「ッ!? それって!」
「はい。そしてなぜかは分かりませんが私は榛名の体に宿ってこの世界に突然落とされてしまったのです」

あ、本物の榛名の魂もこの体に宿っているという説明をする。
そして川内達も私と同じように謎の光でこの世界に来たことを伝える。

「だからおそらく突如として現れたその鎮守府は私の鎮守府だと思うんです。出来すぎた話ですが多分間違っていないと思いますから」
「ふー…驚いた。あなたは提督だったのね」
「はい。驚きましたか?」
「うん。でもそうなると色々と話が繋がってくるんだよね。あ…そうだ。じゃあなたの事はどう呼べば?」
「今まで通り榛名で結構です。今はこんな成りですから」
「そう。それじゃ榛名提督と呼ばせてもらうわ。それじゃ早速だけどそれが本当なのだとしたら私としては首の皮一枚繋がったような状況だね」
「彼女達の説得は私達で行って構いませんか…? 私だからこそできると思うのです」
「うん。大丈夫だよ。全権は任せます。でも代わりに見届け人として私達も連れてってもらっても構わないかな? うまくいけば私とあなたは良き協力者になるんだから」
「そうですね。私がこの世界に来る前までの備蓄はまぁ十分でしたがこれからもそれを維持できるかは分かりませんから理解者は必要だと感じています」

それで話が纏まったのだろう。
電ちゃんが報告書を作成している隣で久保提督が実に興味津々な顔で私を見てきた。なんだ?

「どうされました? なにやら嫌な視線を感じるのですが」
「いや、肩の荷が下りたとわかったら興味が湧いてきてね。あなたの鎮守府の規模ってどれくらいなのかなって…」
「そう言う話ですか。まぁ別に構いませんが…」

それから久保提督と色々な話をした。
話すたびに驚かれたのはまぁ別にいいだろう。
今までのイベント海域の攻略話なので花を咲かせた。
それはこの世界でも同じだったようで久保提督も同じように先輩の提督から聞かされた内容と同じらしい。
だとすると、この世界はゲームの世界と連動している現実の世界という訳かな…?
それと他にも大和が片方は練度1のままだが実は二人もいるという話をしたらとても羨ましがられた。
なんだ? この世界ってそんなに大型建造はできるほど資材がないのか?
いや、あっても大和型を通常運用できるほどの余裕もないのかもしれないな。
ちなみに資材の横流しはしないですからと言って初めに断っておいた。

 
 

 
後書き
提督、正体を明かしました。

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